シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

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シムーン第二章 ~乙女達の祈り~ 小説本編

乙女達の祈り 第5話 【正邪】 その4

シムーン大破02
煙を吹きながらエアポートに着陸するシムーン

 大聖堂のエアポートに、煙を吹き上げながら、傷ついたシムーンが舞い降りて来た。
「お~いっ!担架を急げ」「早く火を消し止めろ!」救急隊や整備員たちが、慌てて駆け寄った。
 知らせを聞いて駆けつけたブリュンヒルデは、もうハッチによじ登って、怪我を負った二人のシュヴィラを助け出そうとしていた。
「アルテ、フリッカ、待ってて!今すぐ助けてあげるから」
「シュヴィラ・ブリュンヒルデ、危ないですから下がって下さい!」
 そう言って、救急隊は二人の負傷したシームーン・シュヴィラを、担架に乗せて運んで行った。
 二人が運ばれて行くのを見ていたブリュンヒルデが、急にふらふらとよろめいて倒れそうになった。
 駆けつけて来たネヴィリルが、ブリュンヒルデを抱き止めた。
 無理もない。連日のように続く出撃、見えざる敵との戦いで増える犠牲者…ブリュンヒルデは疲労困憊していたのだ。
 礁国軍の攻勢を食い止めるため、他のオーバスが率いるシムーン隊は、すべて南部の最前線に出払っていた。
 いきおい、広い北部一帯の防衛のために、ブリュンヒルデと首都防空隊には、過酷な負担が掛かってしまっていたのだ。
 しかも、目に見えない敵のステルス・シミレが国境地帯に出没し、嶺国本土をも狙っていると言う情報も入っていた。
 相手が見えないと言うのは厄介だ。ステルス・シミレは音もなくシムーンに近づいて、突然、襲い掛かかって来るのだ。
 いかに機動性にすぐれたシュミット・シムーンと言えども、相手が見えないのでは、手の打ちようがなかった。

(何か対策はないものか?)と、考えたアーエルとネヴィリルは、整備主任のワポーリフに聞いてみた。
「礁国のステルス・シミレは、どんな方法を使って姿を隠しているのかしら?」
「僕が嶺国の兵器工廠にいた頃、昔、漁船に乗って南の海で漁をしていた。と言う人から、ある話を聞いた事があります」
「漁船に乗って魚を獲っていた人ですか…それとステルス・シミレとどんな関係が?」
「南の海に小さな鮫がいて、そいつは辺りの景色に溶け込みながら、獲物が現れるのをじっと待っているとか」
「へぇ~、上手い手を考えたもんだね。まるでステルス・シミレみたいだ」アーエルが言った。
「そうなんです。皮膚の色が周りに合わせて変化するんですね。多分、礁国はそんな有機結晶を開発したのだろうと思います」
「有機結晶なのかぁ…でも、周りと同じ色に化けられたら見えっこないよね。いくら相手のスピードが遅くっても…」
「そこです!南の海の魚たちが珊瑚礁の周りを泳いでいるのは、相手が複雑な色の変化について行けないからだと思います」
「ありがとう、ワポーリフ。いい話を聞いたわ」
「いえ、どういたしまして。シュヴィラ・ネヴィリル、シュヴィラ・アーエル。何かの参考になりましたら」
 そうは言っても容易な相手ではない。しかも、このところ戦局は逼迫し、訓練を続けられるほどの余裕はなくなっていた。
 アーエルとネヴィリルたちコールブルーメは、少しでもブリュンヒルデの負担を軽くしようと、哨戒任務を買って出た。

