シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

アニメ /コミック

暴力と言うコミュニケーション手段 ~蒼穹のファフナーが訴えるもの~

ファフナー

山野辺一記、冲方丁両氏の手になる「蒼穹のファフナー」が、深い哲学的意味合いを孕んでいる事をご存知でしょうか?
ある日、地球にやって来た未知の生命体「フェストゥム」が、人類にこう呼び掛けるシーンから物語は始まります。
「あなたはそこにいますか?」…これは侵略では無く、人類にコミュニケーションを呼び掛けて来たものだと思えます。
しかし、彼らのコミュニケーションが相手と同化する事であった事から、人類は存亡の危機に立たされてしまいます。
なぜならば、人間にとって相手と同化する事は、自らの存在を完全に失う事になってしまうからです。
そこで、フェストゥムに対抗する為に、国連を中心に結成された人類軍とフェストゥムの戦いとなり、多くの人々が死にます。
けれど、フェストゥムの母体であるミールを取り込み、共存の道を模索するアルヴィスが組織した竜宮島の人々もいたのです。
人類軍はこれを裏切りと見なし、竜宮島の若者は、ファフナーに乗ってフェストゥムと人類軍の両方と戦わねばならなくなります。
2004年の時点で、今日の日本の様相を予見したかの様な山野辺一記、冲方丁両氏の鋭い慧眼には、本当に驚きを禁じえません。
日本はその通りになっています…作家と言うものは、時折先が見えるものですが、悪い事まで見え過ぎて困る事もあります><

人類で最初にフェストゥムと同化し、彼らに存在と言う概念を与えて祝福したのは、主人公・真壁一騎の母、紅音(あかね)でした。
胎児期にフェストゥムの母体であるミールと同化した皆城乙姫(みなしろつばき)は、彼らに生と死と言う循環の概念を与えました。
劇場映画版では、フェストゥムに捕えられた皆城総士(みなしろそうし)が、彼らに暴力と痛みと言う概念を与える事となりました。
このファフナーシリーズは、初期から興味を持って、最近の『蒼穹のファフナー EXODUS』までずっと追っ掛けて観て来ましたが…
そこには明らかなフェストゥムのコミュケーション体系の変容が認められます。悪い意味で人間に近付いているのが気になります。
最初は同化によるコミュニケーションでした。それがEXODUSでは、憎悪と殺戮によるコミュニケーションに変貌しているのです。
フェストゥムは存在を知り、生死を知り、暴力と痛みを知る事によって、それをコミュニケーション手段として使う様になったのです。
多くの人々は、コミュニケーションと言うものを言葉だと思っています。だが、それは大きな勘違いだと気付かなければなりません。
言葉を持たない生物でもコミュニケーションを取ります。その中では、憎悪も暴力もコミュニケーションの一つの手段なのです。
従って、人が憎しみをぶつけ合う事も、暴力を揮い合う事も、銃で撃ち合う戦争も、立派なコミュニケーションの一種なのです。
その証拠に、憎悪をコミュニケーションに使えば、相手も憎悪を返してくるし、暴力を使えば、相手も暴力を返して来ます。
むしろ言葉よりも、はるかに分かりやすい万国共通語なのかも知れません。今、世界はそんな野蛮な万国共通語で溢れています。
アメリカ人には、イスラム教徒がフェストゥムに見え、イスラム教徒には、欧米人や日本人がフェストゥムに見えるかも知れない。
日本人にとって、中国人や韓国人がフェストゥムに見えるなら、向こうにもこちらがフェストゥムに見えるに違い無いでしょう。
EXODUSでは、フェストゥムと対話の出来るエスペラントと言う新人類の一団を、真壁一騎達が新天地に導こうと努力いたします。
だが、彼らを人類の裏切り者と見た人類軍が、敵意を剥き出しにして攻撃して来ます。これも今の日本でよく見られる構図です。

物語の中で、ミールから生まれたフェストゥムの少年がこう言います「みんないなくなればいいのに…」と。
君もそう思うか…俺もそう思うよ…俺もマトモに対話をしようとしない連中が、うっとおしくて仕方が無いんだ>_<
今、憎悪をぶつけ合ってる連中は、やがて自分の子らが銃で相手とコミュニケーションをするのを見る事になるだろうな。
そうして、憎しみの連鎖は延々と続くのさ…その時、本当に「みんないなくなる」…きっとさっぱりするだろうな(笑)


