シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

「▼未来戦艦大和」
未来戦艦大和 小説本編

未来戦艦大和 第4章 「激闘!坊の岬沖海戦」(7)

核爆発

 二人が見物している間もなく、再び上空からものすごい閃光が走ってきて大和をかすめた。
 爆発するように海面が蒸散すると同時に、大和から発した何本もの光の帯が上空の敵機を貫いて、飛び散る花火に変えた。
 バリバリッ!ドド~ン!…発する光から少し遅れて、二人の耳には、稲妻の走る音と、雷が落ちたような音が響いてきた。
(レーザーだっ!)遼はとっさに思った…敵機は爆弾を投下しているのではなく、大和も対空砲を撃ち上げているのではなかった。
 レーザー兵器が、大砲や爆弾やミサイルなどの物理兵器に取って代わる未来の主力兵器になる事は、誰にでも容易に想像できる。
 どんなに高速な物理兵器でも、光の速さには到底及ばない、レーザー兵器は…目標に到達する前にそれを無効化してしまうのだ。
(これが未来の戦争なのか?)遼は科学が生み出した兵器による戦争が、最終的にどんな形態になるかを見たような気がした。

「右舷上空、10時23分。熱線粒子連射砲照準合わせっ!」駒之助の指示が砲術士に飛んだ。
 すぐに雲の中から、長い首と、翼をたたんだ鶴のようにずんぐりした銀色に光る敵機の編隊が現れた。
「来たっ!ヘルダイバーだ」
 敵機のくちばしのように見える先端から光が出るのと、大和の熱線粒子連射砲が閃光を放つのはほとんど同時だった。
 ジュバッ!瞬間的に大和の左舷甲板に敵機の放ったレーザーが当たって散り、わずかな白い煙が立ち昇った。
 空では、大和の熱線粒子連射砲に打ち抜かれた敵機が、大輪の花火のように砕け散って周囲を明るくした。
「左舷上甲板に敵機の熱線命中!瞬間被爆温度4000度…耐熱鏡面がわずかに焦げました」
「4000度か…やはり雨に遮られて、敵の熱線はだいぶん減衰しているな」
 能本副長の報告を聞いた来島参謀長が事もなげにそう言った。

(4000度だって!?…広島を襲った原爆の熱線と同じくらいの高熱だ。それでわずかに焦げただけか?)
 軍事記者の遼は、原爆の熱線が生成される過程と、その恐るべき破壊力をよく知っていた。
 1945年8月6日午前8時15分、広島市猿楽町上空567メートルで核分裂を開始したリトルボーイのウラン235は、大量の致死性中性子を放ちながら、人間が測定不可能な0秒と言う瞬間時間で、推定250万度と言う太陽の中心核に匹敵する高熱を発した。
 この0秒と言う時間の中で、もはや爆弾を覆っていた外殻は存在せず、大気に触れた熱線は100万/15秒後には40万度まで急激に減衰した。40万度もの高熱に触れた大気は気体のままではあり得ず、その元素構造は破壊されて微粒子のプラズマと化し、火球と呼ばれる火の玉を生成していった。
 青白い光を放ち、ガンマ線を始めとするあらゆる有害放射線を放出する火球は、周辺の大気を急激に破壊しながら膨張し、その直系は310メートルに膨らんだ。その間わずか0.2秒。温度は太陽の表面とほぼ同じ約6000度に達していた。
 広島の人々がその火球を見た瞬間、一秒と経たない間に、すでに猿楽町を中心とした半径1キロ圏内の人々は即死していたのだった。
 地表に届いた熱線は3000度~4000度。鉄を溶かす溶鉱炉の温度は1530度だから、実に人々は溶鉱炉の2倍以上の熱線を浴びた事になる。
 これほどの高温にさらされると、人体の水分は瞬時に蒸発して、身体を形成していた細胞組織は炭素…つまり、炭の塊となり、人の原型は一切残らない…ちなみに骨の原型を残すための火葬温度が800度だから、原爆の熱線がいかに恐ろしいものかがよく分かる。

~続く~

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今回の参議院選挙で、若者達の圧倒的な与党改憲派への支持が話題になっている様です。
その投票行動は愛国心からでしょうか?…いいぇ、彼らは憲法の事より、自分の収入を増やしてくれそうな方を選んだだけです。
その点では、与党も野党もネット世代を読み違えており、大半の日本の若者に「祖国愛」はなく「快適な生活」を最優先してます。
現に、愛国心が強いはずの英国の若者も、EU離脱が決まった途端、外国ビザの取得にやっきになってます。お分かりですか?
ネット世代は、快適な生活さえ出来ればどこへでも行くのです…従って、政府はうかつに若者に何かを強制する事は出来ません。
「自分達に都合の悪い日本になったら出て行けばいい」のです。ネットで探せば快適な生活が出来る移住先は幾らでもあります。
家族を持ち、地位や立場のある大人は日本から動けないが、彼らは極めて自由主義で、ネットを通じて選択肢も豊富にあります。
日本で役に立たないスキルでも、それを欲しがる地域はたくさんある。政治家(大人)は真剣に若者のホンネを知った方がいい。
日本に働きに来てる中国の子に聞いたら「愛国心」などはなく「お金を稼げて楽しかったらどこでもいい」がホンネでした(笑)
 
