シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

オリジナル詩集

死んだねずみの子 (その2)

ねずみ02

死んだねずみの子 (その2)

何ゆえに父は 幼い私に 罠に掛かった
「ねずみの子」の 処刑を命じたのだろうか?

今時の親なら 決してわが子に そんな残酷な事は
させないだろうし 庇護して 遠ざけるだろうと思う

父の本意を知ったのは それから
ず~っと 後になってからの事だった

私は あの幼い日の出来事から
人生で大事な 三つの事を 学んでいたのだ

ひとつ
どんなに苦しくとも 人の物を盗んではならない
人の物を盗んだら 後でひどい目に遭う事になる

ひとつ
もがき苦しむ ねずみの子から 痛みを感じ取れ
痛みを知れば 人に対して やさしい人間になれる

ひとつ
死んでいく ねずみの子から 命のもろさを知れ 
それを知れば 命を大切に できる人間になれる

大きくなってから 家を継ぐ 継がないで
父との口論の果てに 私は生家をとび出した

空腹を抱えながら あちこちをさまよい
ずいぶん 苦労しながら生きてきた

けれども どんな事があろうとも
人の道を 踏み外すような事は しなかった

父は幼い私に 人生で 最も大事な事を
身をもって 学ばせるために そうしたのだった

今の世の中で 痛みからも 悲しみからも 死からも
遠ざけられて 親に大事に育てられた 多くの人たちが
地位のある者でさえ 人を軽んじ 人間らしくない事を言い
人間らしくない行動を取り 時に人を差別して 暴言を吐く
(戦後 第二世代以降の中で、こんな人が多いのが残念です)

そんな者たちの 姿を目にする時 あの大震災の最中で
妻を失いながらも 人を思いやれる 人間に育ててくれた
あの悲惨な戦争を乗り越えた 亡き父に 感謝すら覚える

何度も何度も 人生の危機を 乗り越えられたのは
人の痛みを知り 人の悲しみを知り 人の死を知った上で
それを乗り越える 力を与えてくれた ねずみの子のお陰だった
ねずみの子の死は 決して 無駄な死ではなかったのだ



“ソ・ラ・ノ・ヲ・トより” 光の旋律 作曲:梶浦由記 歌:カラフィナ(Kalafina)

【ソ・ラ・ノ・ヲ・ト】は、戦火に傷付き、死を体験しながらも、逞しく生きる少女達を描いた名匠「神戸守監督」のアニメ作品です。
クリムトの絵をバックにして、時に絶望を表現し、それを希望へと変えてゆく「梶浦由記」の曲が作品の雰囲気を盛り上げました。
悲しみを超えて立ち上がる少女を歌った「光の旋律」は外国でも人気があり、人の思いは何処でも同じだと言う事を感じさせます。


にほんブログ村 ポエムブログへ
クリックをお願いします
 
関連記事
スポンサーサイト
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼シムーン第二章 ~乙女達の祈り~
もくじ  3kaku_s_L.png ▼ゴジラ奇譚
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼未来戦艦大和
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼ビーストハンター
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼地球年代記 ~カルマ~
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼まぼろし
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼やさしい刑事
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼幻影の艦隊
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼その他の小説
もくじ  3kaku_s_L.png オリジナル詩集
もくじ  3kaku_s_L.png 随想/論文集
もくじ  3kaku_s_L.png 死とは何か?
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  ↑記事冒頭へ  
←創作詩「死んだねずみの子」が意味するところ    →死んだねずみの子 (その1)

~ Comment ~


うちの親戚は自ら泥棒まがいなことして反面教師になろうとしてるのかな(笑)。
もういい歳した婆さんなのに「親戚だからいいでしょ」的な態度で礼儀がない。
まあ、そのおかげで幼い孫に「どろぼうだよ」なんて言われてるくらいだから
これからも反面教師を続けてほしいですね。いつかひどい目に遭う(笑)。
#4145[2016/05/04 10:20]  西條すみれ  URL 

