シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

随想/論文集

女子力が行き詰った人類を救う

マララさん
テロリストに撃たれた直後のマララさん

「小惑星マララ」
米航空宇宙局(NASA)の宇宙物理学者、エイミー・メインザー博士は、新たに発見された小惑星をそう名付けました。
勿論、昨年史上最年少でノーベル平和賞を受賞した、あの奇跡の少女「マララ・ユスフザイ」さんの名を冠したのです。
「人類が直面する難しい問題を解決するために、人口の半分を占める女子の能力がどうしても必要だ」
博士は命名にあたって、行き詰っている文明に対して女子力が及ぼす、未来への期待を込めてそう名付けたそうです。

科学に携わる多くの研究者は、人類は現状のままでは30世紀どころか、25世紀すら迎えられないと指摘しています。
過去4000年に渡る男性中心の文明構造が、ここに来て破綻し掛かっているのが、誰が見ても明らかになっているからです。
種の歴史から見れば、4000年は長い様で実は短い…しかし、人類そのものは、それ以前の長い数十万年を生き抜いて来ました。

ロンドンのある研究所が、石器時代の人間の移動距離をDNAに基づいて、男女別に調査した報告書があります。
石器時代と言えば、狩猟生活を営んでいた時代…さぞかし、男子は獲物を追って長い距離を移動した事だろうと思われます。
ところが、その推測に反して、何と女子の移動距離の方が、男子に比べて遥かに長かったと言う事実が明らかになっています。
そして、それは類人猿に関しても同じだった。牡が群れを離れる事は滅多に無いが、牝は群れの間を頻繁に移動していたのです。
これは何を意味するのか?つまり、女子は本能的に種を繋ぐにより良い生活環境、子供の養育環境を求めて移動していたのです。
石器時代の女子は、命を遠くまで運ぶ箱舟の役割を果たし、その行動の自由は制限されなかったと言う事なのでしょう。
それが。牧畜・農耕文化の発達と共に変化したのが、現代に続く4000年前の文明発祥の頃だったと思われます。
腕力に勝る男子が文明を主導し、富の蓄積による階級社会が生まれ、女子は財産の一種として扱われる様になったのです。
本能的に縦社会の構造を作る男子は、地位や、土地や、覇権を賭けて争いましたが、女子には何も与えられなかったのです。
おそらく、民族などと言う概念が生まれたのもこの頃からでしょう。女子が行動の自由を奪われ、遠くへ行けなかったからです。
そして、男子を中心とする文明が成立してから4000年の長きに渡り、女子がその文明の一翼を担う事はついぞありませんでした。
しかし、よくよく考えて見れば、この男性文明は片肺で飛んでいる危うい飛行機の様なものだったのです。
人類の半分を占める女子の力を封印したまま、未来へ向かっての長距離飛行など到底出来うるはずも無いものでした。
世界に冠たる文明国であるアメリカの男子さえ、1960年頃までは「女は台所にいれば良い」と思っていたらしいです(笑)
その片肺飛行の限界を人々が感じたのはつい最近の事です。気が付いた時には、人類の文明はすでに失速し掛かってました。
もはや、男子がどんなに精一杯エンジンを噴かしても、この文明を上昇気流に乗せる事は出来ない所まで来ていました。
そうなると、残された道はただ一つ…女子力のエンジンを点火して機体の安定を保ち、暗雲の上に出るしかありません。
幸か不幸か?符号を合わせた様に、テクノロジーの発達によって、社会の各分野での腕力は必要無くなって来ています。

もし、アメリカとロシアの大統領が女性だったら…と、考える事がよくあります。
きっと彼女達は、領土や大国の覇権よりも、子供達の未来に照らしてウクライナの問題を解決する事だろうと思われます。
同様に中国の主席が女性だったら、党内の男達を黙らせるでしょう…男のつまらん欲望よりも子供の未来が大切だからです。
女性達は、それぞれが先の世代から次の世代へと種を受け継ぐ「バトンランナー」である事をよく自覚しています。
対して男性は、他を排斥して一代の覇業を望むばかりで、永続と言う観念を欠く遺伝子的にも劣る存在であります。
女性は命の連鎖と言うものを考えます。どんな命も可能性がある限り、次の世代に繋がれなければならないからです。
仮に、淘汰と言うものが起こるならば、それは自然現象であり、決して人為的なものではあってはならないのです。
男性は偏頗な文明は創れても、命を創る事は出来ません。女性は自らの身体の中に生命を産み出す宇宙を備えています。
行き詰った現代文明の活路を女子力によって開く…それ以外に人類が種を存続させて生き残る道は無いでしょう。

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~ Comment ~


こんにちは!