「蒼穹のファフナー EXODUS」 第二期.PV

にほんブログ村 小説ブログへ
クリック応援よろしくお願いします
 


<言葉に表せない感性と言うコミュニケーション>
鳥や動物は人間より馬鹿に見えるけど、実は優れた感性を持っていて、危険を予知する能力がずば抜けています。
人間は、進化の過程でその感性を失ったけれど、作家や芸術家と言った人達は、遺伝子の中にその感性を受け継いでいます。
今回の騒動を見ててはっきり分かったのは、ほとんどの作家や芸術家が戦争の危機を予知して、法案に反対していた事です。
これは理論や数式で表せるものでは無い…かく言う自分も作家の端くれですが、誰かの死と言うものを直感的に感じました。
案の定、早速外国で一人の日本人がISに殺されました…作家や芸術家の予知は、良かれ悪しかれほとんどが当るのです!
どんなに優れた作品を見ても、今日しか生きていない人には解らない。だが、自分にはその作品がビンビン訴え掛けて来る。
この現象はまだまだ続き、これからも日本人が死ぬ!…と、自分の感性が告げて来ています>_<
 
関連記事
スポンサーサイト
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼シムーン第二章 ~乙女達の祈り~
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼未来戦艦大和
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼ビーストハンター
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼クロニクル ~カルマ~
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼まぼろし
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼やさしい刑事
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼幻影の艦隊
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼その他の小説
もくじ  3kaku_s_L.png オリジナル詩集
もくじ  3kaku_s_L.png 随想/論文集
もくじ  3kaku_s_L.png 死とは何か?
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  ↑記事冒頭へ  
←徴兵制と人権    →未来戦艦大和 第2章  「若き連合艦隊司令長官」(6)

~ Comment ~


こんにちは^^

コミュニケーションっていうのはわかりやすく会話で言うと
どちらかが話をやめないと終わらない。
だからこのままいがみ合いを続けるとやがて戦争に発展するのは間違いないけど
自ら折れる気はないってプライドを捨てない限りまず終わりそうにないね。
自衛隊を海外になんて向かわせたら
「日本は今まで何を学んできたんだ」って言われても仕方ないよ。
#2821[2015/10/12 10:28]  西條すみれ  URL 

Re: すみれ様COありがとうございます^^

> だからこのままいがみ合いを続けるとやがて戦争に発展するのは間違いないけど
> 自衛隊を海外になんて向かわせたら
> 「日本は今まで何を学んできたんだ」って言われても仕方ないよ。

日本は戦争で350万人の犠牲を出して「戦争しない国」と言う理想を掲げた。
それが70年経って、次第に変質してしまって「ありふれた戦う国」に変った。
日本人の信念ってその程度のものだった…道理で希望の無い若者が増える訳だ。
理想無き国・信念無き国…「そして誰もいなくなった(レイ・ブラッドベリ)」だな(笑)
#2822[2015/10/12 12:35]  sado jo  URL 

ユニセフに対して、もう資金援助しないなんてコミュニケーションをとる自民党のコミュニケーション能力、やはり幼稚ですね。
だから馬鹿にされるのです。
#2823[2015/10/12 16:42]  マウントエレファント  URL  [Edit]

Re: マウントエレファント様COありがとうございます^^

> ユニセフに対して、もう資金援助しないなんてコミュニケーションをとる自民党のコミュニケーション能力、やはり幼稚ですね。
> だから馬鹿にされるのです。

国際連合児童基金=ユニセフ。世界の貧しい子供を援助する国連組織。
敗戦で貧困状態だった日本の児童は、ユニセフから十数年間、食料や医薬品の援助を受けました。
今の世代の父母や祖父母が、無事に生きて来られたのはユニセフの援助があったお陰です。
自民党はその恩を忘れたか?…にしては、アメリカへの恩だけは返そうとしてるなァ~?
あァ、あれは外圧に屈しただけか?それとも金儲けをする為か?何を考えてんだかね~><
ま、せいぜいユニセフが助けた命を、アメリカに売っとくがいいさ(嘲笑)
#2824[2015/10/12 18:19]  sado jo  URL 

