シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

オリジナル詩集

大地に愛された女 ~再掲載~

大地に愛された女

大地に愛された女 ~再掲載~

目の前には 見渡す限りの 荒れ果てた大地があった
いつの頃から こうなったのかは 誰にも分からない
昔は 大勢の人々が暮らす 緑豊かな土地だったそうだ
こんなに 荒れ果ててしまったのは なぜなのだろうか?

この土地に住み着いた人々は 初めは 食べる分だけ耕した
よその人が 「売ってくれ」ときたので 次に売る分も耕した
この土地で取れた作物には いつしか 高値が付くようになった
金が儲かる事を知った人々は 際限なく 土地を広げていった
気付いた時には いつしか 大地はすっかり荒れ果てていた

その荒れ果てた大地を 耕そうとやってきた 一団がいた
けれども 耕しても 耕しても 命の力を失った荒地からは
麦はおろか 雑草のひとつすら 芽生えてはこなかった
一人 また一人と 一団の人々は 土地を去っていった

たった一人 取り残された女だけが ひたすら荒地を耕し続けた
照りつける太陽に 肌を焼かれながらも 懸命に耕し続けた
人にからかわれ いじめられても 女は耕すのをやめなかった
そうしてある日 とうとう女は 大地に倒れて動かなくなった
けれども その顔には 満ち足りた微笑みが浮かんでいた

通り掛かったやさしい旅人が 女を大地に埋めてやった

翌年 荒れ果てていた大地には たくさんの花が咲いた
命は命から生じる いや 命は命からしか生じはしない
人々が欲望に駆られて 寄ってたかって 命を奪った大地に 
女は 自らの命を 投げ出して与えたのだった

誰からも愛されなかった女は 誰よりも大地に愛された



麦の唄 作曲・歌:中島みゆき

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~ Comment ~


今はもう結果主義というか利益優先社会ですね。貧しい証拠です(笑)。
父の実家がある山の田舎は今頃涼しいのに都会は暑い暑い。同じ県なのにな。
でも今思うと人類ってまだまだ発展したばかりなんですよね。
今がちょうど時代の変わり目というか、ようやく機械という新たな文明ができたばかりです。
ほんの数百年前じゃありえなかったもの。人間の欲は今後どこまで深くなるやら。
#4381[2016/06/14 09:46]  西條すみれ  URL 

Re: すみれ様COありがとうございます^^

> 今がちょうど時代の変わり目というか、ようやく機械という新たな文明ができたばかりです。
> ほんの数百年前じゃありえなかったもの。人間の欲は今後どこまで深くなるやら。

面白い事にゲーテやモーッアルトが活躍した「人文主義時代」が人間精神のピークなんです。
産業革命以降は、逆に人間の精神は劣化して行ってます…物質的には豊かになったけれども、
文化的な進化がどこにも無い…やがて全て機械(IT)任せで、人が何も考えない時代になる。
今起きてる事件や騒ぎは、失われつつある人間精神の苛立ちから来てるのかも知れません。
#4382[2016/06/14 12:21]  sado jo  URL 

こんにちは~♪
今の時代をどう見るかという視点を忘れると人類の進歩の過程が見えなくなるでしょう。
社会構造がどう変わろうが、人類が希望をもち自然と共生する努力をつづければ人類が他の生物に淘汰される時期が遅くなるかもしれません。
人類が争い合う生物だと思う人は希望も見えなくなっていることでしょうね。
#4383[2016/06/14 17:29]  まり姫  URL  [Edit]

こんばんわ
大地に愛される……深いなと思いました。
#4384[2016/06/14 17:50]  ネリム  URL  [Edit]

Re: まり姫様COありがとうございます^^

> 今の時代をどう見るかという視点を忘れると人類の進歩の過程が見えなくなるでしょう
> 人類が争い合う生物だと思う人は希望も見えなくなっていることでしょうね。

人間は生まれながらに欲望を持ち、欲望を持つが故に争い合います。
我と彼を分け集団や国家を分け、自己の欲望のみを満たす者は、破滅への道を進みます。
最初は小さかった人間は、今や世界中に広がり、地球全体を包含する存在になりました。
エゴを撒き散らすか?人類全体に責任を持つか?おのずと答えは出て来るはずです^^
#4385[2016/06/14 18:25]  sado jo  URL 

Re: ネリム様COありがとうございます^^

> 大地に愛される……深いなと思いました。

死んだ後に、大きな大地と言う男性に抱かれて花になる…なんてね。
女性にとっては、さぞかしロマンチックに思える詩でしょうね~ ♪
ある意味、この世に命を産み出す女性を意識して讃えた側面もあります^^
#4386[2016/06/14 18:32]  sado jo  URL 

身の丈に合った使い方ならともかく、
拡大ばかりではいつか土地も死にますしね。
上手く共存しないといけませんね~。
#4387[2016/06/14 20:00]  ツバサ  URL 

Re: ツバサ様COありがとうございます^^

> 身の丈に合った使い方ならともかく、拡大ばかりではいつか土地も死にますしね。
> 上手く共存しないといけませんね~。

ほんの百年前まで人類は地球の大きさも知らず、人口も半分ほどでした。
21世紀中盤には百億に達するでしょう…土地(農地)は無いのに人は増え続けます。
人類が世界連邦と言う形に纏まって団結すれば、砂漠の緑化も、生産性の向上も可能ですが、国家間や民族で争いばかりしてます…どうしたもんだか(笑)
#4388[2016/06/14 20:55]  sado jo  URL 