マララさんのされたことがこの後も、
残るのはとても嬉しいこですね^^
決して真似できない勇気ある行動。みなの心に何かが生まれたと
思います!女性は台所にいれば・・男性は入るべからずって言うのも聞いたことがありました。母は料理が好きで、父の友達の奥様が作るのが嫌いな人の家にも、頼まれて
毎晩、お夕飯を運んでいました(笑)なのに先日、実家へ行くと、父がキッチンで、おうどんを炊いていました。父がキッチンに入る姿を見るとは・・・って思いました^^私にも作ろうか?なんて声をかける父でした(笑)
#1844[2015/04/21 07:12]  yume-mi  URL  [Edit]

こんにちは^^

将来的にも台所に入れさせてもらえないだろう料理経験0の西條すみれです。
自分も食べる物に毒なんて盛るわけないのに学校の調理実習でさえさせてもらえない。
女としてはダメかもしれませんがこの話で本能的には正常だとわかりました(笑)。
今の世の中子供を見るたびにその子供の将来を思うと他人でもかわいそうに思います。
妹の友人が結婚したときは羨ましいとはまったく思わず
ただ一言「哀れだな」という感想が。もちろん心の中でだけですが。
#1845[2015/04/21 10:15]  西條すみれ  URL 

Re: yume-mi様 COありがとうございます^^

> マララさんのされたことがこの後も、残るのはとても嬉しいこですね^^
> 女性は台所にいれば・・男性は入るべからずって言うのも聞いたことがありました。

実は、どの国でも女子が教育を受ける様になってから百年少々しか経っていません。
それで、女子は(腕力以外は)男子と肩を並べるまでに、急速に進歩した訳です。
元々、料理を作るのに長けて、子供を育てるのに長けた女子が教育を受ければ、
文明を創り、社会を育てる能力を発揮するのは当たり前で、その力を台所に閉じ込めておべきではありませんね^^
#1846[2015/04/21 14:44]  sado jo  URL 

Re: すみれ様 COありがとうございます^^

> 今の世の中子供を見るたびにその子供の将来を思うと他人でもかわいそうに思います。

女子は男子の奴隷である…と言うのが男子が作った4000年に渡る文明の最大の欠陥でした。
その差別の為に、女子が思う様に能力を発揮出来ず、現在の様々な歪みを招いてしまった。
人類が諸問題を解決して生き残る為には、メインザー博士の言う様に、女子の能力を使う。
女子の考え方や、女子の力で男子の欠陥を修正する…それしか無いですね^^
最も、男子が「俺はこのまま文明もろとも人類を滅ぼしたい」と考えるなら別ですが(笑)
#1847[2015/04/21 15:04]  sado jo  URL 

確かに子供の世代のことは女性の方が男性よりイメージしやすいのかもですね。

まあ、女性も男性より一層派閥主義傾向が強かったり、一年先のみんなのことより十分先の周りの評価が大事だったり、必ずしも男性より優れているわけでもないと思いますが。

両方のいいところを発揮して、バランスをとって行けるような社会になるといいんでしょうね。なかなか難しいことですが。

冒頭のお話、男性は自分の縄張りを移動する。
女性は愛☆のためなら国境も超える、とか思ってしまいました。
少女マンガの定番パターンは、遺伝子レベルにすりこまれているんですねえ。
#1848[2015/04/21 17:01]  椿  URL 

Re: 椿様 COありがとうございます^^

> 冒頭のお話、男性は自分の縄張りを移動する。
> 女性は愛☆のためなら国境も超える、とか思ってしまいました。
> 少女マンガの定番パターンは、遺伝子レベルにすりこまれているんですねえ。

正解です^^男子は国境・民族・宗教に依存しなければ生きられない劣る遺伝子しか無い。
そして、その男子の狭い観念が世界の諸問題を引起こしている事に思い当たるはずです。
女子はそれを乗り越えて、広範囲に種を撒き、種を存続させる優勢遺伝子を備えている。
北極から赤道まで、人類が生存環境を広げたのは、実に女子の力があっての賜物です。
娘が異邦人と結婚するのに反対するのは、大概父親ですよね(笑)男子の思考力は狭い。
実は、アメリカ合衆国が強いのは、女子の力を認めてそれを充分生かしているからです。
(例)オバマ大統領は黒人と白系人種の混血です。MSのビル・ゲイツを初め、米国の各界をリードする大物は、みな別々の民族の混血種であります。
#1849[2015/04/21 18:19]  sado jo  URL 