Re: すみれ様COありがとうございます^^

> もういい歳した婆さんなのに「親戚だからいいでしょ」的な態度で礼儀がない。
> まあ、そのおかげで幼い孫に「どろぼうだよ」なんて言われてるくらいだから

いや、それは孫の教育では無いでしょう…自分勝手なだけで(笑)
人間は歳食った時に本物の人間性が表れる。人を気にせず勝手気まま…やりたい放題。
どっかの国の首相とか、某大統領候補…「残り少ない人生だ。今の内にやっとけ」的(笑)
あぁ言う人って、周りが迷惑するのを全然気にしてないんですよね~><(笑)
#4147[2016/05/04 12:14]  sado jo  URL 

こんにちわ
どんな事があっても人として大切な部分は忘れてはならないと思います
#4148[2016/05/04 13:08]  ネリム  URL  [Edit]

Re: ネリム様COありがとうございます^^

> どんな事があっても人として大切な部分は忘れてはならないと思います

はい、そうです…父の意図は、その大切な部分を幼少期の時に植え付ける事でした。
人間の基礎は幼少期に作られます。保護したい余り甘やかすと、ロクな人間に育たない。
昔の親はそれをよく知ってました…失礼な言い方だが、我々の世代以降は人格の備わった人間が少ない!人間としての基礎が出来て無い!
言う事ややる事が教条的過ぎる!…ナマの体験無しに甘やかされて育った証拠です><
#4149[2016/05/04 13:32]  sado jo  URL 

人格形成は経験からだけで出来上がるものではないと思います。
全てを否定するものではありませんが、無抵抗の小動物を殺害して何も感じない人間が現実に存在していることを無視するわけにはいきません。
sado joさんはお父様から学ばれる能力があったからこそ命の尊さまで理解できたのでしようが、すべての人に当てはまるかといえば必ずしもそうはいかないと思います。
現代の社会は社会的常識も通用しない複雑な状況下にあります。
子殺し、親殺し、全く関係のない他人さえ簡単にその命を奪ってしまう殺伐とした社会です。
殺伐とした社会を作り上げた人たちこそ大きな責任があると思います。
#4151[2016/05/04 17:54]  まり姫  URL  [Edit]

Re: まり姫様COありがとうございます^^

> 人格形成は経験からだけで出来上がるものではないと思います。
> 現代の社会は社会的常識も通用しない複雑な状況下にあります。
> 子殺し、親殺し、全く関係のない他人さえ簡単にその命を奪ってしまう殺伐とした社会です。
> 殺伐とした社会を作り上げた人たちこそ大きな責任があると思います。

勿論、経験だけで人間形成は出来ません…経験した事から何を学ぶかが人間を作るのです。
子供達に、善悪を教え、経験をサポートしてやるのが大人の役目なんじゃないですか?
痛みも、悲しみも、死も知らずに過保護に育てられた大人が多いから、社会が狂うんです。
子供は大人の鏡…自らの姿を青少年が社会に映し出してる様なもんです。虐めにせよ、差別にせよ、青少年の暴力や犯罪も、全部、甘ったれて育った自分達大人の姿の写しですよ。
#4152[2016/05/04 18:43]  sado jo  URL 

このネズミの死を見て、反応は千差万別でしょうね

sado joさんのように、他者の痛みを知り、優しさを覚える人もいれば、その逆のスイッチが入るヤツもいるでしょうし

とはいえ、過保護にしすぎるのは確実にダメだと思います

世の中、キレイごとだけでは生きていけないですし

なので、いろいろと難しいところですね
#4153[2016/05/04 19:02]  blackout  URL 

こんばんは~

痛みを知って他人への痛みもわかる
そう感じます。

今は何でも痛みを経験する場が少なく
(学校でも昔は先生に叩かれたりとかありましたし。)
何でも排除してしまうと、痛みを知らないまま育ち
人の痛みにも鈍感になるのでしょうね。

