シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

「ニッポン」不思議な国の成立ち

(1) 姫神(女系)国家「ニッポン」の原風景

姫巫女

日本の常識は、世界の非常識と言われて久しい。
しかし、筆者に言わせれば、世界こそ非常識なのであって、日本の方がはるかに常識的なのだと思う。
世界の民族(国家)の変遷を神話伝承からたどると、そこに、思いも掛けない日本の優れた特殊性が見出せる。

世界に伝わっている神話の中で、女神を主神とした神話体系は何処にも無い。日本神話=天照大御神だけである。
しかも、女神を太陽神として主神に据えているのが、日本神話の画期的な特徴である(しかもこの女神は自ら働いていた)。
世界の神話に出て来る太陽神は、何れも男性神で、日本だけが太陽神=女神であり、しかも主神となっているのである。
日本では古くから女性は「太陽」だと言われて来た。どうして、日本人だけが世界と異なる神話体系を作り上げたのだろうか?

その答えの起源は、日本にまだ国としての形が無かった時代の縄文文化に見出せる。
日本各地の縄文遺跡より出土する遮光器土偶は、明らかに女性(妊婦?)を象っており、女性を神として祭った事を現している。
また、縄文遺跡からは妊婦を象った土偶が数多く出土し、それらは故意に壊されて、土中に埋められた痕跡があると言う。
当時はまだ稲作は普及しておらず、芋作が主だった事を考えれば、裁断分離して植えた種芋の豊作を祈願したものと思われる。
女性が妊娠して、子供を産むと言う…今日では当たり前の事が、縄文人には神秘的な現象として捉えられていたのだろう。
狩猟と畑作で生計を立てていた縄文人にとって、自然の力が齎してくれる恵みの有無は、何よりも切実な問題であった。
裁断分離された種芋が増えて生い茂る様に、野山が命で満ち溢れる様は、女性の出産と同じく、大地の出産だったに違いない。
そして、生命を産み出す当体…女性を祭り、豊穣を祈願する風習は、後の姫神国家「ニッポン」の基盤ともなったのである。
もちろん、その祭りの中心に位置したのは、女性である姫巫女(シャーマン)であった。

お断りして置くが、この巫女はアニメに出て来る様な美少女では無い。たくさんの子供を儲けて、長生きした女性(嫗)である。
女性は、命を産み出す事によって霊力を身に付け、長く生きて、より神秘的な存在として崇められたものと思われる。
つまり、古代社会において尊重された巫女は処女では無いのだ。平均寿命の短い古代では、長寿の嫗こそが尊ばれたのである。
現代でも、男性よりも女性の方が長生きであり、歳老いても、肉体的にも精神的にも活動が衰える事が無い。
ましてや、男性の死亡率が高かった古代の事、この様な長寿の姫巫女嫗は、一族(一家)の長老として君臨していたであろう。
実際的な政事(実務)は、息子にやらせて、自分はその背後に控えて、監督したり、指図したりしていたに違い無い。
言わば二重統治構造とも言える図式で、後の日本における天皇制や、幕藩体制などの二重権力構造の始まりだったとも言える。
日本ではTOPより、その陰にいる人物の方が偉いのである。さぞかし、外国人には解り難い統治構造であろうと思う。
ちなみにアメリカの大統領は、現役を退けばただの一般市民である。国家の機密や政策などに触れる事すら出来ない。
日本では、政界でも首相より、派閥の領袖の方が。財界でも社長より、隠居した会長の方が。家庭でも旦那より、奥さんの方が偉い(笑)
姫巫女嫗は、一族の為に何事も無難に安全に事を進める事に配慮したであろう。してみると、我々は今も姫神国家体制の民なのだ。
その姫神の思いやりを慮れば、派閥の領袖や財界の長老達は、自身の欲得の為に、その制度を悪用すべきでは無いのである。
かの中国の史書「魏志倭人伝」に登場する邪馬台国の女王「卑弥呼」も、その二重の権力構造の上に君臨していたと思われる。

ともあれ、現代においても、長く生きて豊富な知識を蓄え、人生経験を積んだお婆ちゃんは、隠然とした力を持つ姫神である。
そんなお婆ちゃんの知恵を、特に女性の方は出産・子育て・家事などにおおいに活用してみてはいかがだろうか?

