シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

随想/論文集

顔の無いアメリカ人 ~ホンネで語る民族紛争とアメリカ(2)~

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よくよく考えて見れば「ローマ人」と言う民族は存在せず、「アメリカ人」と言う民族も存在しません。それは国家の名です。
肌が黒くても、金髪で目が青くても、全部が日本人だと言われたら、日本人には到底理解し難い感覚かも知れません。
(本年度のミス・ユニバース日本代表は、肌の色が黒い混血児の日本人「宮本エリアナさん」ですが、違和感ありますか?)
しかし、アメリカではそれが当たり前の事であり、人種・民族・宗教の如何を問わず全ての人がアメリカ人なのです。
ところが、同じ多人種・多民族国家でも、中国やロシアに行けばまったく様相が異なって来ます。
そこには、明らかに漢族やスラブ族などのマジョリティ集団がいて、同じ民族でも僅かな違いでマイノリティにされています。
そして、その事がこれらの国の中で民族間の軋轢を生み、周辺諸国との抗争に繋がっているのは、みなさんご存知の通りです。
記憶に新しい事ですが、かっては両国共、それを克服しようと共産主義による民族平等の理念を掲げた時代がありました。
しかし、その運動を主導したのはマジョリティ集団であり、マイノリティを圧迫した結果、共産主義はあえなく瓦解してしまいました。
思えば当時、中国で金髪の主席が、ソ連でアジア人の書記長が誕生しておれば、民族を凌駕した国家になれたかも知れません。
しかし、革命を指導したマジョリティ集団たる民族は権益を手放さず、世界国家になる機会は永遠に失われてしまいました。
理念を失った両国では、その後マジョリティ集団による民族主義が台頭し、国内外のマイノリティを圧迫するに至っています。
つまり、中国とロシアが、マジョリティ集団が国家を主導する民族国家である限り、アメリカを越える事は出来ない訳です。
何を言っても「何だ中国人が得をするだけじゃないか」「ロシア人が得をするだけじゃないか」で、信用されずに終ります。
そして、その事が両国を政治的に苛立たせ、アメリカとの対抗意識を燃やす余り、世界の情勢を混沌とさせてしまっています。
しかし、表面的に対立しているかに見える中国とロシアのマジョリティは、本心からアメリカを敵視しているのでしょうか?

<アメリカに肥やしをバラ撒く中国人とロシア人の本音>
ここに面白い事実があります。彼らは民族的にはそれぞれの国に帰属していながら、実はアメリカに憧れているのです。
個人的にドルで貯蓄し、アメリカに投資し、果ては子供にアメリカ市民権を取らせようとやっきになっているのが本音です。
地位が上がれば上がるほどそうなのですから、これでは民族を裏切っているのも同然で、ハナから戦争にもなりません。
笑い事ではありません。大和民族たる日本人の成功者の多くも、いつの間にかアメリカ指向になっている事実があります。
なぜ、こんな事が起きるのでしょうか?例えは適切で無いかも知れませんが、こう考えてみると分かり易いかと思います。
ロシアのプーチン大統領は、到底中国の主席にはなれず、習主席は永久にロシアの大統領にはなれません。
しかし、両氏ともアメリカに移住(移民)すれば、アメリカ大統領になるチャンスがあるのです。お分かりでしょうか?
つまり、中国ではマイノリティのプーチン氏も、ロシアでは少数派民族の習氏も、アメリカでは平等になれるのです。
それはアメリカが、民族のマジョリティに頼らない、民族や人種の枠を凌駕した世界的国家であるからに他なりません。
だから民族的には反発を覚えても、個人の立場としては、ついついアメリカ指向になってしまうのです。