お父様の一見キツイ教えが
子供の時はわからなかったことも
大人になると痛いほど、その学びやありがたさがわかりますね。
#4154[2016/05/04 19:58]  ミノリ  URL  [Edit]

Re: blackout様COありがとうございます^^

> このネズミの死を見て、反応は千差万別でしょうね
> sado joさんのように、他者の痛みを知り、優しさを覚える人もいれば、その逆のスイッチが入るヤツもいるでしょうし
> とはいえ、過保護にしすぎるのは確実にダメだと思います

えぇ、PTSDを患う子もいれば、逆に虐殺をゲシュタポみたいに喜ぶ子もいます(笑)
それを、正しい方向に導くのが、親(大人)の役目なんじゃないでしょうか?
ところが、甘やかされて育ち、そんな経験を積んでない親には、子供を導く力が無い。
教師に躾を依頼する有様です…教師は勉強を教えるのが役目。子供の躾は親の役目(笑)
#4155[2016/05/04 20:11]  sado jo  URL 

Re: ミノリ様COありがとうございます^^

> 痛みを知って他人への痛みもわかる。そう感じます。
> 今は何でも痛みを経験する場が少なく(学校でも昔は先生に叩かれたりとかありましたし)
> 何でも排除してしまうと、痛みを知らないまま育ち人の痛みにも鈍感になるのでしょうね。

えぇ、経験が無いと実感も湧かないんですよ…テレビの画面だけじゃね(笑)
人間は倒れて背中を打ったら痛くて起き上がれない…ところが、ドラマやアニメでは平気で起き上がって来る。それを見た子供は、当然そうだと思う。で、大人になってから加減しないでやる(笑)
暴言も同じ…何を言ったら人を傷付けてしまうのか?その加減を知らないでやる。
終い目には、相手を追い詰めて過ぎて自殺させてしまう…社会の悪循環になってます。
親や教師までがそれをやるから情けない…幼少期にワクチンを打って置く必要があります(笑)
#4156[2016/05/04 20:30]  sado jo  URL 

どんな教育であってもやり過ぎは褒められたものではないですが、
ちゃんと教えて自分で考えられる人間に育てるのは必要ですね。
守ってやるのも大人の役目ですが、経験させるのも大人の役目ですからね^^
#4157[2016/05/04 22:48]  ツバサ  URL 

Re: ツバサ様COありがとうございます^^

> ちゃんと教えて自分で考えられる人間に育てるのは必要ですね。
> 守ってやるのも大人の役目ですが、経験させるのも大人の役目ですからね^^

幼い頃に、人の根幹に関る事を経験させるのはとっても大事だと思います。
子供はそこから、痛みや、悲しみや、死を学び取って欠陥の無い人間性を養います。
ともかく、過保護すぎたのか?それらに無頓着な欠陥だらけの人間が多過ぎますよ><
#4158[2016/05/05 00:22]  sado jo  URL 

もう一つ付け加えるなら
誰にでも背負うものがあるということでは?

相手を斬るということはその後ろにいる連中も殺すことである、と。

だからと言って争うな、奪うなと言いたいわけではありません。
ただ、自分の道に立ちふさがらない限り相手にしないという道もあるのだと思います。
盗もうが、人の道に外れていようが…

それが互いにとって譲ることのできないものの場合争いを回避することは絶対に出来ないししてはならないと思います。一時止められたところで先に延ばすだけだからです。

譲れないものなのかどうなのか、その自問自答の際のストッパーとしてのネズミの子ではないでしょうか。

でも、いつまでもストッパーに頼るのはどうなのかなと思います。
ネズミの子は何度思い出され、何度殺されるのでしょう。
そして、それを命じた人はいつまで我が子を見守り続けなければいけないのでしょう。
どこかでストッパーの役目を果たしていてくれた人達に別れを告げなければいけないのだと思います。
もう大丈夫だよ、ここから先は自分でできるよ、と。
#4159[2016/05/05 07:40]  野良猫  URL  [Edit]

