シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

「ニッポン」不思議な国の成立ち

(13)邪馬台国 渡世人無頼帳 (座頭市編)

座頭市

こうしてお家騒動を鎮める為、分家のヤマト組から、本家の倭組にレンタルされた卑弥呼姐さんは九州に渡ったのでございます。
本家の姫神総本山に卑弥呼姐さんが登ると、倭のシマを巡るそれまでの争いは、次第次第に収まって参りました。
しかし、まだまだ「分家の姫神にゃァ従えねぇ」と言う頭の固い外れモンが意地を張っていたりもしました。
さらに何よりも「人の不幸は蜜の味」とばかり、密かに倭組のシマを狙っている狗奴組が、ちょっかいを出したりしていました。
そんなこんなで、九州に来てからと言うもの、卑弥呼姐さんは休む暇も無いぐらい忙しかったのです。
そうしたある日、姫神本殿奥の院で、喧嘩の仲裁に疲れた卑弥呼姐さんは、盲の按摩師「座頭市」に体を揉ましておりました。

座頭市 「姐さん。だいぶん凝ってなさいますねぇ~」
卑弥呼 「ここんとこゴタゴタの仲裁に忙しくてねぇ~。男って、何であァ意地を張りたがるのかねぇ~…あ、お前さんも男だっけか(笑)」
座頭市 「まァ、男ってなァ~子袋がねぇモンんで、タマァ(金玉=命(笑))張るぐらいしか能がねぇんでござんしょうねぇ~」
卑弥呼 「そんなもんかねぇ、男ってなァ~…淋しいモンだねぇ」

そこへ、いきなりドヤドヤと、手下を連れて押入ってきた来た狗奴組の代貸「菊池彦」が、ドスを抜くなりこうほざいたのです。

菊池彦 「邪馬台の姐さん。お命頂戴いたしやすぜ!」
卑弥呼 「おや、誰かと思やぁ狗奴組の代貸かい。いきなり人んちに土足で上がり込んで、それが狗奴組の仁義かい?」
座頭市 「ま・ま・お待ちなせぇ。どこの親分さんかァ存じませんが、あっしはまだ姐さんの按摩が終っちゃァいねぇです」
菊池彦 「何だァ?てめぇは…そこどかねぇと、てめぇも叩っ斬るぞ」と、卑弥呼姐さんをかばう座頭市をにらみ付けます。
座頭市 「おやおや、この目の見えねぇ坊主をお斬りなさるってんですかい?そりゃァ、あんまりだ~」
菊池彦 「やかましい!野郎共、このクソ坊主も一緒に叩っ斬っちまえ!」

杖を目の前にかざして、卑弥呼姐さんを守ろうとする座頭市に、狗奴組の三下が切り掛ろうとした刹那、
後ろの仏壇…いや、神棚の灰を掴んだ卑弥呼姐さんが、それを三下共の顔目掛けて投げつけのでございます。

三下共 「いちっ!ペッ、ペッ、くそ~、前が見えねぇ…クソ坊主、どこ行きやがった?」
座頭市 「おやおや、目明きってなァ~不便なモンでござんすねぇ」

長ドスを振り回して、やみくもに三下が斬り掛かって来たその一瞬、座頭市の仕込み杖が一閃!キラリと光ったのでございます。
シュバッ!ズバッ!ドバッ~!…たちまち三下共は血煙を吹き出して倒れ、菊池彦は顔面蒼白になってたじろいでしまいました。

座頭市 「親分さん。これでもまだ姐さんとあっしをお斬りなさるおつもりで…?」ジリジリとにじり寄る座頭市。
菊池彦 「野郎共!引けぃ…引けぇ~!覚えてやがれ、このクソ坊主!」そう捨てゼリフを吐いて、慌てて逃げ出す菊池彦。
座頭市 「あァ~、また人を斬っちまった…いやな渡世だなァ~」 (出たっ!座頭市の決めゼリフ)

そう言いながら座頭市は、仕込み杖を鞘に収めて、淋しそうに肩をすぼめるのでありました。
卑弥呼姐さんには、その孤独な男の丸めた背中が、泣いている様に見えたのでございます。



♪ およしなさいよ 無駄なこと
♪ いって聞かせて そのあとに
♪ 音と匂いの 流れ斬り
♪ 肩もさびしい 肩もさびしい
 「アァ…いやな渡世だなァ…」

 ~次回は「木枯し紋次郎編」をお送りする予定です~

にほんブログ村 小説ブログへ

 
関連記事
スポンサーサイト
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼シムーン第二章 ~乙女達の祈り~
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼未来戦艦大和
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼ビーストハンター
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼クロニクル ~カルマ~
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼まぼろし
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼やさしい刑事
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼幻影の艦隊
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼その他の小説
もくじ  3kaku_s_L.png オリジナル詩集
もくじ  3kaku_s_L.png 随想/論文集
もくじ  3kaku_s_L.png 死とは何か?
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  ↑記事冒頭へ  
←(14)邪馬台国 渡世人無頼帳 (木枯し紋次郎編)    →(12)邪馬台国 渡世人無頼帳 (ヤマト一家編)
*Edit TB(0) | CO(2)

~ Comment ~


卑弥呼さんの会話の返しがお上手ですね!
こういう風にぱっと返せるといいのですが・・・
ついつい詰ってしまいますw
きちんと男性の背中から感じ取ることも出来る方!

やはり頭が良い方なんですね^0^

肩こりが10代後半から酷くよくマッサージ他いっぱいしました。
先生に驚かれるほどの硬さですw
#533[2014/07/29 02:39]  yume-mi  URL  [Edit]

Re: y様 COありがとうございます^^

> 卑弥呼さんの会話の返しがお上手ですね!
> こういう風にぱっと返せるといいのですが・・・
> ついつい詰ってしまいますw
> きちんと男性の背中から感じ取ることも出来る方!
> やはり頭が良い方なんですね^0^

そりゃァ、まァ皇族のお生まれですから、高度な教育も受けていて、
しかも、経験豊富な巫女様と来てる…粗野な男じゃ勝てんでしょう(笑)

> 肩こりが10代後半から酷くよくマッサージ他いっぱいしました。
> 先生に驚かれるほどの硬さですw

「座頭市」に頼んで揉んでもらってはいかがですか?
いざと言う時は守ってくれるし、何かと頼りになりますよ(笑)
「いやな渡世だなァ」にならない様、しっかり養生して下さいね^^
#534[2014/07/29 17:38]  sado jo  URL 














管理者にだけ表示を許可する

~ Trackback ~


  ↑記事冒頭へ  
←(14)邪馬台国 渡世人無頼帳 (木枯し紋次郎編)    →(12)邪馬台国 渡世人無頼帳 (ヤマト一家編)