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~ Comment ~


科学技術の発展で兵器もより兵器らしくなってきますね。
そういえば未だ立ち入り禁止となっているチェルノブイリは野生動物の楽園になっているようです。
人の街がいつの間に動物の街に。なんだか皮肉ですね。
良くも悪くも全ては人間次第。巻き込まれるほうは溜まったもんじゃない。
#4520[2016/07/12 10:36]  西條すみれ  URL 

Re: すみれ様COありがとうございます^^

> 科学技術の発展で兵器もより兵器らしくなってきますね。
> 良くも悪くも全ては人間次第。巻き込まれるほうは溜まったもんじゃない。

兵器は如何に素早く、大量に殺すかを純粋に追求するので、核もレーザー砲も有りです。
なので直撃の方が楽に死ねる。なまじ中途半端な距離だと、長く苦しんで死ぬ事になる。
直撃だと0.1秒位…死んだ事も分からない。弾丸などの物理兵器を食らうと相当に苦しい。
最近の無人兵器は遠隔操作で人を殺します…ただ、機械で人を殺すってのはどうかな~?
レーザードローンなら簡単に暗殺が出来る…政治家などは危険な職業になるでしょう(笑)
#4521[2016/07/12 13:28]  sado jo  URL 

こんにちは~♪
今の若者は快適な生活を望んで自公両党に投票などしてませんよ。
18歳の方が投票率が高く、19歳の大学生や社会人の投票率が低かったことを見ても、選挙の重要性そのものを知らされていないのです。
もちろん自公両党の悪政の数々などまったく知らされていません。
それどころか学校教育で本当のことを教師が教えないよう圧力をかけられ事実をまったく知らされていないのです。
ほんの一握りの高校生や大学生が自分で政治に興味を持ち、今の社会の矛盾に気が付いた若者だけが声を上げているのです。
大核を卒業したら多くの若者が借金返済に追われ続ける実態にぶつかって初めて気づくくらいだから、今が楽しければなどと学生は考えていないといっていいでしょうね。
#4522[2016/07/13 17:32]  まり姫  URL  [Edit]

Re: まり姫様COありがとうございます^^

> 今の若者は快適な生活を望んで自公両党に投票などしてませんよ。
> 選挙の重要性そのものを知らされていないのです。
> ほんの一握りの高校生や大学生が自分で政治に興味を持ち、今の社会の矛盾に気が付いた若者だけが声を上げているのです。

若者全部とは言ってませんよ。大半はです。それに自公両党の方が金儲けが上手いのは事実。
「お金がもらえて楽しい国ならそれでいい…万一、徴兵されそうになったら国外に脱出すればいい」だから改憲は特に気にしてない。大半の若者はそう考えてるだけですよ(笑)
「日本国を守る為に戦え」と言う政治家(大人)の方がおかしい…「スマホやアニメや、ゲームの為に戦え」と言ってやった方が彼らにはピン!と来るでしょうね(大笑)
多分、映画界出身の自分も、お国の為ではなく、映画やアニメの為なら懸命に戦うかも(笑)
#4523[2016/07/13 18:22]  sado jo  URL 

参議院選挙は、自分も投票しに行きました
ええ、平日休みの人間なので、期日前投票でしたがw

ちなみに、Facebookで色々と話題になっていた、選挙フェスをやっていた彼には入れませんでした

理由は、ただ単純に彼の思想に共感できなかったからです

でも、あの取り組みは良かったと思っています

これまで選挙とか政治に関心のなかった層に、多少なりとも関心を植え付けた気がするので

自分は、基本的に政党には興味がありません
与党だから入れる、将来性のありそうな無所属だから入れる、ということはしないです

今回は、候補者の思想やらビジョンを一通り見て、その中で最も共感出来る候補者に投票しました

なお、選挙区も比例区も自分が投票した候補者が、2人とも当選してましたねw
#4524[2016/07/13 21:07]  blackout  URL 

Re: blackout様COありがとうございます^^

> 自分は、基本的に政党には興味がありません
> 与党だから入れる、将来性のありそうな無所属だから入れる、ということはしないです

自分は若い頃、ベトナム反戦運動をし、その後某与党の議員の下で民主政治を学びました。
そして政党政治の矛盾を知り、国家と言う枠組みの妥協の限界も知りました。自分を教えた方は「日中国交回復」に尽力されたのですが、ある日こんな事をおっしゃいました。
「東西冷戦の中にあって今の日本は平和だ。だが、冷戦はいつまでも続くもんじゃない。冷戦構造が崩れた時、世界は再び荒れるだろう。その時、君達はどうするか?今から考えておき給え。我々の様に戦って血を流し合えば、遺恨が延々と残って子孫を泣かせる事になるぞ」
その議員は勿論戦中派です…あの時代に現在の世界の様相を予言したのは凄いと思います。
子孫の未来は、今生きている我々が握っています。さて、どうしましょうかね~(笑)
#4525[2016/07/13 22:18]  sado jo  URL 














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