では、一族(一家)の長老である姫巫女嫗は、実際の政事において、どんな役割を担っていたのであろうか?
その辺の所を、次回 「菊理媛命は何を語ったのか?」で、解き明かしてみたいと思います。

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~ Comment ~


20代なのに昔の人みたいとよく言われる西條すみれです。
毒に詳しくなる前は知らない葉を見つけては毒かどうか調べるために
葉の液を皮膚に塗ってヒリヒリしないか、舌につけて痺れないかなど
お婆ちゃんの知恵とは違いますがかなり原始的な方法で毒を調べてました(笑)。
ちなみに少し前までチャリンコと聞くと子供のスリのことだと思ってましたが
私はまだまだお婆ちゃんではないと思っています。
#419[2014/07/05 22:49]  西條すみれ  URL 

Re: s様 COありがとうございます^^

>20代なのに昔の人みたいとよく言われる西條すみれです。
>毒に詳しくなる前は知らない葉を見つけては毒かどうか調べるために
>葉の液を皮膚に塗ってヒリヒリしないか、舌につけて痺れないかなど
>お婆ちゃんの知恵とは違いますがかなり原始的な方法で毒を調べてました(笑)。

間違えても漆の葉を塗らない様に…
赤い発疹ブツブツ、手は腫上がるし、痛いのなんのって…(笑)

>ちなみに少し前までチャリンコと聞くと子供のスリのことだと思ってましたが

それは「ジャリンコ」でしょうぉ~!お金を落としたらチャリンコ(笑)
#420[2014/07/06 00:37]  sado jo  URL  [Edit]

やっぱり昔の方の知恵って理にかなっているなと思います。
3歳の頃に、蚊に噛まれたら痒くて爪で十字にしてくれたのを
最近テレビで聞いたら、痛みで痒みを紛らわすそうですね。
わたしは薬が沁みこむため?て今まで思っていました(笑)
sado joさんは、家庭でも奥さんのほうが偉い。と女性を
そんな風にいつも書いてくださってますね。^^
なかなか男が~男が~って言う話ばかりを周りで聞いていたので(;^-^)

#421[2014/07/06 01:33]  yume-mi  URL  [Edit]

Re: y様 COありがとうございます^^

> sado joさんは、家庭でも奥さんのほうが偉い。と女性を
> そんな風にいつも書いてくださってますね。^^
> なかなか男が~男が~って言う話ばかりを周りで聞いていたので(;^-^)

日本神話には「イブはアダムの骨から作られた」なんて有りもしない話は無く
「○○之命は母神のホトから産まれた」なんて生々しいリアル話が多いです。
まるでポルノみたい…(笑)縄文人は良く観察してたんでしょうね~^^
えぇ、間違いなく、日本神話では男子より女子の方が偉そうです(笑)
#422[2014/07/06 12:40]  sado jo  URL  [Edit]

影の権力者は、諸外国で言うと、貴族の当主よりも執事が権力を持っていたとか、有名どころだとグレゴリー・ラスプーチン、でしょうか

とはいえ、日本のように女性が実権を握る、ということはなさそうですねw

陸続きのヨーロッパ諸国と、四方を海で囲まれている日本では考え方が違うのは、当然と言えば当然でしょうね
#423[2014/07/06 19:32]  blackout  URL 

Re: COありがとうございます^^

> とはいえ、日本のように女性が実権を握る、ということはなさそうですねw
> 陸続きのヨーロッパ諸国と、四方を海で囲まれている日本では考え方が違うのは、当然と言えば当然でしょうね

旧約聖書や、ギリシャ・北欧神話を見ても、基本的な世界観の違いがありますね~
姑の発言力が異様に強いのは日本だけ…?(最近の欧米化で弱まってはいますが)
小さい頃、親にねだっても買って貰えなかった時は、お婆さんに頼みました。
お婆さん「あんなに欲しがってるんだから、買っておやりよ~」
お母さん「しょうがないわね~…お婆ちゃんにそう言われたら」
やった~!作戦勝ち~(笑)
#424[2014/07/06 20:39]  sado jo  URL  [Edit]

『バラバラにして埋める』

ハイヌウェレ型神話ってやつですよね♪
私もあれには感じるところが多くて
詩や小説の中で再生の暗喩として
よく使ってます(^_^)



#425[2014/07/07 18:00]  小奈鳩ユウ  URL  [Edit]

Re: COありがとうございます^^

> 『バラバラにして埋める』
> ハイヌウェレ型神話ってやつですよね♪
> 私もあれには感じるところが多くて
> 詩や小説の中で再生の暗喩としてよく使ってます(^_^)

人間の細胞には、一個の個体を作るに充分な情報が内蔵されてるそうです。
アニメでは、バラバラにしても再生するクリーチャーが良く出てきます(笑)
映画「ジュラシックパーク」では無いですが、将来的には死んだ人(父や母)を
クローンとして再生できるかも知れませんね^^
記憶をメモリーバンクに保存しておいて、再生したクローンに移し変えればOK♪
永久に死なない人間…?でも何だかゾッ!とする様な気がしないでも無いです(笑)
#427[2014/07/07 19:53]  sado jo  URL  [Edit]














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