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シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

随想/論文集

イスラム過激派「仏社襲撃事件」は何の前触れ?

フランステロ

年初も明けやらぬ7日、フランスでイスラム過激派のテロが発生し、13人が死亡し、多数の負傷者が出た。
場所は、パリの繁華街にある新聞社「シャルリー・エブド」のオフィス…ルーブル美術館が目と鼻の先にある。
事件の詳細はさて置くとして、欧米各国は一斉に非難声明を出し、世界の世論は反イスラム原理主義に傾いている。
思えば2001年の「9.11テロ事件」より今日に至るまで、イスラム社会と欧米キリスト社会の対立は深刻の度を深めている。
又、ロシアのウクライナ侵攻に代表されるナショナリズムを背景にした、民族対立も年々激化しているのが実情である。
すでに数年前から、ヨーロッパ各国で反イスラム運動が広がり、他宗教・他民族を排斥する右翼政党が台頭している。
他人事だと笑ってはいられない。我が国でも反韓・反中を主張する民族主義者が増えて来つつあるからだ。
自分が書いた小説「ビーストハンター」の世界が、現実のものとなりつつあるのか?と思うとゾッ!とする面持ちになる。

これはデジャブか?…以前にもこの様な光景を見た気がする。確か数十年前にあったユダヤ人排斥運動を彷彿とさせる。
紀元前後、拡大政策を取るローマ帝国に対して、ユダヤ人達は、宗教を頼りに盛んに民族復興運動やテロ活動を行なった。
だが、反面ユダヤの王侯貴族や、資産家は、豊かさを齎すローマ帝国に迎合し、逆にユダヤ人達は国を追われるはめになった。
内部に裏切り者がいては、如何なアルカイダやISIS等のイスラム過激派と言えど、ユダヤ人と同じ悲惨な結末をたどるだろう。
彼らはテロの相手を間違えている!イスラム内部に巣食う欧米に迎合する王族、族長、資産家こそが彼らの標的であるはずだ。
なぜなら、彼らこそ背教者だからである。彼らは「コーラン」を信じてはいない!信じているのはドルとユーロである。
片や、十字軍よろしくアメリカを中心に軍隊を派遣している欧米側にも、イスラム原理主義者に加担する裏切り者がいる。
なので、これはエルサレムを巡る中世の聖戦では無い。大義名分として神の名を騙り、宗教を貶める穢い戦争である。

「宗教や民族の対立を煽るべきでは無い」と各国元首は言うが、口とは裏腹に冷戦後の世界は逆行し、分断されつつある。
本当に宗教や民族の対立なのか?私には疑問に思える。本質は富の配分が不公平なのが原因では無いかと思うからだ。
21世紀に入って共産主義が大きく衰退した世界では、露骨な資本主義が台頭し、どの地域でも貧富の差が拡大している。
近頃、ベストセラーになった『21世紀の資本』-トマ・ピケティ著-の描く「格差社会」は深刻ですらある。

だが私は決して絶望していない。人々が指針を失って混迷していた当時のユダヤには偉大な人が現れた。
ならば、今荒れ狂う中東に…いや、世界にも必ず偉大なお方が現れるに違い無いと信じている。

そのお方は、かってのガリラヤの様に、尤も苦しんだ地域にお生まれになるだろう。
戦乱に明け暮れるアフガンの民の中かも知れないし、イラクのクルド地域の人かも知れない。
すでに「マララ・ユスフザイさん」など、露払いの先達を務める預言者がかの地域に現れている。
きっと、そのお方は、人々に未来を生きるべき道を指し示されるだろう。
だが、古い因習に囚われた頑迷な中東の人々に、そのお方の言葉は届かないだろう。
そのお方は「コーラン」を否定した廉により、迫害され、囚われ、拷問され、殺害されるだろう。
しかし、そのお方は死を前にしてこう言われるだろう「神よこの盲目の人々をお許し下さい」
そうして、その方に付き従った僅かの弟子達の手によって、その教えは世界に広まるであろう。
世界に未来の陽が昇り、新しい開けた世界が始まるのだ。
アラブの民は、そのお方にした仕打ちを償わねばならず、欧米の民は悔い改めなければならない。
そうしなければ、彼らは孤児の如く神に見捨てられ、新しい神の世界には入れない。
もう、お生まれになっているだろうか?いや、きっと戦乱の中でお生まれになっているに違い無い。
お生まれになっていたら早く声を発して欲しい。私は悲惨な世界の中からそれを待ち望んでいる。
そのお方こそ、地上に生きる民を導く聖者。混迷する世界を救う救世主である。
そのお方を死に至らしめたイスラム原理主義者は、かの土地を追われるであろう。
安住の地も無く、家も無く、食も無く、背信者・ユダの末裔の如く地上をさまよい歩くだろう。
アルカイダもタリバンもISISも、その子孫の末路は惨めで哀れであろう。
暴力で世界を変えようとする者は、神の前で裁かれる無力な罪人でしか無い…と予言しておきたい。


