シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

「▼未来戦艦大和」
未来戦艦大和 小説本編

未来戦艦大和 第3章 「沖縄水上特攻作戦」(4)

「元気のいい女性ですね~」
 三人の参謀を戦闘司令室に残し、遼と亮を連れて機関室に行く道すがら、亮は羽生に言った。
「いやァ、あァ見えても心はとっても乙女なんですよ」羽生は笑いながら答えた。

 どの艦船も同じだが、機関室はだいたい船の後部に付いている。ところが大和の機関室は艦の中央部にあった。
 しかも、機関室と言うものはエンジン音が響いているのが普通だが、この機関室に至ってはやけに静かだった。
「おいっ!四番の出力が落ちてるぞ。少し上げろ」
「はいっ!了解しました。機関長」
 機関室にに入ると、さっそく部下を叱咤する機関長の声が聞こえて来た。
「剛羅機関長。お邪魔いたします」羽生が声を掛けた。
「やっ、これは司令長官。わざわざどうも」剛羅機関長は即座に羽生に敬礼をした。
 いかにも職人堅気と言った白髪交じりのいかつい人物だが、やさしそうな目をしていた。
「機関の調子はどうですか?」
「う~ん…万一に備えて餌を節約しながらやってますのでね。どうも喰い足りねぇようで、すねてまさァ」
「機関長には、いつもご苦労をお掛けします」
「いやいや、それが仕事ですからね…ところで、そちらさんは?」
「海軍特務機関の雨雲少佐と陣内大尉です。沖縄の敵地から帰られたばかりです」
「おぉ…そりゃァ、そりゃァ、こっちはこれから沖縄まで艦を引っ張って行くところでさァね」
「大変そうですね。大和にお世話になる事になりましたので、よろしくお願いします」
「なぁに、わしが世話できるのは量子機関ぐらいのもんで、人の世話はできそうにないが、よかったらくつろいでってくれ」
「ありがとうございます。それにしてもすごいエンジ…いや、機関ですね~」
 それは、遼と亮には目にした事もないエンジンシステムだった。
 機関室の通路の両側にズラリと卵形のドームが並び、何やらプラズマ状の光を放ちながら動作しているようなのだ。
 タービンでもボイラーでもない、ましてや、自動車や航空機のエンジンとも違う。二人にはまったく未知の動力機関に見えた。

「どうでしたか?剛羅機関長は、見た目には無愛想に見えますが、なかなか面倒見のいい人ですよ」
 遼と亮を剛羅機関長に紹介し、機関室を後にした羽生は、微笑みながら遼と亮にそう言った。
「えぇ、大和の乗組員ってみんな個性的で面白いですね」亮は却って面白がっていた。
「あの動力機関って、どんな仕組みで動いているんでしょうか?自分達には見た事がない機関に思えましたが…」
 遼は、さっき目にした機関室の不思議な光景が気になって仕方がなかった。
「あァ、量子機関ですか。そうですね~…例えば、地球上には何かの物質と結び付く事によって、高いエネルギーを発する物質がいくつかありますよね」
「えぇ、石油とか天然ガスとか石炭がそうですね」
「あァ、あなた方の世界には、まだそんな物があるんですね」

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~ Comment ~


天然エネルギーがなくなった世界。
ずっと未来の話のようですね。
#3098[2015/11/29 15:58]  マウントエレファント  URL  [Edit]

Re: マウントエレファント様 COありがとうございます^^

> 天然エネルギーがなくなった世界。
> ずっと未来の話のようですね。

実際の試算では、後150~200年は持ちこたえられるだろうと言われてます。
但し、全中国人やインド人、アラブ人などが西洋文明化しなかった場合において。
もしかしたら、日本や欧米諸国は藪から蛇を突き出しているのかも知れません(笑)
小説の世界では、我々より先に過剰にエネルギー資源を使い果たした様ですね。
#3099[2015/11/29 17:32]  sado jo  URL 

こんばんは~♪
地球上の資源は無尽蔵でしょう。
化石燃料や化学燃料はなくなるでしょうが、海がある限りエネルギーは永久になくならないでしょう。
ただし人類が海を破壊してしまえば別ですが(笑)
#3100[2015/11/29 19:08]  まり姫  URL  [Edit]

未知の機関の事も気になりますが、
「石油とか天然ガスとか石炭」と言った時に、
「まだそんな物があるんですね」と答えたのも気になりますね(´・ω・`)
#3101[2015/11/29 19:44]  ツバサ  URL 

Re: まり姫様COありがとうございます^^

> 地球上の資源は無尽蔵でしょう。海がある限りエネルギーは永久になくならないでしょう。
> ただし人類が海を破壊してしまえば別ですが(笑)

確かに理論上は、水素原子を融合させれば、原爆の一千倍のエネルギーが取り出せます。
でも、ウランすらコントロール出来ない人類が、水素を操作できるか?と言えば疑問です。
水爆も手に余って中止されてますしね…水素エネルギーは魅力的ですが、同時に危ない。
ま、理想的には小型の太陽が作り出せれば、エネルギー問題は全て解決しますが(笑)
#3102[2015/11/29 20:40]  sado jo  URL 

Re: ツバサ様COありがとうございます^^

> 未知の機関の事も気になりますが、
> 「石油とか天然ガスとか石炭」と言った時に、
> 「まだそんな物があるんですね」と答えたのも気になりますね(´・ω・`)

この世界の人々は、膨大な量のエネルギー資源を消費して枯渇させた様ですね。
その結果、もしかすると地球環境を完全に破壊してしまったのかも知れません。
それで慌てて、量子の研究を進めて効率の良い量子機関を開発したのかも?
でも、量子機関と言えど、何らかのエネルギーの基になる物質は必要ですが?
#3103[2015/11/29 20:48]  sado jo  URL 














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