社会でも家庭でも男性が今までは表に立ってきましたが、
それだけで今後も存続していくのに、
限界が来ているというのはありますもんね。
男性、女性共に上手くそれぞれの役割で能力を発揮できるのが一番ですが、
それはそれで難しそうですしね(´∀`;)
#1850[2015/04/21 20:21]  ツバサ  URL 

母性本能から未来の選択をする、そのほうが正しい判断ができるかもしれませんね。
男は天下をとることを第一に考えるので、ろくな選択をしませんので。
#1851[2015/04/21 20:41]  マウントエレファント  URL  [Edit]

Re: ツバサ様 COありがとうございます^^

> 社会でも家庭でも男性が今までは表に立ってきましたが、
> それだけで今後も存続していくのに、限界が来ているというのはありますもんね。

家庭だけなら夫婦喧嘩で治まりますが、それが民族・国家・宗教まで拡大すると、男性の悪い部分が丸出しになって、終始が付かなくなってるのが今の世界構造ですよね~><
女子はそんなもの関係無しに、好きな人を愛し、どんな人種・民族の子でも産みます。
そして、国境を乗り越えてしまう…案外、人類の救いはそんな女子の性質にあるのでは?
#1852[2015/04/21 20:55]  sado jo  URL 

Re: マウントエレファント様 COありがとうございます^^

> 母性本能から未来の選択をする、そのほうが正しい判断ができるかもしれませんね。
> 男は天下をとることを第一に考えるので、ろくな選択をしませんので。

男子って、大きな事を言ってる様で、ホンネは自分や組織集団さえ良けりゃ…ですよね。
種としての全体観の上から、生命の継続性を考えはしない…子供を産まないから(笑)
だから一歩間違うと、世界を危うくしてしまう><…世界の運営は女子に参加してもらって行なった方が、人類は正しい方向に導かれると思います。
#1853[2015/04/21 21:10]  sado jo  URL 

こんばんわ
マララさんは本当に素晴らしい女性だと思います。
#1854[2015/04/22 21:13]  ネリム  URL  [Edit]

Re: ネリム様 COありがとうございます^^

> マララさんは本当に素晴らしい女性だと思います。

彼女のやっている事は、実は誰でも出来る事なんですが、誰にも出来ない事なんです。
逆境の中で、しかも周囲のイスラム教徒に憎まれて、彼女自身が孤立する行動になる。
善き未来を開こうと思えば、必ず無理解な人々に石を投げられ、迫害される事になる。
それは(イエスなど)多くの聖者が歩んだ道です。だけに尊く、誰にも出来ないのです。
もはや、彼女は一イスラム教徒では無く、イスラムを越えた存在…世界の宝なのです^^
今世界に必要なのは、人類を縛る既成概念を越えた人々…特に勇気ある大勢の女性です。
#1855[2015/04/22 21:48]  sado jo  URL 

滅びるのだったら、そこまでの種族だった・・・。ということでいいと思いますけどね。私はそう思います。今まで色々な文明が滅びましたからね。逆説的に考えると、現代の西欧諸国のシステムでなければ、人類は長続きするということですね。私も今の西欧諸国のシステムは成長し過ぎて、道を見失っていると思うところがあります。
#1867[2015/04/24 20:28]  LandM  URL 

Re: LandM様 COありがとうございます^^

最近、ヨーロッパ文明の方向転換を示す画期的な遺跡がスペイン南部で見つかりました。
アトランティス伝説の元になったのでは無いか?と疑われる6000年前の古代都市遺跡です。
北部のアルタミラで(約16000年前)は、人と自然が共存してた洞窟画が描かれてますが、
この都市遺跡では、人が自然を征服した(自然改造の)有様が描かれてるそうです。
前後する一万年の間に、ヨーロッパ人の心境にどんな劇的な変化が起きたのでしょうか?
人が神の代理として、万物の上に立つ…と言う思想。西欧文明はそこから始まった様です。
#1868[2015/04/24 21:14]  sado jo  URL 














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