Re: 野良猫様COありがとうございます^^

> 誰にでも背負うものがあるということでは?
> 相手を斬るということはその後ろにいる連中も殺すことである、と。

いやいや、そんな大げさなもんじゃないですよ(笑)
親父にしてみりゃ「ちょうど都合よくねずみが獲れた。こいつに少しばかりショックを与えて、世の中の現実を教えといてやれ」程度の考えからです。
そのショックが、後になって程好い精神ワクチンになって、精神の免疫抗体が出来ただけの事…少々の事ではめげない人間としてのね。図らずも生きる為の予防接種になりました(笑)
#4160[2016/05/05 14:41]  sado jo  URL 

いい話です。
身を持って教える。
その厳しさ大切ですね。
#4161[2016/05/05 15:36]  マウントエレファント  URL  [Edit]

Re: マウントエレファント様COありがとうございます^^

> いい話です。
> 身を持って教える。その厳しさ大切ですね。

昔の人は、自然に子供に軽い体罰を与えたり、ショックを与えたりしてました。
多分、親や教師にしてみれば、厳しくは無く当たり前の躾だったと思います。
そうする事で、幼い苗木が曲がらない様に、まっすぐ伸ばしていたんですね。
今は、何でも大げさに騒ぎすぎて、却って子供を歪んだ人間に育ててしまってます><
#4162[2016/05/05 16:58]  sado jo  URL 

今ですと、残酷なことを、て責める人、いそうですけど。
でも、現実は、残酷で、無慈悲なのですから。
それでも、大切なものは、何か、て教えないと。
楽しい、美しい、それだけで、世界が出来ていれば、教えなくても、良いのですけどね。

かしこ
#4163[2016/05/06 00:21]  みかんゼリー  URL 

Re: みかんゼリー様COありがとうございます^^

> 今ですと、残酷なことを、て責める人、いそうですけど。
> でも、現実は、残酷で無慈悲なのですから。それでも、大切なものは、何かて教えないと。

確かに、今時の大人は「子供になんて残酷な事をさせて」って言いそうですね(笑)
ところが、その大人達は、実験に使われるマウスや、小動物に関しては何も言いません。
余りに都合が良くはありませんか?…あれは残酷で、これは残酷では無いのでしょうか?
どちらも人間が何かを学ぶ為に死んだのです…可哀相ですが、それが現実なのです^^
#4164[2016/05/06 02:17]  sado jo  URL 

おはようございます🎶

ひとつも物事に対し、受ける側は、様々だと思いますが、
尊敬できる親であるからこそ、
sado jo 様のように高い価値観で捉えられたのでは?

人間の物事の捉え方があまりにも違い過ぎるものだと、
今、とても不思議に思うのです。

生まれ持った素性や育った環境の違いは、
生き方を大きく左右しますね。




#4175[2016/05/07 07:52]  夏子  URL  [Edit]

Re: 夏子様COありがとうございます^^

> 尊敬できる親であるからこそ、sado jo様のように高い価値観で捉えられたのでは?
> 生まれ持った素性や育った環境の違いは、生き方を大きく左右しますね

子供は、誰でも幼い内は親を尊敬しています。一番身近な大人ですから^^
ただ、親が得て勝手で人間性に欠ける事をすると、軽蔑しだしますけどね。
父は猟師で殺生を生業としてました。野獣と闘う困難にめげない戦士だった。
逆に、祖母は信仰心が厚く慈悲深い人だった…私は両方の影響を受けてます(笑)。
#4176[2016/05/07 11:57]  sado jo  URL 














管理者にだけ表示を許可する

~ Trackback ~


  ↑記事冒頭へ  
←創作詩「死んだねずみの子」が意味するところ    →死んだねずみの子 (その1)