シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

随想/論文集

顔の無いアメリカ人 ~ホンネで語る民族紛争とアメリカ(1)~

アメリカ人

<まもなくやって来る憲法記念日に寄せて>
ものの試しに中国人の顔を思い浮かべてみましょう…日本人に近い顔だから、大体は思い浮かぶはずです。
次にロシア人の顔を思い浮かべましょう…少し強面のエリツィン顔とか、渋面のプーチン顔が思い浮かぶはずです。
では、アメリカ人の顔を思い浮かべてみましょう…金髪で目が青くて、鼻が高い?違います!それはゲルマン人の顔です。
白人には、東洋人は同じ顔に見えるらしいが、白人同士で互いを見ると、それぞれ民族によって異なる特徴が出るそうです。
そう思って見ると、アメリカ人には全ての白系民族、もしくはアジア・アフリカ系の顔が混在している事が窺えると思います。
つまり、アメリカ人には顔が無い…別の言い方をすれば、世界の全民族の顔がアメリカと言う国に集まっている事が分かります。

<多民族国家でありながら民族紛争の無い国アメリカ>
およそ国家の誕生は、マジョリティを形成する集団(民族)が、周辺のマイノリティ集団(民族)を糾合する事から始まります。
そして、征服者であるマジョリティ民族は、被征服地域への殖民を行い、マイノリティを同化して国家が成立するのが常です。
一民族一国家と言われる小国家「日本」も、多民族大国である「中国」や「ロシア」も同じ課程を経て成立しました。
それらの国家には、どうしてもマジョリティによるマイノリティへの押し付けがあり、マイノリティの不満が渦巻いています。
日本における沖縄の普天間基地移設問題も、中国のチベットやウイグルの民族紛争も、ロシアのウクライナやバルト三国問題も、
世界を悩ませている中東の問題も、全てマジョリティ対マイノリティの民族(部族)闘争が形を変えて現れている訳です。
ところが(人種問題こそあれ)その様な民族間の紛争とは無縁な国があります。それがアメリカ合衆国と言う国家です。
記憶によれば「ジョージア州」はイングランド人の入植地であり、「ルイジアナ州」はフランス人の入植地、「コロラド州」はスペイン人の入植地だった様に思います。
なのにアメリカ合衆国は、各州それぞれの民族が異なるにも拘らず、国内で民族紛争が起きた事は一度もありません。
有名な内戦である「南北戦争」も、奴隷解放に事寄せた経済戦争であり、そこに民族紛争の影は見当たらないのです。
これはなぜでしょうか?多かれ少なかれ、世界は民族間の抗争に悩まされているのに、アメリカだけはそれを免れています。

そもそもアメリカ合衆国は移民国家であり、原住インディアン以外にマジョリティを形成する民族はいませんでした。
その原住インディアンも部族ごとに意思が異なり、少しばかりの民族闘争の後に国家に糾合されるに至った経緯があります。
そして、特に有力なマジョリティ集団の無かったアメリカは、建国に当って民族の意思以外の統一理念を掲げました。
人種・民族・宗教の如何に拘らず、国内に居住する全ての人に市民権を与え、平等なアメリカ国民として扱うと言うものです。
思えば、この様な理念を持った国家が、過去に一度だけ歴史上に現れた事がありました。
紀元前6世紀頃、イタリア西岸にあるティベル河畔に居住する民族が、周辺地域を次々と征服して領土を広げて行きました。
しかし、領土が拡大するにつれて、いつしか征服民と被征服民の立場は逆転し、他民族との混血も進んでしまったのです。
マジョリティだった彼らは、いつの間にかマイノリティに転落していました。もはや多数派民族では無くなっていたのです。
危機を感じた国王は、マジョリティ集団である自分達の権益を捨て、国内に住む全ての人に平等にローマ市民権を与えました。
そして、その理念は王政~共和制~帝政と政治形態を変えてもなお受け継がれ、世界国家を築く礎となりました。
従ってローマ帝国は、実は生粋のローマ人が作ったのではありません。あらゆる民族の集合体であるローマ人が作ったのです。
実際、全盛期のローマ皇帝は様々な民族から出ており、大浴場を作ったカラカラ帝などは、かっての敵国のカルタゴ人でした。
ローマと言う国家の形態が、黒人が大統領になり、東洋人が州知事になるアメリカととてもよく似ている事が窺えます。
奇妙な話ですが、実際アフリカ人は、奴隷としてアメリカの地に渡る事によってアメリカ市民となった事実さえあります。