イスラム過激派による「パリ新聞社襲撃事件」 フジTV提供

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<疑問に思う報道関係者の姿勢>
今回のNESWで、テロの原因?であるムハンマドの風刺画を、テロの標的にされる事を恐れて掲載しないメディアが多い。
関係者は「イスラム教徒に配慮して」と言い訳しているが、これは、イスラム過激派の脅しに屈した格好にもなっている。
「報道の自由を守る」「テロには屈しない」と言うのであれば、読者には真実をありのままに伝えるべきでは無いだろうか?
その昔、キリスト教(聖書)にはタブーがあり、その真実を暴いた多くの人々が弾圧され、処刑された歴史があった。
その人達の犠牲の上に、欧米の自由な文明は築かれた。タブーが破られてこそ真実が明かされ、文明は前進する。
今、イスラム教徒の頑迷な盲目を開き、彼らを解放してやる事こそが慈悲であり、メディアの役割では無いのか?
「強姦された」「性奴隷にされた」そんなイスラムの女性達に “同情するなら金をくれ(笑)” …基い、行動を起すのが筋だろう。
茨の道を切り開こうと思えば犠牲は必ず出る。中東に大軍を派兵してイスラム原理主義者と闘う事になるかも知れない。
しかし、それを恐れ、臆病になってしり込みしていては、余計にテロリストの思う壺にはまるだけでは無いだろうか?
我々日本人には、かって欧米連合軍の力によって、大日本帝国の頑迷さを打ち砕かれて、目を覚ました歴史がある。
 
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~ Comment ~


9.11テロは当時見ていて
一瞬映画の特撮だと思ったほど。あれがきっかけで?
空から爆撃され、街が一瞬で燃え広がる夢を
何度も見るようになってしまいました。

ほんと世の中がドンドン荒れ狂う一方で、sado joさんの書かれる小説が
ノンフィクションになりそうな勢いですよね・・・。
#1288[2015/01/09 08:40]  yume-mi  URL  [Edit]

こんにちは^^

本当に神を信じているなら武力で制圧しようとは考えないし
本気で「神は偉大だ!」という考えであんなことをしたとしたら愚か者以下ですし
私がその神なら逆にこいつら抹殺してます(笑)。だから確かに貧困説は有力ですね。

個人的には金というシステムが人間を狂わせているのではないかと思います。
宗教そのものはそれぞれの考えなんで否定はしませんが
やはり自分達と考えが違うからと弾圧していいものではないし
こういうのは水と油と同じで交われないなら無理に交わる必要なんてないですね。
#1289[2015/01/09 10:04]  西條すみれ  URL 

Re: yume-mi様 COありがとうございます^^

> ほんと世の中がドンドン荒れ狂う一方で、sado joさんの書かれる小説が
> ノンフィクションになりそうな勢いですよね・・・。

近未来小説「ビーストハンター」のはずが、直未来に起きてしまいそうです。
欧米人が怒ると、イスラム教徒の迫害や、ビースト法の施行は充分あり得ます。
現に、ヨーロッパではアラブ人が殴られたり、モスクが焼討ちされたりしています。
各国とも右傾化してるから、ドイツ人なんかは恐いですよ~…ナチス再び><
#1290[2015/01/09 13:06]  sado jo  URL 

Re: すみれ様 COありがとうございます^^

> 本当に神を信じているなら武力で制圧しようとは考えないし
> 本気で「神は偉大だ!」という考えであんなことをしたとしたら愚か者以下ですし
> 私がその神なら逆にこいつら抹殺してます(笑)。だから確かに貧困説は有力ですね。
> 個人的には金というシステムが人間を狂わせているのではないかと思います。

確かに、私が「アラー」なら勝手にその名を騙ってテロをやるヤツは懲罰ものですね。
宗教は人を生かす為にあるもので、人を殺害するのに利用した時点で信者失格…即破門!

金は無いが、銃がある者の選択は一つしか無い…その銃で人を殺して金を奪う事。
テロの本質は聖戦では無く、貧乏人の強盗殺人です。金持ちへの嫉妬なんですよ。
トマ・ピケティ著「21世紀の資本」では無いが、富の分配システムを考え直さないと、
テロはもっとひどくなりますよ。欧米に加担している日本人も誘拐されてるし…
#1291[2015/01/09 13:32]  sado jo  URL 

貧富の差は最近より感じますね
格差社会っていうと聞こえはいいですけどね(汗)

東京の23区でさえ、スラム化してるんじゃ?って場所がありますからね

ちなみにloyal shadowやdeath penaltyに出てくる場所は、そのスラム化してるんじゃ?っていう場所がモデルになってます

ええ、実際にブラブラしてましたが、あまりいい感じのする場所でないのは確かでした

困ったのは、自分はより生きやすくなってきたと感じていることです(汗)
これが何を意味するのか、今はまだ答えが出ないですね
#1292[2015/01/09 20:23]  blackout  URL 

