シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

「▼幻影の艦隊」
幻影の艦隊 小説本編

幻影の艦隊:第1話「暁の奇襲」(1)

空母赤城

<読者の皆様へ> この小説は歴史小説では無く、SFタイムスリップ小説です。従って、史実とは大きく異なる点がございます。

<1941年12月8日 未明>
 この日、南雲忠一中将率いる第一航空戦隊「赤城」「加賀」、第二航空戦隊 「飛龍」「蒼龍」、第五航空戦隊「翔鶴」「瑞鶴」を中心とした日本海軍機動部隊は、オアフ島にある真珠湾を攻撃すべく、ハワイ沖に接近しつつあった。
「ひどい濃霧だな…数分前からまったく先が見えん」双眼鏡を手にした南雲中将が呟いた。
「そうですな~…これじゃァ、まるで幽玄境ですな」隣にいる参謀長の草鹿少将もぼやいた。
「通信士、艦隊各艦に僚艦との距離を取って衝突を避けるように通達して置いてくれ」南雲中将は通信士にそう命じた。
「はっ!了解いたしました。南雲司令長官」
「この時期にこの海域に濃霧が発生するのは滅多にない事なんですがね」草鹿は言った。
「まったくだ…もうすぐハワイ沖の攻撃開始地点に到達すると言うのにな」
「ま、天佑だと考えましょう。長官…隠密行動には却って都合がいい」
「そうだな…しかし風が強いな。霧が一方方向にグングン流れている」
「方角は確かか?航海士」草鹿は航海士に尋ねた。
「確かだと思うんですが…」航海士はちょっと困った顔をして答えた。
「思うんですが…とは何だ?」草鹿は少し語気を荒げて言った。
「それが…先ほどから羅針盤が効かないんです。針がクルクル回るばっかりで」
「地磁気の異常か?油断すると強風に煽られて艦が流されてしまうぞ。何とかしろ」
「はいっ!」
「南雲長官。本艦の前方に光が見えます」
 双眼鏡を手に前方を凝視していた赤城の艦長、長谷川大佐が南雲に告げた。
「濃霧の晴れ間か?」
「そのようです」
「長官。一旦周囲が見渡せる場所に出てから方角を定めましょうか?」
「そうだな…よし!前方の光に向かって進め。艦隊各艦にもそのように通達」
「はっ!了解いたしました。長官」通信士が答えた。
 光に向かって進む事しばし、南雲艦隊はようやく濃霧の中から抜け出した。
「ふ~ぅっ…やれやれだ。やっと濃霧から抜け出せたようだな」
「ここはどの辺りだ?航海士。羅針盤は元に戻ったか?」草鹿は再び航海士に尋ねた。
「はい、元に戻りました」
「では方角を定めろ。目標はハワイオアフ島」
「了解いたしました」
 その時、音波探知機を担当していた将兵が声を上げた。
「水中聴音機に反応ありっ!」

~続く~

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~ Comment ~


「幻影の艦隊」ついに始まりましたね~。
濃霧に巻き込まれた南雲艦隊、
濃霧から出たはいいものの、次は水中に反応が……。
立て続けに色々な事が起こった始まりですね(・ω・)
#3142[2015/12/09 20:27]  ツバサ  URL 

Re: ツバサ様COありがとうございます^^

> 「幻影の艦隊」ついに始まりましたね~。
> 濃霧に巻き込まれた南雲艦隊、
> 濃霧から出たはいいものの、次は水中に反応が……。

真珠湾攻撃に行くはずの南雲艦隊…濃霧の中に迷い込んだ所が曲者ですね。
この濃霧っていったい何の現象でしょうか?何だか怪しすぎますよね(笑)
まさに五里霧中のスタートとなった「幻影の艦隊」…これから何が起きるか?
楽しみにして下さい。決してテーマの無い無意味な小説は書きませんから♪
#3143[2015/12/09 21:04]  sado jo  URL 

水中聴音機ってことは、潜水艦ですか。
#3144[2015/12/09 21:31]  マウントエレファント  URL  [Edit]

Re: マウントエレファント様COありがとうございます^^

> 水中聴音機ってことは、潜水艦ですか。

潜水艦は空母の天敵ですね~
太平洋戦争中日米とも、艦載機より潜水艦に沈められた空母の方が多い。
なので、戦後海上自衛隊は米軍の空母を守る為の対潜部隊に特化させられました。
お陰で、海上自衛隊の対潜能力は世界No.1です…果たして良いのか悪いのか(笑)
ちなみに対空能力はほぼありません。そこが防衛のネックだな~><
#3145[2015/12/09 22:05]  sado jo  URL 














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