シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

「ニッポン」不思議な国の成立ち

(3)邪馬台国の成立

邪馬台国

縄文人もそうだが、日本は大陸の外れにある吹溜りの島国で、あちこちから渡って来たたくさんの民族で形成されたと思われる。
つまり、ニッポンはアメリカに先立つ事、数千年も古い時代に、移民で構成された合衆国だったのである。
そのせいか?日本人の顔立ちやスタイルは、様々な民族の特徴が現れ、実にバラェティに富んでいる。
そうした民族の一つに、縄文の頃から(北九州)沿岸部に住み着いた海人族(マリン)なる部族が存在した。
そして、このマリンこそが邪馬台国。牽いては大和国家の設立に大きな役割を果たし、日本の女系文化を決定的なモノにしたのである。
現在の様に魚群を一網打尽にする網が無かった古代、漁業の中心を担ったのは海女漁であった。
そう、あのNHKの朝のドラマで有名になった「じぇじぇじぇ」のあまちゃんである。
故に、女性は一族(一家)の宝として、大変尊重された。女子が産まれれば万歳!男子がが産まれればガッカリだったのだ。
まさに女尊男卑である「日本は男尊女卑だったのでは?」とお疑いの皆様。それは後世の武士の世になってからの話である。
その為、女性は産まれてからほとんど一生家を出る事は無く、結婚も夫が妻の家に通って来る、いわゆる「通い婚」であった。
近年に至るまで、海女漁を営む漁村では通い婚の風習が存在していた。男は肩身の狭い婿養子の様なものである(笑)
また、親が女子を大事にし過ぎる余り、外に出さないので、男子が女子の部屋に忍び込む「夜這い」と言う風習もあった。
しかし、一方で待つ身の女も辛い…せいぜい一家の為に海で働いて、黒く日焼けした顔に白粉を塗り、愛する男を待ったのである。
「女は色が白い方が良い」などと贅沢を言う男の為に、女が化粧をすると言う習慣が始まったのは、多分この頃からであろう(笑)
平安時代の古典文学「源氏物語」には、そんな男女の恋愛風景が描かれている。女子はまさに「箱入り娘」であったのだ。
マリンは漁業だけで無く、木造船を駆って大陸との交易を行い、時に大陸沿岸部を荒らした古代日本のバイキングだった。
そして、渡来人を日本に導き、稲作などの先進農業技術と文化を輸入し、弥生時代を開いたパイオニアでもあったのです。
筆者は、弥生人が縄文人を駆逐したとは考えていない。弥生人は徐々に渡って来たのであり、大挙してやってきた訳では無い。
スペイン人やアメリカ人の様に、銃を持って武力侵攻したのでは無く、むしろ新しい文化をもって土着の民に利益を齎した。
縄文の時代から日本は多民族国家であり、外から来る者は必ずしも敵では無く、原住民と次第に融合して行ったと考えている。

渡来人とマリンが運んで来た新しい農業技術により、生産力は飛躍的に向上した。しかし、この事が日本に災いを招いてしまった。
縄文の姫神体制の下では、姫巫女自身は元より、働ける者は全員が働いて、収穫は部族のみんなで分け合って来た。
以前聞いた話では、海外の人々から見ると、日本は資本主義国でありながら、共産主義国家体制に見えるそうである。
それもそのはず、マルクス・レーニンに先立つ事、数千年の昔に、日本人は姫神の元で共産主義体制を確立していたのだ。
海外の大金持ちは遊んで暮しているが、日本ではどんな金持ちでも働いている。そして貧富の格差が諸外国に比べ極めて少ない。
労働を善とし、遊興を悪として金を使わないから、貯蓄ばかりが増える。お陰で日本人の貯蓄は1400兆円を軽く上回る(笑)
海外から「働き蜂」だと陰口を叩かれながら、一向に改まる様子も無い。こんな国は世界広しと言えども何処にも無いのだ。

ところが、農業生産力が向上し、生産余剰が生じた事により、その共産主義的姫神体制が揺らぎ始める。
生産量が増えて、余剰分を蓄えた者が力を持ち始め、貧富の差が拡大して、部族内や部族間の抗争が起きる様になったのだ。
古代の外国では、食うに困って来た場合、部族ごと民族移動して、他の部族の土地を奪う為に戦争するのが慣わしだった。
ところが日本では、逆になまじ豊かになったが為に戦争が起きたのだ。戦争の原因が根本的に違っているらしい。
社会構造そのものが大きく変化し始めた弥生時代…姫巫女の調停も容易に効を奏せず、日本は戦乱の真っ只中に入るのである。
「桓 靈閒 倭國大亂 更相攻伐 歴年無主」 これが中国の史書「後漢書」に描かれている倭国の争乱である。
その頃、朝鮮の帯方郡より、マリンに導かれ(招かれ)、一族郎党を率いて九州にやって来た渡来系部族の王が居た。
当時、帯方郡は魏の東方経営の一大拠点であり、この王も魏朝に通じるそれ相応の位のある人物だったと思われる。
そして、彼は本国で行なわれている中国式の統治方法を用いて、何とか倭国の争乱を平定しようと努力したに違いない。
しかし、未だ未開な在来日本人は、中国式統治を受容れるには至らず、余計に火に油を注ぐ結果になってしまった。
そこで悩んだ挙句、当時尤もカリスマ性があり、各部族間の調停に実績を上げていた一人の姫巫女を王に担ぎ上げた。
「有一女子 名曰卑彌呼 年長不嫁」 すなわち、これが世に言われる邪馬台国の女王「卑弥呼」である。
日本に元からある制度を利用して、実質的には自らが政事を行なう二重統治…さすがにこれには各部族も従わざるを得ません。
夢を壊す様ですが、史書の記述にもある如く、彼女はそれ相応の年増で、恰幅のいいベテランの姫巫女だったと思われます。
「事鬼神道 能以妖惑衆」 人を丸め込み、巧みに自分のペースに引き込む事に、よほど長けた姫巫女だったのでしょう。
まるで詐欺師の様に見えますが、裏を反せば、それだけ人心の掌握を心得た、頭の良い女性だったと言う事になります。
また進歩的な女王であったらしく、渡来系の王の勧めで魏の皇帝に使節を送り、100枚の銅鏡と親魏倭王の称号を授かっています。
「有男弟佐治國」 と魏志倭人伝にある様に、実務は弟を名乗った渡来系の王が行い、自分は後ろに控えて監督した事でしょう。

