シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

「▼未来戦艦大和」
未来戦艦大和 小説本編

未来戦艦大和 第2章 「若き連合艦隊司令長官」(1)

一斉射
未来戦艦大和: 46センチ主砲の一斉射

「捕虜を旗艦まで移送する。水上滑空艇を出してくれ」兵曹長は、ホバークラフトの操縦士らしい水兵に告げた。
「はっ!了解いたしました。憲兵兵曹長殿」
 操縦士は、水上滑空艇の前の操縦席に座ってエンジンを掛けた。それは奇妙なエンジン音だった。
 普通ならブルルルッ…と言うピストンの動く音がするはずなのに、シュー、シューと言う空気の抜けるような音がしていた。
「さァ、さっさと乗れっ!」遼と亮は、二人の憲兵に小突かれて水上滑空艇に押し込まれた。
 そうして、憲兵隊兵曹長と二人の憲兵、捕虜にされてしまった遼と亮を乗せた水上滑空艇は、海面に滑り出して行った。
 外に出てみると、海には薄いモヤが掛かっていて、やはり水面は赤みを帯びた不気味な色をしていた。
 上を見上げると、空にはオレンジ色がかった雲が垂れ込めていて、気温は低いのに、遼と亮は妙に蒸し暑くさえ感じた。

 駆逐艦「雪風」を離れた水上滑空艇は、エンジン音もなく、海の上を滑るように走り出した。
 遼と亮がふっと後ろを振り返ると、そこには、見た事もない異様な姿の船が浮かんでいた。
 銀の鱗に覆われて膨らんだ船体は、まるで海上自衛隊の涙滴型潜水艦のようにも見える。
 その上に太平洋戦争当時の駆逐艦の艦橋があり、丸みを帯びた砲塔が前に二つ、後ろに一つ、艦尾には大きな垂直尾翼が付いている。
(何だ?この軍艦は…これが駆逐艦「雪風」か?まるで水上軍艦と潜水艦を無理矢理くっ付けたような形じゃァないか)
 不思議に思って、目を凝らして見ようとした遼はふいにめまいに襲われた。頭がぼ~っとして、息をするのが苦しくなった。
 横を見ると、亮も虚ろな目をしてハァ…ハァ…と息をしていた。緊張続きだったので、ドッと疲れが出たのだろうか?
 いつしか身体から力が抜けて、遼も亮も目を開けて座っているのがやっとの状態になってしまった。
「こら~っ!貴様ら、こんなところで寝るなっ!」
 バシッ!と憲兵の平手打ちが飛んで来た。仕方なく二人は目を開けたままで我慢する事にした。
 この時に遼と亮の身体に起こった変調の原因は、ず~っと後になってから明かされる事になった。
 そして二人は、駆逐艦「雪風」よりもさらに異様な船の姿を目の当たりにする事になったのだった。

 それは見た事もない巨大な船だった。
 水上滑空艇が進むにつれ、モヤが掛かっていた海が急に開けて、前方に巨大な影が浮かび上がった。
 アメリカの原子力潜水艦の二倍ほどもある横に膨らんだ丸い船体は、びっしりと銀色に光る鱗で覆われていた。
 その上に艦橋が乗っていて、前に三門の巨大な砲の付いた丸みを帯びた砲塔が二つ、すぐ後ろに三門の副砲を備えた砲塔が一つ。
 その後ろに、まるでお城の天守閣を思わせるような特徴のある司令塔があり、何と船首には、鮮やかな菊の紋章が付いていた。
「大和だっ!…戦艦大和じゃァないか!?」

~続く~

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~ Comment ~


戦艦大和、いよいよ登場ですね。
迫力あります。
#2706[2015/09/22 08:27]  マウントエレファント  URL  [Edit]

Re: マウントエレファント様COありがとうございます^^

> 戦艦大和、いよいよ登場ですね。
> 迫力あります。

艦首や艦橋や大きさは大和でも、鱗の生えた潜水艦の様な胴体の未来戦艦大和です。
どんな機能を備えているのか?その驚くべき戦闘力はどんなものなのか?
徐々にベールを脱いで行きます。46センチ砲が発射するのは砲弾でしょうか?(謎笑)
#2708[2015/09/22 12:43]  sado jo  URL 

ここは酸素が薄い世界ですかな?

