シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

随想/論文集

恐竜の王者「ティラノサウルス」滅亡の謎を解き明かす

恐竜絶滅

巨大な身体と大きな頭。鋭い牙と時速50キロで地を駆ける足。高い知能を持ち、グループで役割分担をして狩猟を行なった肉食獣。
その狩りは人間さながら罠を張って待ち伏せし、追い込んで囲い込み、或いは崖の上に獲物を追い詰めて追い落としたりしました。
白亜紀時代の昔、生態系の頂点に立っていたティラノサウルスは、今のホモサピエンス同様、当時の地球上に君臨する王者でした。
一般的には、恐竜達は6400万年前に地球に衝突した、直系20キロほどの小惑星が引き起こした異変によって滅んだとされています。
ところが、当時の地層にはティラノサウルスの化石は少なく、彼らはそれ以前に大幅に個体数を減らしていた事が判明しました。
なぜ生態系の頂点に立ち、無敵だったティラノサウルスが、全ての恐竜が絶滅する以前にすでに滅びかかっていたのでしょうか?
最近の研究によって、恐竜絶滅以前の地層から発掘されたティラノサウルスの化石から、彼らの死因の幾つかが解明されたのです。
何と、北米で発掘されたティラノサウルスの化石の多くに、外圧によって骨が折れたり、頭蓋骨に大きな穴が空いていたのでした。
いったい誰が王者であるティラノサウルスに致命的な傷を負わせたのでしょう?…実は傷を負わせたのは彼らの別種だったのです。

ゴンドワナ超大陸の分裂と共に、全盛期に入った恐竜時代は、多くの恐竜達が大型化して進化し世界中に散らばって行きました。
猫の様に小さくて弱い生物だったティラノサウルスも、身体を大きくして牙を磨ぎ、世界の至る土地で生態系の頂点を極めました。
実際、ティラノサウルスほど世界中で化石の出る恐竜はいません…我々人間同様、至る所に住み着いた地球の支配者だったのです。
新しく出来たここアメリカ大陸にも、世界各地から数種類のティラノサウルスが集まって来て、生活を営んでいた痕跡があります。
ところがこの時期、地殻変動と激しい火山活動によって大気中の二酸化炭素が増え、温暖化による地表の水没が進んでいたのです。
アメリカ大陸は分割され、恐竜達は限られた狭い地域にひしめき合いました。そして、餌場を巡って縄張り争いが起ったのです。
最も身体の大きなT.レックス。少し小ぶりな種族。或いは、毛色の異なる種族…数種類が覇権を賭けて互いに殺し合ったのでした。
実にティラノサウルスこそ、哺乳類を含む大型動物の中で、捕食以外の目的で同族殺しをやった初めての種だった事が解りました。
縄張りを巡る激しい共食いの果てに、個体数を激減させたティラノサウルスは、天から降って来た小惑星にトドメを刺されました。

その後、地球には新たなティラノサウルスが現れました。道具を使うこの種に天敵はなく、世界中に広がって数を増やしました。
自らの手で世界を狭くしてしまったこの新種のティラノサウルスは、今、縄張りを巡る激しい共食い争いの危機に直面しています。
「ここは俺の国だ!」「ここは俺の土地だ。お前らは出て行け!」うなり声の代りに言葉で吼え、銃を使って別種を威嚇しています。
おそらく、太古に栄えたティラノサウルスには、相手が少し異なるだけの同種だと言う認識はなかったのではないかと思われます。
だが人間には、皮膚の色が違っても、鳴き声が異なっていても、スタイルの違いはあっても、相手が同種だと言う認識はあります。
にも拘らず、ティラノサウルス同様縄張りを争い、知っていて同族殺しをするのなら、彼らより遥かにタチが悪く劣る生き物です。
全ての生き物の頂点に君臨するだけでは飽き足らず、同種を排除してただ一種類だけで地球を支配したいと言う欲望は何なのか?
激しい縄張り争いの果てに、今度空から降って来るのは破滅を齎す小惑星ではなく、核ミサイルになるだろうと思います。



恐竜絶滅の通説と、ティラノサウルスの絶滅は違っていた (NHKオンデマンドより)

にほんブログ村 小説ブログへ
クリックをお願いします
 
関連記事
スポンサーサイト
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼シムーン第二章 ~乙女達の祈り~
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼未来戦艦大和
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼ビーストハンター
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼クロニクル ~カルマ~
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼まぼろし
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼やさしい刑事
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼幻影の艦隊
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼その他の小説
もくじ  3kaku_s_L.png オリジナル詩集
もくじ  3kaku_s_L.png 随想/論文集
もくじ  3kaku_s_L.png 死とは何か?
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  ↑記事冒頭へ  
←クロニクル ~カルマ~ 第7話 「人魚姫」 (3)    →クロニクル ~カルマ~ 第7話 「人魚姫」 (2)

~ Comment ~


ティラノザウルスにそんな説があったとは知らなかった。
毛がはえてたとか、色が極彩色だったとか、最近のティラノは
以前のティラノとは様変わりしています。
核兵器禁止って茶番です。
自国の核は廃棄しないで他国の核兵器を禁止しているわけですから。
#5555[2017/02/25 08:56]  エリアンダー  URL 

Re: エリアンダー様COありがとうございます^^

> ティラノザウルスにそんな説があったとは知らなかった。
> 毛がはえてたとか、色が極彩色だったとか、最近のティラノは
> 以前のティラノとは様変わりしています。