結局、民族マジョリティなどと言うものは、それに頼らなければ生きて行けない弱者の集団論理でしか無いのです。
なので、各民族の中で本当に力(実力)のある人々は、どうしてもこう自分に問い掛けなければなりません。
「このままここにいて、こいつら(民族)の面倒を見るべきか?それとも、アメリカに行って豊かな生活をすべきか?」
私でさえ、英語が話せて、資産を持っていればアメリカ国籍の方がいいと思う。その方が個人的には得をするからです。
日本人でいるより、アメリカ人の方が有利…個人の損得を考えるなら、どの民族の実力者もそう考えざるを得ないでしょう。
何の事は無い、世界のどの民族も内部に大勢の裏切り者を抱えている訳で、しかもその多くが能力や力のある人です。
かくして、アメリカは世界の各地域から有力(有能)な人材を集め、資金や資源を集めてどんどん発展しているのです。
かってのローマ市内は、世界各地からやって来たローマ市民権を持つ有力者の豪邸が軒を連ねていたと言います。
私達はかってのローマの有様を、今アメリカに見る事が出来ます。元は民族も言語もバラバラだったアメリカ人として。

およそ、民族と言う枠に縛られた国家である限り(戦争だけで無く)あらゆる面においてアメリカに勝つ事は難しいでしょう。
なぜなら、相手はおよそ人種とか、民族とか、宗教と言う小さな概念の枠組みを超越して成立している国家だからです。
偶然、ある民族国家が運よく戦争をして勝っても、ワシントンに入った途端に愕然とするはずです。そこにアメリカは無い。
それは、アルプスを越えてローマの主力軍を打ち破り、ローマの城門の前に立ったハンニバルの心境に似ているはずです。
ローマの街にローマは無かった…地中海世界全体がローマだったのです。彼がそれに気付いた時は、もうすでに手遅れでした。
本国は、スキピオ率いるローマ軍の奇襲を受け、救援に駆け付けたハンニバルも敗れて、カルタゴはあっけ無く滅びました。
同様に、アメリカを征服した民族は、世界の至る所から反撃を受け、その本陣たる本国さえ危うくなるに違いありません。
アメリカは国家を構成するどの民族からも、兵を募って相手の本陣を脅かす事が出来ます。全世界にアメリカがあるのです。
およそ、知人や親族にアメリカ人のいない民族はありません。伯父や従兄弟の危機を知ったら、他の国も立ち上がるのです。
この事実がアメリカの攻略を容易ならざるものにします。逆に一民族国家は、その本陣たる本国を陥されたらそれで終りです。
アメリカは、通常の民族国家の範疇に入らない特殊な国家であり、到底一つの民族の手に負える国家ではないのです。
つまり、本気でアメリカを滅ぼそうと思えば、アメリカを構成する全ての民族を根絶やしにしない限り滅ぼせはしないのです。
反面、アメリカは戦争に勝っても、ドイツやソ連や日本がやった様なホロコースト(大量虐殺)は出来ない立場にあります。
事実、敗戦国の指導層を交代させるだけで、民族を譴責する事はしません。なせなら国内に同じ民族が存在するからです。
なので、ヨーロッパで起きているユダヤ人やアラブ人への迫害が、なぜアメリカで起きないのかがよく分かると思います。
これらの事が充々理解出来ていたならば、日本はアメリカと戦うべきではありませんでした。完全な政策の失敗でした。

~続く~

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<いかなる局面でも儲かるアメリカの経済>
今時の投資は、通貨を自由に選択できる様になっています。そこで、試しに円とドルを同額で投資してみるとしましょう。
(私自身は貧乏なので投資はしません(笑)過去のデータを元に、シュミレーションして出た結果を資料にしています)
現在の日本株は好調なので、当然円建ての方が儲かる様に思えます。なのに、結果はドル建ての方が利益が出ています。
これはなぜでしょう?そこで、日本だけで無く、世界の主要通貨とドル通貨を比べると、その理由が一目瞭然に分かります。
つまり、どの国が浮こうが沈もうが、全世界に対してドル通貨は堅調に推移しているのです。それがドルの強さの秘密です。
自国の通貨より、ドルの方が安定して儲かる…これでは、中国人やロシア人、或いは日本人がアメリカに傾くのも当然です。
なので、各国をリードする人物の民族的愛国心は表向きだけ?…どの国の国民も疑って掛かった方がよいと思います(笑)
 