そして女王・卑弥呼は、新しい文化や文物を積極的に取り入れ、それを巧みに統治に利用し、邪馬台国を発展させていった。
史書によると卑弥呼の王宮には1000人の巫女が仕えていたと言う。当時の人口や生産力からすれば考えられない数字である。
これほど大勢の女性にタダ飯を食わせる必要があったのだろうか?いや、女王・卑弥呼にはそれだけの値打ちがあったのです。
卑弥呼は子飼いの巫女達に魏帝より賜った銅鏡を持たせ、各部族の元に姫巫女として遣わし、支配を揺ぎ無いものにして行った。
こうして卑弥呼の類稀な外交力と調停力により、倭国の争乱は収まり、卑弥呼は渡来系の王を摂政として民の上に君臨したのです。
邪馬台国が中国皇帝に認定された日本初の統一国家として、空前の繁栄を極めたであろう事は明らかであります。
それは後述する熊襲の一派「狗奴国」の平定の為に、魏より遣わされた使者・張政の記述を見ても充分理解出来ます。
そして、卑弥呼こそが縄文時代より連綿と続いた、尤も姫神らしい最期の姫巫女でありました。
次回は、隆盛を極めた邪馬台国がなぜ没落したのか?を書いてみたいと思います。

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~ Comment ~


なるほど、これ(といっても一部)が以前コメントにあった夜這いの歴史か(笑)。
平安時代は日常のほとんどを自分の部屋で過ごしていたので
その中でいかに白く美しく魅せるかというわけで白粉を塗り
白さを際立てるために歯を黒く塗ったりおでこを出したりしていたので
必然的に顔が大きい女がモテた時代でしたね。
今思うとものすごい顔ですが。いや、懐かしいものです。
#439[2014/07/09 21:46]  西條すみれ  URL 

Re: s様 COありがとうございます^^

> 平安時代は日常のほとんどを自分の部屋で過ごしていたので
> その中でいかに白く美しく魅せるかというわけで白粉を塗り
> 白さを際立てるために歯を黒く塗ったりおでこを出したりしていたので
> 必然的に顔が大きい女がモテた時代でしたね。

いや~、今の女子は顔では無く、態度が大きくなりました(笑)
まぁ、女子が強くなるのは、日本にとって悪い事では無いと思いますよ^^
武士も兵隊さんもニッポン男児は絶滅し、再び縄文時代に戻ったのかも知れません。
大姑に取って代わって、ヤング「お局様」の姫神時代が到来しましたね~(笑)
#442[2014/07/10 01:51]  sado jo  URL  [Edit]

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#443[2014/07/10 02:05]     

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#444[2014/07/10 08:10]     

Re:y様 COありがとうございます^^

サザエさん…そう言えば、後継ぎのカツオ君がいるのにマスオさんはなぜ婿養子?
父が波平、母が舟だから、一家は伝統的な海人族の家系なのかな~?(笑)

何方かのコメントにもある様に、白粉(おしろい)は夜の暗がりでも、
女を際立たせる為のもの、歌の文句じゃ無いけど♪女の歴史は夜作られる~(笑)
#446[2014/07/10 13:22]  sado jo  URL  [Edit]

Re: n様 COありがとうございます^^

お心遣いありがとうございます^^
どうも、日本人の死亡原因の一つである、厄介な病気みたいです><
私も幼い頃大病をして、内臓が弱く、普段から気をつけてはいますが、
みなさんも、定期健診を受けるなどして、早期発見に努めて下さい。

#447[2014/07/10 13:30]  sado jo  URL  [Edit]

歴史は繰り返す、ということかもしれませんね

グローバル化云々という風潮は、当時を彷彿とさせるのかもしれません

なので、ヤングお局様wの出現は、ある意味必然なんでしょうねw

とはいえ、態度だけデカい、浅はかなオナゴは淘汰されてしまえと思いますが
#449[2014/07/10 21:47]  blackout  URL 

Re: COありがとうございます^^

>グローバル化云々という風潮は、当時を彷彿とさせるのかもしれません
>なので、ヤングお局様wの出現は、ある意味必然なんでしょうねw
>とはいえ、態度だけデカい、浅はかなオナゴは淘汰されてしまえと思いますが

いやぁ~…生物の進化を見ますと、複雑に成れば成る程、滅びやすいのが良く分かります。
T.レックスとか…逆に、エゴイストで生命力の強い生物(ゴキブリ)は数億年生きてます。
生命力の強いヤングお局様を駆逐するのは、ほとんど不可能かと…未来は男子には暗い(笑)
#450[2014/07/10 22:17]  sado jo  URL  [Edit]














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