こんばんは~♪
記事とは直接関係がないのですが、民主主義について誤解をされているようなのでひとことだけ。
民主主義はキリスト教とは全く無関係です。
民主主義とは人民の権力を表現するもので宗教の要素を完全に排しています。
概念としてもキリスト教が生まれるはるか以前にすでに古代ギリシャで使われていたものです。
キリスト教の影響を大きく受けたのは古代ローマで皇帝や王政に対して市民の政治参加をもつことを共和制といい、ここには民主主義の概念が一部入っていますが、民主主義による民主制とは違います。
以上^^
#2825[2015/10/12 18:52]  まり姫  URL  [Edit]

Re: まり姫様COありがとうございます^^

自分は、ヨーロッパで生まれた近代民主主義の根源を辿ると、キリスト教に行き着くと考えます。
ヨーロッパ人の思想の根幹には聖書があって、それを具体的に表す…天の国を地上に作る試みを彼らがした時、民主主義になった と。
古代ギリシャ・ローマのは、日本でやってる数と力の論理だけで、近代民主主義にはほど遠い。だから長い歴史の中で打ち捨てられた。
専制君主を倒したヨーロッパ人が、誰もが納得出来る象徴を求めた時、聖書の中に神の似姿たる民主主義の理念があった。
「自由」「平等」「友愛(博愛)」この三つが揃わないと近代民主主義にはならない。そして、この三つは聖書から引用したものです。
近代民主主義は古代のそれとは全く違い、友愛や、相互扶助、弱者の救済、共生と共存の理念が含まれています。これは聖書の理念に近いです。
つまり、近代民主主義は日本人が考えてる多数決の原理とは異なる所にあり、権力云々では無い。
だから彼らは民主主義の崇高な理念を国旗にまで表した。
ちなみに、昔の社会党はなぜかキリスト教会出身の議員が多かった…民主主義と社会主義と宗教は同床異夢の様であって、実は同床異夢では無い。
何れも同じ根源を持ち、天の国を地上に作るやりかたが違うだけ…今度随筆を書いてみます^^
#2826[2015/10/12 20:30]  sado jo  URL 

地球人が行っているコミュニケーションと、
宇宙から来た彼らが行っているコミュニケーションは違いますもんね。
自分たちが行っているコミュニケーションだけが方法だと思うのは仕方ない事ですが、
方法が違うだけで相手と意思疎通が取れないという訳でもないですしね(´∀`)
#2827[2015/10/12 20:49]  ツバサ  URL 

Re: ツバサ様COありがとうございます^^

> 地球人が行っているコミュニケーションと、
> 宇宙から来た彼らが行っているコミュニケーションは違いますもんね。

生命レベルが違うと、当然、コミュニケーションの取り方も違います。
地球上だって、人の友好的コミュニケーションが、他の生物には敵意にしか映らない><
人間同士がマトモなコミュニケーションが出来ない現状では、とても…とても…(笑)
人にはフェストゥムが生命であり、それが生きている事すら認識出来ないでしょうね。
#2828[2015/10/12 21:12]  sado jo  URL 

こんばんは~♪
果たしてそうでしょうか?
科学者は科学の目で物事を見ています。
そこから将来像を推察し、仮説をたてたことが間違いかどうか実証します。
予知や予見が入り込むことは困難だと思います。
確かに人類以外の生物が危険を察知する能力を持っているのは間違いありませんが、かといって特定の文学者や芸術家だけが危機を予見できるとは思えません。
もしそうであるのなら、同じ人間である以上もっと早く危険な兆候を誰にでもわかるように発信すべきではなかったかと思いますね(*^^)
#2831[2015/10/13 19:59]  まり姫  URL  [Edit]

Re: まり姫様COありがとうございます^^

おっしゃる事は分かりますが、科学は全宇宙のたった4%しか理解出来てないのも事実です。
量子も反物質の解明もまだで、原子すら操作出来ないでいる。万能と呼べるにはほど遠い。
人になぜ精神があるのか?感性はどこから来るのか?自分自身すら科学者には分からない。
けれど、人間は宇宙の物質で作られてます…未解明だからと言って否定出来ない部分も多いです。
人がなぜ優れた文学や芸術を産むのか?そこに科学が解明してない何かが存在するのでは無いか?
自分は言葉に出来ないものを時折感じますが、それを言葉に直すと減衰してしまう難点があります。
例せば「愛」を実証的に表現しようと試みる。ところが、状況は描けても本質は描けないです(笑)
#2832[2015/10/13 20:32]  sado jo  URL 














管理者にだけ表示を許可する

~ Trackback ~


  ↑記事冒頭へ  
←徴兵制と人権    →未来戦艦大和 第2章  「若き連合艦隊司令長官」(6)