ティラノザウルスと言えば、映画「ジュラパ」で有名な一番大型種のレックスが有名ですね。
これが人間に例えるなら白系ゲルマン種になりますか?…他にも多種多様な種族がいました。
ところがそれほど地球上で栄えたにも拘らず、新しい地層からは化石が発掘されていません。
どの生物もそうですが、環境に適応した種は数を増やします。だが環境は刻々と変化します。
数が増えた事が却って災いとなり、共存が困難な状況に陥って同種の共食いが起きた様です。
ティラノザウルスの末路は、今の人類にはいい教訓になると思いますね(笑)
#5556[2017/02/25 11:25]  sado jo  URL 

ホモサピエンス1種類だけになっても同族争いをしているのは救いようがないですね。
まるで飲み込むだけ飲み込んで収縮して消滅するブラックホールみたいです。
白人だけになってそれでもまだ数を減らしていくんでしょうね、トランプ君(笑)。
まあ、いくら核兵器強化だといっても
隕石の大きさ次第ではたった1つで世界中の核を上回ることもあるんですけどね。
#5557[2017/02/25 11:30]  西條すみれ  URL 

Re: すみれ様COありがとうございます^^

> ホモサピエンス1種類だけになっても同族争いをしているのは救いようがないですね。
> 白人だけになってそれでもまだ数を減らしていくんでしょうね、トランプ君(笑)。

ホモサピエンス1種類だけでも区分けして選別してますからね。人間って種族は(笑)
白人。黄色人。黒人…同じ白人でも、ゲルマンだの、スラブだの、ユダヤだのってね。
いゃ、日本人も中国人だの、朝鮮人だのって…先祖は同じモンゴロイドのはずだが?
人間ってヤツは何かに付け選別するのが好きな種族…で、自分の欠点は棚に上げる(笑)
#5558[2017/02/25 13:24]  sado jo  URL 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
#5559[2017/02/25 16:01]     

こんばんわ
ティラノザウルスのことが分かりためになりました。
#5560[2017/02/25 20:44]  ネリム  URL  [Edit]

Re: m様COありがとうございます^^

旅行とはいいですね~…羨ましいです(笑)
季節の変り目…特に春先は、手術した身体の体調が崩れ、ブログの方がままなりません><
なので、気任せでやるしかないので、更新やコメントが途切れ途切れになると思います。
あなたも持病を持ってらっしゃる様なので、気を付けて行ってらっしゃい^^
#5561[2017/02/25 22:22]  sado jo  URL 

Re: ネリム様COありがとうございます^^

> ティラノザウルスのことが分かりためになりました。

何の、何の…博物館長顔負けでしょ~♪
って、自慢してる場合じゃなくて…ティラノザウルスの二の舞にならぬ様に警告してます(笑)
#5562[2017/02/25 22:26]  sado jo  URL 

こんにちは~

地球には人類が滅んだことが何回かあるという説があり、
人類が核を使ったために当時の文明がほとんど破滅した。
その廃墟は地中(海中)深くに埋まっているために知られていない。
今のまま人類の争いの増大を放っておくと、
人類はまた同じことを繰り返すだろう、と言われています。
愚かな指導者・支配者はいつの時代にもいるので、
ティラノサウルスの話は他人ごとではありません。

いま動物たちは地球上では、力の強い強力種とそうでない弱小種とが
棲み場所を変えたりして、なんとか共存できるようになっています。
太古の昔は、超大型の動物だけが覇権争いをしたのでしょうかね。

この世界では、軍事力が強い大国が露骨に覇権争いをしていますが、
米国は、覇権に勝つために新しい戦略を採用したようです。
これも実効がありそうで、世界の滅びに直結しなければいいのですが。
#5563[2017/02/26 11:25]  ☆バーソ☆  URL  [Edit]

Re: パーソ様COありがとうございます^^

> いま動物たちは地球上では、力の強い強力種とそうでない弱小種とが
> 棲み場所を変えたりして、なんとか共存できるようになっています。
> 太古の昔は、超大型の動物だけが覇権争いをしたのでしょうかね。
> この世界では、軍事力が強い大国が露骨に覇権争いをしていますが、
> 米国は、覇権に勝つために新しい戦略を採用したようです。

史上最強と呼ばれるティラノサウルスの大型種「Lex=王」の生息地は偶然にも北米でした。
現在で言えば「白系人種」に当たります…これが他の種と激しい縄張り争いをした模様です。
その結果、ティラノサウルスの個体数は減り、Lex自身も多様性を失い滅びの道を歩みました。
さて「よそ者=他種」を蹴散らし、世界に君臨しようとする王「トランプLex」の末路や如何に?
恐竜が争ってくれたお陰で、人類の祖先「哺乳類」は生き残りましたが、今度のLexの武器は牙ではなく核兵器…生き残れるはずの種族もろとも滅ぼす事になりそうです><
#5564[2017/02/26 12:08]  sado jo  URL 

ご無沙汰しました。

ご無沙汰です。
公私とも多忙で、ブログに向かえる時間がなく、長い留守になってしまいました。
今後もよろしくお願いします。
#5565[2017/02/27 18:56]  マウントエレファント  URL  [Edit]

Re: マウントエレファント様COありがとうございます^^

> 公私とも多忙で、ブログに向かえる時間がなく、長い留守になってしまいました。
> 今後もよろしくお願いします。

お久し振りです。お帰りなさい^^
まぁ、人生は色々波があって当たり前ですので、お気になさらずに。
私も最近、体調が余り思わしくなくてスローペースで更新しています。
いつかはブログも出来なくなる日が来るだろうな…なんて実感してますよ(笑)
#5566[2017/02/27 20:35]  sado jo  URL 














管理者にだけ表示を許可する

~ Trackback ~


  ↑記事冒頭へ  
←クロニクル ~カルマ~ 第7話 「人魚姫」 (3)    →クロニクル ~カルマ~ 第7話 「人魚姫」 (2)