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#1897[2015/05/01 06:37]     

Re: y様 COありがとうございます^^

長い目で見れば、アメリカへの投資は、他の国よりも遥かに利益が出ます。
…と言って、素人がうかつに業者の勧誘に乗る事は危険ですよ^^

> 東京も地方からの集まりだよ

って、上手い例えですね~♪…そう、アメリカは世界の東京なんです。
地方(世界)からどんどん人や、金や、物が集まって来る。そうして膨らんでいる。
「おらァ、東京さ行ってスターになるべぇ」「東京へ行けば金持ちになれる」
「アメリカに行ってメジャーリーガーになりたい」と言う野球選手の心境と同じです。
イチローや松井は、日本人を越えた華やかなアメリカンヒーローなんですね~^^
#1898[2015/05/01 13:51]  sado jo  URL 

アメリカに移住しようかなんて思ってしまいました。
日本落ち目なんですかね。
#1900[2015/05/01 20:39]  マウントエレファント  URL  [Edit]

平等を謳っている国があれば、
その分、チャンスも転がっている訳ですから、
やっぱりアメリカに行くという気持ちは分かりますね~。
アメリカンドリームなんていう言葉もありますし、
賭けて行ってみるという人も多いですもんね(´∀`)
#1902[2015/05/01 20:58]  ツバサ  URL 

Re: マウントエレファント様 COありがとうございます^^

> アメリカに移住しようかなんて思ってしまいました。
> 日本落ち目なんですかね。

ははは…日本人よりアメリカ人の方が儲かるチャンスが多いだけの事ですよ^^
現在も今後も、日本人はアメリカ人より良い生活が出来ないのは仕方がありません。
でも、周りが皆日本人だから、そんなに落差は感じないはずです。兵役も無いしね(笑)
#1903[2015/05/01 21:02]  sado jo  URL 

Re: ツバサ様 COありがとうございます^^

> やっぱりアメリカに行くという気持ちは分かりますね~。
> 賭けて行ってみるという人も多いですもんね(´∀`)

世界の科学者、投資家や実業家、スポーツマンにとっては米国は美味しい国ですね~^^
でも、コレと言った能の無い一般人には酷かも知れませんね。指を咥えて見てるだけ><
全世界から有能な人が集まって来るんですから、競争は並みじゃ無いと思います(笑)
イチローさんや、松井さんは日本で言えば億万長者ですからね~♪…野茂さんや、長谷川さんは半ば遊んで暮らしてる。アメリカの成功者は羨ましい限りです。
#1904[2015/05/01 21:18]  sado jo  URL 

アメリカは嫌いですねw
理由は、自分の感性に合わないと感じるからです

とはいえ、日本も生きづらい国なのは、感覚的にありますね

10年ぐらい前と比べると、自分のような変わり者にも優しい国になってきたとは思いますが、それはいいことなのか、疑問に思うわけです

そうならなければ、自分はとっくの昔にドイツかオーストリアあたりに移住してるでしょうしw
#1905[2015/05/01 23:27]  blackout  URL 

Re: blackout様 COありがとうございます^^

> アメリカは嫌いですねw
> 理由は、自分の感性に合わないと感じるからです

一応、好き嫌いは別として、客観的に論じてますが個人的には?マークが付きます。
自由で(金があれば)豊かな生活が出来るのはいいが、競争が激しく、犯罪が多い><
ぬるま湯の中で過ごしたい日本人には合わないかも?かと言って民族主義のキツイヨーロッパで、日本人がやってけるかどうかも疑問ですね~?(笑)
#1906[2015/05/02 00:26]  sado jo  URL 














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