こんばんは^^

自らの命を差し出して亡くなってしまったけれど
彼女は幸せだったでしょうね。
そこから、新しい命が生まれていくのですから。
身を投じてまで繋いだ命。

きっとその土地には美味しい実がたくさんなっているでしょう^^

茗荷の話を少し思い出しました^^



#4389[2016/06/15 21:29]  ミノリ  URL  [Edit]

こんばんは🎶

植物によっては、土から自分に必要な養分を全て吸収し、
次の年には、その養分が足りなくて同じ場所にはできないそうですね。
人間も都合の良いように、環境を破壊しているようで、
結果が見えているようです。
国政もこの女性のようであって欲しいと思います。



#4390[2016/06/15 21:45]  夏子  URL  [Edit]

Re: ミノリ様COありがとうございます^^

> 自らの命を差し出して亡くなってしまったけれど彼女は幸せだったでしょうね。
> そこから、新しい命が生まれていくのですから。身を投じてまで繋いだ命。
> 茗荷の話を少し思い出しました^^

茗荷には様々な伝承があります。確かなのは、この植物は人間が種を繋いだと言う事。
原種が無く人が住む側にしか存在しない…言わば、犬や猫と同じく人間が命を繋いだものです。
女性は、命を産む役目を負ってこの世に生まれて来た尊い存在です。命に関係ない権力や地位を巡って争う男は、しょせん、一女性の足元にも及ばぬ下らん生き物です。
悔しかったら誰から生まれたか?言ってみろ…です(笑)ある意味、女性を讃えた詩なんです^^
#4391[2016/06/16 00:21]  sado jo  URL 

Re: 夏子様COありがとうございます^^

> 植物によっては、土から自分に必要な養分を全て吸収し、
> 次の年には、その養分が足りなくて同じ場所にはできないそうですね。
> 人間も都合の良いように、環境を破壊しているようで、結果が見えているようです。

白系人種は土地が痩せてたので、種が実らなくなると、他所の土地を奪う為に移動しました。
その悪癖が、悲惨な植民地支配に繋がり、未だ他人の土地に侵入して争いを繰り広げてます。
人が生き方を考え直さないと、破滅的な天変地異を招く事になります…現にそうなってますね。
#4392[2016/06/16 00:38]  sado jo  URL 

こんな話をつぎ足したいかなと思います。

ある日、ただ一人荒野を耕しつづける女の元に商人が現れる。
女の話を聞き、商人は言う。
ならばこの砂を売ればいいではないか、と。
何も作物を植えるだけが土地の使い方ではない、
私に任せてくれ、必ずこの土地を大金に換えて見せる、
そしたら、その金で人を呼べばいい、
きっとまた人の溢れる土地になる。と。
そして、その男は一年たったら必ず帰ってくると旅立った。

女は待った、しかし一年たっても三年たっても男は帰ってこなかった。
それでも土地を耕し続けた女の顔にはいつしか狂気にも近い笑顔を浮かべていた。
やはり私のやり方が正しいのだ、と。
まるで、これでよかったのだ、と自分に言い聞かせるかのように土地を耕し続けた。

そして、更に時は流れ…
力尽きた彼女の元に旅人が帰ってくる。
旅人はその顔に何を思ったのかはわからない。
しかし、旅人は彼女との約束を果たした。
旅人は忘れてはいなかった。
また人で溢れる、そう聞いている時の彼女の顔を。
彼の集めた金、技術、そして仲間たちによって確かに荒れ地に花は咲いた。
しかしそれ以上の花が咲き乱れた。
荒れ地に花を咲かそうとする者達の声、活気、喧騒…
彼女がほんとうに欲していたものを彼女の眠る土地に咲かせて見せた。



マクロスΔのメッサー葬送曲。
夢は君が一人描くんじゃなく~
の歌詞を聞いた後だったのでこんな感じの結末もありかなと思いました。



#4393[2016/06/16 16:16]  野良猫  URL  [Edit]

Re: 野良猫様COありがとうございます^^

ははは…想像力が豊かですね~^^
けれど、どうでしょう?土地を耕す女は、そこを昔の様に賑やかな地にしたかったのかな?
ただ単に、命を産み育む地にしたかっただけでは無いのかな?女性ならそう考えると思います。
もし命をお金に換えたら、それは即命では無くなる…私達は、天災や事故、戦争で亡くなった人を数字で表し、補償金の額を計算したりします。けれど、そこに命はあるのかどうか?
はて?人は何を基準に生きているのか…この詩を書いた意味はそこなんですけどね^^
#4394[2016/06/16 17:29]  sado jo  URL 

命を吸って、また、命を生み出して。
また、元のように、大地が戻ったら。
同じことを、繰り返すのでしょうね、人て。
過去の、その女の人のこと、なんて忘れて。
忘れないように、しないと、いけないのに。

かしこ
#4395[2016/06/17 01:59]  みかんゼリー  URL 

Re: みかんゼリー様COありがとうございます^^

> 命を吸って、また、命を生み出して。また、元のように、大地が戻ったら。
> 同じことを、繰り返すのでしょうね、人て。過去の、その女の人のこと、なんて忘れて。

実は人間にとって、過去の歴史は教材にはならないんですよ。
目の前にあるものを貪り、暑い、寒いに愚痴を言い、都合の悪い事に文句を言う。
そのサガが抜けないから、同じ事を繰り返してしまう極めて愚かな生き物なんですね(笑)
#4398[2016/06/17 13:33]  sado jo  URL 














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