Re: blackout様 COありがとうございます^^

> 困ったのは、自分はより生きやすくなってきたと感じていることです(汗)
> これが何を意味するのか、今はまだ答えが出ないですね

人間に限らず生き物は、食べ物があって、適当に散らかってる状態を好みます。
豊かで、適当に雑然とした自然の中で生まれた生物の本能から来るものなのかな?
だから、逆に整然と管理された空間(都市の中心等)を窮屈に感じるのかも知れません。
下町然とした場所は居心地が良いです…でも、それと「貧富の格差」は別問題です。
自然に例ると、山の天辺は生い茂ってるが、底辺の裾野は草木も生えて無い状態ですね。
#1293[2015/01/09 22:18]  sado jo  URL 

暴力で世界を変えようとする者は、神の前で裁かれる無力な罪人でしか無い…。
同感です。
#1294[2015/01/09 23:40]  マウントエレファント  URL  [Edit]

こんにちはー♪

いまEテレでピケティ教授の講義をやってました。
教授によれば所得と資産に対する累進性の高い課税が格差を是正する…とのことですが
それが実際に行われていたのが第一次大戦から第二次大戦の頃でした。

戦争で政府にお金が必要になると課税が進み、自然と格差が解消される…υ
そして資産が失われると
そこからは高い経済成長率になり、皆が経済的な潤いを実感する。

これは、もう
格差解消方法イコール戦争
ですね…υ

世界は必然的に戦争に向かっているようです。民主主義の基本理念である平等は戦争を迎えるシステムかも知れないです…υ

ピケティ教授は課税のために、タックスヘヴンなどを許さない徹底した情報開示こそが解決策であると言ってました。それは少しずつ進んでいるらしいです。

果たして、どうなるのか?w
#1295[2015/01/10 00:04]  小奈鳩ユウ  URL  [Edit]

Re: マウントエレファント様 COありがとうございます^^

> 暴力で世界を変えようとする者は、神の前で裁かれる無力な罪人でしか無い…。
> 同感です。

狂信者は神を信じてる様で、実は神を貶めている手合いが多いです。
オーム真理教の連中のやったテロを思い起こせば良く分かります。
殉教だとほざいてますが…神の教えに殉ずると言う本来の意味を理解して無い。
人を殺して神が喜ぶなら、その神は神では無く「悪魔」です。馬鹿な犯罪者ですよ><
#1296[2015/01/10 00:44]  sado jo  URL 

Re: 小奈鳩様 COありがとうございます^^

貧富の格差を是正する手段が戦争しか無いのなら、資本主義に未来は無いですね。
でも、トマ・ピケティはそうは言っていないと思いますよ。

私が思うに、スターリンさえ出なければ、社会主義はある程度成功してたと思います。
奴が独裁主義をやった為に、他の国もスターリンの真似(半ば強制)をして失敗した。
民主主義であれば、社会主義システムそのものはそこそこ機能しただろうと思います。
資本主義と社会主義を結婚させる…これが目下の所ベストな選択では無いかと思いますね。
実は、日本に貧富の格差が少ないのは、ソレだったと指摘する経済学者もいます。
#1297[2015/01/10 01:02]  sado jo  URL 

 佐渡様

 こんにわでございます。ずっと世の中が物騒ですよね。イスラム教も
 キリスト教も、起源は同じユダヤ教でそれが分離したもの。根本的な
 信念は一緒のはずだと思うのですが、なぜ宗教同士で争うのでしょうか。
 佐渡様が書かれた「信じているのはドルとユーロである。」まさしくこれ
 だなと感じます。宗教は建前で、結局お金、物量なんだなと思います。
 物量で勝り、力で屈服させ、勝った者が正義。これは第二次大戦の二の前
 だということに気づかないのでしょうか。困った人たちがいっこうに減らない
 のは残念なことです。
#1298[2015/01/10 11:26]  otometubaki  URL 

Re: otometubaki様 COありがとうございます^^

富と資源を独占してるアラブの富裕層は「アラー」など信じてません。ドルとユーロです。
彼らにテロ(戦い)を挑むなら、「アルカイダ」は革命家であり、民衆の英雄です。
欧米は自らの努力で今日の繁栄を築きました。なので闘う相手を間違えてます。
アラブも欧米も神は死んで、形骸化し、悪しき慣習のみが民衆を苦しめています。
神に代ってドルとユーロが世界を支配し、騙された若者が大勢死んでいるのが真相です。
二千年前の古ぼけた神では無く、新たな概念、新たな神(聖者)の出現が必要です。
#1299[2015/01/10 13:25]  sado jo  URL 














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