<なぜアメリカは、ロシアや中国とは異なる大国なのか>
余談ですが、民族を超越した国家であったローマ帝国の名残りは、2000年近く経った今でも周辺地域に残っています。
例えばバルカン半島に行って、土地の人にこう尋ねるとします「あなたは何人ですか?」
「ロミオス(ローマ人)」と言う答えが帰って来るはずです。彼らは、自分達が元々は何処の民族だったかを忘れています。
同じく、アメリカに行って様々な民族の人に同じ質問をしても「自分はアメリカ人だ」と言う答えが返って来るでしょう。
彼らも、自分がアフリカ人だったり、スペイン人だったり、ゲルマン人だったと言う事を忘れているはずです。
面白い事に、かって栄えた後、滅び去った国の子孫を探すと必ず何処かにいるものです。
ところがあれほど長く栄え、大きかったにも拘らずローマ帝国の直系の子孫は何処を探しても見当たりません。
それもそのはず、北はブリテン(英国)から、南はエジプト、西はスペインから東はアラブまで、全てがローマ人だったからです。
アラブでは「ルムのガージ(ローマの戦士)」と言って、未だに自分の祖先がローマ人だった事を誇りにする人達がいるそうです。
どこか、アメリカに住む日系人が「俺の祖先はヨーロッパ戦線で勇敢に戦ったアメリカ人だ」と自慢するのによく似ていますね。
もしアメリカが滅んだ後、直系の子孫を探しても見つかる事は無いでしょう。アメリカは全ての民族から成り立っていたからです。

~続く~

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<ローマ人に民族抗争をやめさせたのは、名も無い女性だった>
ローマ人に民族抗争をやめさせ、ローマを全民族が融和する国家に導いたのは、実は名も無い女性達でした。
戦利品として奴隷にされたり、捕虜としてローマに連れて来られた他民族の女性は、多くのローマ人の子を産みました。
彼女達は、ローマの城外で激しい民族紛争を繰り広げる男達の前に出て、子供を高々と抱え上げてこう言ったのです。
「あなた方は民族やしきたりの違いで、男のメンツを賭けて殺し合っている。それではこの子はどの民族の子なのか?」
それを聞いた男達は何も言えなくなりました。王は争いをやめ、その後、全民族にローマ市民権を与える事にしたそうです。
ローマは女性が築いた…今も「サビンの女」として伝説に残るローマ誕生の秘話を、いつか小説に書きたいと思っています。
 
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#1887[2015/04/29 06:53]     

こんにちは^^

昔から女は道具のように扱われてきましたね。
「産む機械」発言もそうですし、「俺の女」も道具のような。
これも弱肉強食だった猿の時代の名残なのかな。
力のある者が力のない者を制する構図になってますし
女性が守られる社会はいつになるのやら。
#1888[2015/04/29 10:24]  西條すみれ  URL 

Re: y様 COありがとうございます^^

事、紛争や戦争に関しては、男は「女の出る幕じゃない」と意地になりますね~><
男のメンツを賭けて熱くなると、男って見境が無いのが、最大の欠点です(笑)
それを止めたサビンの女性達の行動は、讃えられるべきものだと思います。
この伝説は「ピカソ」の絵画や「プルターク英雄伝」で有名な話ですね^^
#1889[2015/04/29 11:07]  sado jo  URL 

Re: すみれ様 COありがとうございます^^

> 昔から女は道具のように扱われてきましたね。
> 「産む機械」発言もそうですし、「俺の女」も道具のような。
> これも弱肉強食だった猿の時代の名残なのかな。

NEWSで見ると、ISや親ロシア派の男達は、確かに人間と言うより、怒り狂った猿の顔をしてますよね~…あれは、到底同じホモサピエンスとは思えない。男の本性丸出し(笑)
でも、女性が団結して男の横暴を止めた例は、歴史上に幾つかあります。
こうなったら、女性が団結し、世界的な組合を作って、戦場でデモ行進をしてはどうか?
サビンの女の様に、間に割って入ったら、男達もさすがに銃を撃てなくなると思います^^
#1890[2015/04/29 11:23]  sado jo  URL 

いろいろ勉強になります。
それにしても「サビンの女」と呼ばれる無名の女性。素晴らしいですね。
やはり女性はスゴイ。
#1893[2015/04/29 17:34]  マウントエレファント  URL  [Edit]

Re: マウントエレファント様 COありがとうございます^^

> それにしても「サビンの女」と呼ばれる無名の女性。素晴らしいですね。
> やはり女性はスゴイ。

「天に昇る女は多く、地の底に堕ちる男も、又多し」
せっかく女性が産んで育てた命を、壊してしまうのが男なのです。
神ならずとも(自分も含めて)こいつらをどう教育したらいいのか?
頭が痛いですよね~><…元から学習能力が無いのかなァ?(笑)
#1894[2015/04/29 18:19]  sado jo  URL 

屈強なローマの男達も女性の前では勝てなかったようですね(笑)
縄張り争いや戦いでの勝利が必要とされていたから戦うというのも分かりますが、
殺し合いだけでは発展も何もなくなっちゃいますもんね(´∀`;)
#1895[2015/04/29 22:42]  ツバサ  URL 

Re: ツバサ様 COありがとうございます^^

> 殺し合いだけでは発展も何もなくなっちゃいますもんね(´∀`;)

立場上は平等にした事がローマの発展に繋がった様ですね^^
確かに、属国ではメンツが潰れるが、同盟国なら男のメンツは保てる。
アメリカと日本の関係に良く似てますね…ホンネは属国では無いのかな?(笑)
世界で一番同盟国を持ってるのは、何と言ってもアメリカです。やり方が上手い♪
#1896[2015/04/30 00:14]  sado jo  URL 














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