シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

「ニッポン」不思議な国の成立ち

(14)邪馬台国 渡世人無頼帳 (木枯し紋次郎編)

紋次郎

その頃、邪馬台宗社の拝殿には、同じく手下を連れた狗奴組の若衆頭が、殴り込みを掛けておりました。
そして、あられも無く逃げ惑ううら若い姫巫女を捉まえて、狼藉を働こうとしていたのでございます。
そこへふらりと通り掛った、縞の合羽に三度笠。股旅姿の風来坊…口に咥えた長楊枝がヒュッ!と飛んだのでございます。

若衆頭 「いてぇっ!てめぇ、何しやがんでぇ!俺達の邪魔をしようってのか?」
紋次郎 「いぇいぇ、死んだお袋の供養に有難てぇお札をいただきに来ただけで…あっしにゃァ関りのねぇこってござんす」
若衆頭 「関りねぇんなら、さっさと行っちまえ!このボケがァ!」
紋次郎 「へぇ、お札をいただいたらすぐに…お巫女さん。有難てぇお札を一めぇ分けちゃもらえねぇですか?」
姫巫女 「た・助けて下さいっ!渡世人さん。この人達に無理矢理…」
若衆頭 「見りゃァ分かんだろ!お巫女さんは、今俺らのお相手で取り込み中でぇ」
紋次郎 「へぇ、そいじゃァ、お札をいただけるまでここで待たしていただきやす」
若衆頭 「邪魔んなるって言ってんだろうがァ~!てめぇ、さっさと行かねぇと叩っ斬るぞ!」

そう言って若衆頭が配下に目配せすると、たちまち三下共が長ドスをかざして、紋次郎を取り囲んだのでございます。

紋次郎 「あっしゃァ関るつもりはねぇんですがねぇ~…でも、喧嘩を売られちゃァ仕方がねぇ」
若衆頭 「野郎共、殺っちめぇ~!」

三度笠をヒュッ!と飛ばした紋次郎、腰の長ドス スラリと抜いて、斬り掛かって来た三下共をバッサ!バッサ!
と、鮮やかな太刀捌きで斬り倒し、若衆頭の喉元に切っ先を突き付けながら、こう言ったのでございます。

紋次郎 「これであっしの用を済ましてようござんすか?」
若衆頭 「ヒ・ヒッ!ヒェ~!」すっかり怯えて、転げる様に逃げ出して行きました。

そうして紋次郎は、震えたまましゃがんでいる姫巫女を助け起し、有難いお札をいただいたのでございます。

姫巫女 「神社を守っていただきありがとうございました。お陰で助かりました。渡世人さん」
紋次郎 「いぇ、たまたま通り掛かっただけの事でござんす。あっしにゃァ関りのねぇこって…」
姫巫女 「あの…せめてお名前だけでもお聞かせ願えませんでしょうか?」
紋次郎 「旅から旅への流れモンに、名乗る名前なんざァ持ち合わせちゃいねぇでござんすよ」

素っ気無くそう言うと、紋次郎は落ちていた三度笠を拾って、何気に姫巫女に微笑み掛けたのでございます。
(この人とっても淋しい人なんだァ…)姫巫女は、その笑顔の奥に男の言い知れぬ孤独を見たのでございます。

紋次郎 「そいじゃァ、あっしはこれでお暇いたしやす。お嬢さんもお達者で…」
姫巫女 「………(もう瞳ウルウルで何も言えない)」

慇懃に姫巫女に一礼した紋次郎は、縞の合羽を翻してひょうひょうと立ち去って行くのでございました。
そうして淋しそうに去って行く男の背中を見つめながら、娘の胸の中には熱いものが込み上げて来たのでございます。

上州新田郡・三日月村の貧しい農家に生まれた渡世人。無宿無頼の旅ガラス。その名も「木枯し紋次郎」
男から見りゃァ、ただの罪作りに見えますが、女子の目から見たらさぞかしイイ男に見えるんでござんしょうなァ(笑)

こうして、三世紀にタイムスリップした渡世人達の活躍により、邪馬台国は一旦はその危機を脱したのでございます。



♪ どこかで だれかが
♪ きっと 待っていてくれる
♪ 雲は焼け 道は乾き
♪ 陽はいつまでも 沈まない
♪ こころは むかし死んだ

 ~次回、邪馬台国 仁義なき闘いへ続く~

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<邪馬台国 渡世人無頼帳(仁義なき闘い編)は取り止めます>
この物語の続きを書いてみましたが、面白く無さそうなのでボツにしました。
要するに、卑弥呼さんは立派にお役目をやり遂げて、九州を始め、西日本全域に平和を齎し、亡くなります。
ところが、味を占めた博多の本家は、また分家に頼んで、まだ13才の姫神・壹與さんを借りに来る始末だったのです。
とうとう、本家の不甲斐無さに業を煮やした分家の親分は、本家を簒奪してこれに取って代りました。
かくして、博多の「ヤマト古王朝」はあえなく滅び、近畿に「大和王朝」が誕生いたしました…とさ。

日本と日本人を探求するつもりが、筆者の趣味で脇道に逸れましたので、次回は本筋に戻したいと思います(笑)
 
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~ Comment ~


強い男性
優しい男性

それぞれ好みが別れるとは思いますが
紋次郎さんは両方あったのですかね^^

そんな強いのに瞳の奥に見える寂しい心が
見えると母性本能が・・・(*≧ω≦)
この歌詞ですね~書いていただいたの♪

こころはむかし死んだ
この一言が胸に刺さります。
#535[2014/07/31 01:12]  yume-mi  URL  [Edit]

Re: y様 COありがとうございます^^

子母澤寛(座頭市の原作者)と、笹沢左保(木枯し紋次郎の原作者)
この二人が生み出したヒーローには、共通の心象風景が認められます。
まるで置き去りにされた男の子の様な魂…そう、心は昔死んだのかも知れませんね。
そうして「いるはずの無い永遠の母を探してさまよっている」訳です。
男って何なんでしょうね~?(笑)
#536[2014/07/31 19:17]  sado jo  URL 

寂しい生き物だと思いますですw

前回の座頭一編ではないですが、子袋がないからタマ張るしか能がないっていう(汗)

「命より芸術だ」「過労死できれば本望」っていうセリフを何かで見かけましたが、極端ですが、ある意味理に叶っている気がします

女が草食系男子に絶望するのも然りかと

魔法少年は、基本的に上記のような生き方ですが、死なずに生き残ってしまったので(汗)

命をなくさないように、女を悲しませない程度に、上記の生き方をすることにしたいと思いますですw
#537[2014/07/31 21:37]  blackout  URL 

Re: CO ありがとうございます^^

> 寂しい生き物だと思いますですw
> 前回の座頭一編ではないですが、子袋がないからタマ張るしか能がないっていう(汗)
> 「命より芸術だ」「過労死できれば本望」っていうセリフを何かで見かけましたが、極端ですが、ある意味理に叶っている気がします

男の心境を表した夏目漱石の小説「草枕」の冒頭文。
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくい」
女性に言わせると、この冒頭文の男の心境は解らないそうです(笑)
#538[2014/08/01 01:03]  sado jo  URL 














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