 宮国と嶺国の間にまたがるアルトゥム山脈の国境地帯は、切り立った高い山々がそびえ立ち、いつも強風が吹き荒れている。
 山と山に挟まれた谷間の細い回廊は、古い時代には、宮国と嶺国のキャラバンが行き交う通商路であった。
 アーエルとネヴィリルは、かってシムーンの飛行訓練で、この谷間の回廊を飛んだ事があった。
 吹きつける乱気流の中で、いかにシムーンを操って飛ぶか。コール・ブルーメにも一度それを経験させておきたかった。
 国境地帯での哨戒飛行を終えた帰り道、アーエルとネヴィリルは、コール・ブルーメを連れて谷間の回廊に入った。
「ヒヤ~ァ!何っ…この強烈な風」
「シムーンがダッチロールしちゃうじゃないの~」
 強風に翻弄されてあたふたしているコール・ブルーメの少女たちに、アーエルとネヴィリルが注意を促した。
「風に逆らっちゃあだめだよ。みんな風に乗って」
「もっと翼をたたんで…パルが呼吸を合わせないと、風に負けるわよ~」
 しばらくは風にあおられて、大わらわになっていた少女たちも、次第に風をつかむのが上手くなって来た。
 そんな時、どこからともなく飛んできた銃弾が、トルペとレーヴェンのシムーンを貫いた。
「誰かに撃たれた~!」レーヴェンが叫んだ。
「痛あ~っ!足がっ…」トルペも負傷した。
 少女たちは慌てて辺りを見回した。しかし、どこにも何も見えない。
 再び弾丸が飛んできた。どうやら、コール・ブルーメの少女たちの上に何かがいるらしい。
「上に何かいるよ!みんな」ファイルヒェンが言った。
「危ない!みんな散開して」ネヴィリルが叫んだ。
「敵だっ!ステルス・シミレだ」イリスが注意を促した。
「一体どこにいるの?全然見えないけど…」カメリアはキョロキョロするばかりだった。
 銃弾が機体をかすめた。少女たちはどこから飛んで来るか分からない弾丸を交わすのがやっとだった。
「私に考えがある。私とアーエルが相手を誘い出すから、みんなは少し離れて後ろからついて来て」
 そう言うと、アーエルとネヴィリルは、シムーンを急上昇させて敵の矢面に立った。
 獲物が自分の方からやって来たと思ったのか、敵はアーエルとネヴィリルのシムーンを狙って、盛んに撃って来た。
「さあ、こっちへ来い」アーエルとネヴィリルは、飛んで来る弾を避けながら下降した。
 そして、谷間から立ち昇る霧に、時折身を隠しながら、次第に複雑な地形の中に相手を誘い込んで行った。
 一瞬、後ろにいた少女たちに敵の姿が見えた。敵は2機。目の前には大きな山が立ちはだかっていた。
「今だ、撃てー!」コール・ブルーメの少女たちは、一斉に機銃を発射した。
 とたんにアーエルとネヴィリルは、山にぶつかるぎりぎりの所で、反転急上昇した。
 コール・ブルーメの少女たちが放った銃撃は、一機のステルス・シミレを撃墜した。もう一機は、銃弾を避けようとして、山に衝突して砕け散った。
「やったー!2機とも」
「やっと見えない敵をやっつけたよ」
「みんな危ない所だったわね。トルペ、レーヴェン、怪我は大丈夫?」降りて来たネヴィリルは、二人を気遣った。
「痛いよ~!血が出てるし…」レーヴェンは肩を撃たれていた。
「ホバリングはできるけど、足を撃たれてて、全然前に進めない」トルペも痛そうだった。
「バルザミーネ、ネルケ、トルペとレーヴェンのシムーンを牽引してあげて」
 ネヴィリルはバルザミーネとネルケにそう指示すると、アーエルと相談した。
「早く帰って二人を手当てしなきゃ…いったん戻って谷から出ようか?アーエル」
「でも、引き返すと遠回りになってしまうよ。このまま谷を通る方が早く首都に着くと思う」
「そうね。風は強いけど、一刻も早く帰らなきゃならないしね」
「みんな乱気流に気をつけて~…このまままっすぐ首都に向かうよ」
 谷間の地形をよく知るアーエルはそう言うと、先頭に立ってみんなを誘導しながら進んだ。
 ところが、首都を目指して飛び続けるコール・ブルーメの前に、突然、ぬっ!と巨大な影が現れた。

~続く~

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銃って日本ではあまり事件はないけど
最近3Dコピー機で銃を作り
動画アップで捕まった方の事がいらっしゃいましたね。

わたしは銃は撃ったことがないのですが(;^-^)

かなり撃つほうも
力が無いと無理なのかしら。





#298[2014/06/04 02:15]  yume-mi  URL  [Edit]

Re: y様 CO ありがとうございます^^

> 銃って日本ではあまり事件はないけど
> 最近3Dコピー機で銃を作り
> 動画アップで捕まった方の事がいらっしゃいましたね。
> わたしは銃は撃ったことがないのですが(;^-^)
> かなり撃つほうも
> 力が無いと無理なのかしら。

私はライフルを撃った事があります。
「かなり反動が来るから」と脅かされたけど、意外と無かったです。
なので、拳銃は女性や子供でも扱えます。だけに3Dプリンター銃は怖い。
(アメリカで子供が玩具にして、父親を殺してしまった例もあります)
爆弾も作れるし、今後、確実に犯罪やテロは増えて来ると思いますね。
#299[2014/06/04 10:51]  sado jo  URL  [Edit]














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