シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

「▼未来戦艦大和」
未来戦艦大和 小説本編

未来戦艦大和 第2章 「若き連合艦隊司令長官」(6)

「ふ~ん…これは何に使う物なのかな?ねぇ、君…」
 と、遼に尋ねようとしたが、墺賀憲兵大尉が鬼のような形相をして遼と亮をにらんでいるのを見てやめた。
 そうして、仕方なく自分で確かめるために、スマホのスイッチを入れた。
「ボク、ドラエモ~ン!」途端に遼のスマホが立ち上がった。
 美青年は、一瞬驚いた様子だったが、すぐに興味深そうにスマホの画面をのぞき込んだ。
「はっはっはっ…これはおもしろ…」と言い掛けて、みんなが自分をじ~っと見ているのを見てやめた。
 それから、テーブルの上に並べてある遼と亮の持ち物を手にとって調べながら、何かを二人に聞きたそうな顔をした。
 しかし、どうも衆人監視の中では、思うようには行かないと思ったのか?急に立ち上がって彼らに言った。
「済まないが、みんな席を外してくれないか」
「いけませんっ!長官。危険ですっ!捕虜の素性も不明なのに…」
 綾乃丞と呼ばれた女性の軍人が、あわててそれを止めようとした。
「心配性だなァ、綾乃丞は…頑丈な椅子に縛られたままの彼らには何もできやしないよ」
「しかし…」
「心配だったら、ドアの外に警備を立てて置くといい…それなら大丈夫だろ。来島参謀長」
「はァ、私たちは別に構いませんが…」来島参謀長と呼ばれた中年の軍人が答えた。
「じゃァ、そうしてくれ。これは命令だ」
「はっ!了解いたしました。司令長官」

 美青年は人払いを済ませると、いきなり遼と亮の側に寄って来て、二人を椅子に拘束しているベルトを外した。
 余りに思い掛けない彼の行動に、二人はキョトンと呆気に取られた。
「さァ、お二人とも…これで自由ですよ」美青年は、事もなげにそう言って自分の席に戻った。
「いいんですか?私たちは敵かも知れないのに…」逆に遼の方が、余りにも無防備な美青年を心配した。
「かも知れないですね…だが、少なくとも我々が戦っている敵ではない」
「と、言いますと…」
「あなた方はアメリカ人ではないと言う事です。けれど、我々の概念で言うところの日本人でもない」
「いぇ、私たちは間違いなく日本人ですが…」
「そうでしょうか?…もし、よろしければ少しばかり質問をさせていただけますか?」
「えぇ、どうぞ」
「地球の空は何色をしているでしょうか?」
「青…ですよね」亮は即座にそう答えた。
「それは、千年以上前の空の色です…現在は赤方偏移してオレンジ色になっています」
「えぇ~っ!?」
(通常、地球の空や海は、太陽光スペクトルのレイリー散乱によって青く見える。それは青い光の波長が短いからだ)
 遼は考えた(けれど、自分が見た空や海は赤みを帯びていた。いったい何が起きたのだろう?どうなっているのだろう?)

~続く~

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<戻って来ない蒼い空>
自分が子供の頃に見た雲ひとつ無い青空は、深いコバルトブルーをしていた。
今、晴れ渡った日に空を見上げても、子供の頃に見た深みのある蒼さは無い。僅か数十年で空の色が浅くなっている。
これは、産業を含む過剰な人間活動が、空の上層部に粒子の厚い層を作り、青色レイリー散乱を妨げていると思える。
絶え間ない人間活動によって、波長の短い青色が成層圏まで届かなくなれば、空は波長の長い赤色に染まる事になる。
未来の空は夕焼け空の様に赤いだろう。昼間の夕焼けなんてロマンチックだと思うが、そうなるまで生きていられない(笑)
 
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~ Comment ~


そうでしたか…

そう言われてみれば、自分にとって、雲1つない青空は、濃い水色でした
そして、今もそれは変わっていないです

常に夕焼け色の空…

なんとなくの感覚だと、50年以内に訪れそうな気がしますね

ただ、自分はそれだけ生きられるだろうかって思います(汗)

この色々な意味で汚染された、そして飽食の時代を(汗)

精神的にも肉体的にも蝕まれていたことに細胞レベルで気付いてから、数年ほど経ち、やむなく色々な対策をしてはいますが、なんとも言えないですね(汗)
#2810[2015/10/10 16:26]  blackout  URL 

Re: blackout様COありがとうございます^^

> この色々な意味で汚染された、そして飽食の時代を(汗)
> 精神的にも肉体的にも蝕まれていたことに細胞レベルで気付いてから、数年ほど経ち、やむなく色々な対策をしてはいますが、なんとも言えないですね(汗)