海が赤いのが赤方偏移だとしたら、この星は太陽系ではなく、銀河系に近い場所にあって、その影響かもしれないと思ったりしました

そういえば、憲兵も銀色の鱗に覆われていて、酸素ボンベのようなものを身につけている、という件がどこかにあったような気がしましたが

見間違いだったらすみません(汗)

#2710[2015/09/22 14:28]  blackout  URL 

Re: blackout様COありがとうございます^^

> 海が赤いのが赤方偏移だとしたら、この星は太陽系ではなく、銀河系に近い場所にあって、その影響かもしれないと思ったりしました

今、私達が住んでる宇宙では無く、別次元にある宇宙の地球になりますね。
空や海の赤方偏移は、多分、今の人類が齎した最終結果になるものと思われます。
どうやら、その異世界では、とうの昔に滅び去った「大日本帝国」が復活しています。
そして、日本人は信じられない様な???の日本に住んでいたりするんですが…?
それ以上はネタバレになるので言えません(笑)小説で徐々に明らかにしますよ^^
#2711[2015/09/22 15:00]  sado jo  URL 

こんにちは~♪
未来戦艦大和があれば武蔵も同じはずですが、こだわりがあるのでしょうか(*^^)
戦艦武蔵は大和と構造も規模も全く同じなのに一度も戦場に出ることはなく米軍の手で戦後太平洋沖で沈められましたよね。
#2712[2015/09/22 18:16]  まり姫  URL  [Edit]

Re: まり姫様COありがとうございます^^

> 未来戦艦大和があれば武蔵も同じはずですが、こだわりがあるのでしょうか(*^^)
> 戦艦武蔵は大和と構造も規模も全く同じなのに一度も戦場に出ることはなく米軍の手で戦後太平洋沖で沈められましたよね。

私の記憶では「戦艦武蔵」は、1944年10月24日午後7時34分、レイテ沖海戦で米軍艦載機の攻撃により。フィリッピンのシブヤン海に沈没となっています。
おっしゃるのは、多分大和・武蔵以前の連合艦隊旗艦「長門」ではないかな?長門なら、確かに戦後の1946年7月25日、米軍の核実験の標的となって沈められています。
核爆弾を浴びながら、4日も浮いてたそうで、日本の造船技術の高さに米軍が驚いたそうです(笑)
#2713[2015/09/22 19:49]  sado jo  URL 

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#2714[2015/09/22 21:00]     

Re: h様COありがとうございます^^

ありがとうございます^^
いや、本人はね…文も下手だし、こんな硬派な小説、今時の若い子に受ける訳ないや。
と思って、気楽に小説サイトに載せたら、ビックリする様なヒットになってしまった。
まだ、序章なのにどうしよう…最期まで書かなきゃならないかな?責任を感じてます。
筋書きは出来てるんですが、文才が無く話が纏まらない…う~ん、正直重荷になりそう(笑)
#2715[2015/09/22 21:44]  sado jo  URL 

ついに大和が登場しますね~。
こちらの世界とは違い、異なっている部分も多いかもしれませんが、
どんな活躍をするのか気になります(´∀`)
#2716[2015/09/23 19:36]  ツバサ  URL 

Re: ツバサ様COありがとうございます^^

> ついに大和が登場しますね~。
> こちらの世界とは違い、異なっている部分も多いかもしれませんが、
> どんな活躍をするのか気になります(´∀`)

遼と亮がたどり着いた異世界に似合う戦艦の戦闘シーンになりますね^^
次の章くらいで異世界の海戦が始まります。最初は防戦一方になるかなァ~?
でも、耐え抜いた後がスゴイ事になるんじゃないかな?と言う気がします♪
#2717[2015/09/23 20:20]  sado jo  URL 














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