人が自然から取り入れ(摂取)て作る物は全て毒物なんです。
それが、体内で作る物にせよ、外に作る人工物にせよ、全てが人を蝕んで行きます。
進化しようとする者は、自らが作った物に自らが侵食されて滅んで行くのが法則です。
27億年前に生命が誕生した時点から、個の死も、全体の死も、その法則で決定してました。
いつか、そんな話をしたいと思っています…興味はありますか?(笑)
#2812[2015/10/10 17:00]  sado jo  URL 

産業革命から僅かの間に、地球環境が悪化し、住みづらい星になっているようです。
人間の愚かさを感じます。
#2813[2015/10/10 19:16]  マウントエレファント  URL  [Edit]

Re: マウントエレファント様COありがとうございます^^

> 産業革命から僅かの間に、地球環境が悪化し、住みづらい星になっているようです。
> 人間の愚かさを感じます。

恐いのは数十万年掛けて、自然の制覇を行なった人類が自然を捨て始めてる事です。
北極から熱帯まで、全ての土地に棲息していた人々が都市居住に指向しています。
これは有史以来無かった後退現象で、為に、観光を除いて自然が遺棄されつつある。
自然を捨てた人類は、それでも戦争をして土地を奪い合ってます。矛盾です(笑)
#2814[2015/10/10 19:38]  sado jo  URL 

千年以上前の空の色というのが気になりますね~。
異世界かと思いきや、異世界は異世界でも、
こちらの暦よりも先に進んだ世界に二人は迷い込んでしまったのでしょうか(><)
#2815[2015/10/10 22:23]  ツバサ  URL 

Re: ツバサ様COありがとうございます^^

> 千年以上前の空の色というのが気になりますね~。
> 異世界かと思いきや、異世界は異世界でも、
> こちらの暦よりも先に進んだ世界に二人は迷い込んでしまったのでしょうか(><)

この世界を千年先の未来と見るか?時の流れが我々の世界より早いだけと見るか?
実際にはどうなんでしょうね?…可能性の時空によって生じた我々の過去でもあり、
現在でもあり、未来でもあると言うのがホントの所かも知れませんよ^^
#2816[2015/10/10 22:35]  sado jo  URL 

こんばんは~♪
地球はわずか二世紀ほどで劇的に環境悪化が進みましたね。
これも人類の身勝手さがもたらしたものでしょう。
より便利に、より豊かにという人類の欲望が自然界のバランスを破壊していることに気づくべきなのですが、どれだけの人が気づいているのか想像すると、地球の未来が恐ろしいです。

山間僻地は今も透き通るような青空を維持してますよ(^_-)-☆
#2817[2015/10/11 19:21]  まり姫  URL  [Edit]

ええ、もちろんです
自分はまだ若輩者ですが、含蓄のある話は大好きですw

>自らが作った物に自らが侵食されて滅んで行く

これが創作物にも該当する場合は…

まぁ、自分はそれでも後悔しないと思いますw
#2818[2015/10/11 21:26]  blackout  URL 

Re: まり姫様COありがとうございます^^

> これも人類の身勝手さがもたらしたものでしょう。
> より便利に、より豊かにという人類の欲望が自然界のバランスを破壊していることに気づくべきなのですが、どれだけの人が気づいているのか想像すると、地球の未来が恐ろしいです。

やってる連中も含めて、みんな気付いてるのですが、気付いてても止められない。
もう社会システムの中に組み込まれてて、今更変える事も出来なくなっています><
どんな種も、自分が生きる為に自身と環境を作り変えてゆき、それが原因で滅びます。
でも、人類は、後数百年は持ち堪えます…31世紀を見る事は無いでしょうけどね。
大丈夫!…人類が壊した地球環境に適応した生物が、未来を見てくれますよ(笑)
#2819[2015/10/11 21:28]  sado jo  URL 

Re: blackout様COありがとうございます^^

> >自らが作った物に自らが侵食されて滅んで行く
> これが創作物にも該当する場合は…
> まぁ、自分はそれでも後悔しないと思いますw

まァ、自分が作った創作物に犯されて発狂した芸術家もいますすけどね(笑)
って…それでは無く、どんな生物にも進化の限界があり、それを越えると滅ぶ。
と言う話です。卑近な例が人の脳…幾ら情報が増えても、これ以上の体積の脳を持つ子供を女性は産めない。子宮がパンクする(笑)
そこで、膨大な情報を処理する為に人は何をしたか?それが元で人はどうなったか?
人類と言う種が確実に衰退している証拠は、探せば幾らでも見つかります(笑)
#2820[2015/10/11 22:29]  sado jo  URL 














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