シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

オリジナル詩集

遠き道

寺のハト

遠き道

仏典は語る
我欲に囚われる事なく 執着を絶てば涅槃に至る

およそ 人間が作った街は 人間のものではなく
およそ 人間が建てた家屋も 人間のものにあらず
そこにあった自然を 人間が改造して できたもの
ならば そこにはおのずと 自然に生きる生き物が集う

集い来た生き物と そこを独占したい人間との確執が起こる
かばおうとする者と 排除しようとする者との確執が起きる
共存しようとする人と 共存を拒む人との間で 争いが起きる
それはどこか 人間世界で起きている 人々の争いに似ている

若くして旅していた頃 とある古刹で 一人の僧侶に出会った
僧侶は 灯篭に付いたハトの糞を 一生懸命洗い落としていた
その寺には たくさんのハトが 巣を作って住み着いていたのだ
「ハトのせいで 寺が汚れて大変ですね」 私は僧侶に言った
「いぇ 生き物を供養するのも 涅槃に至る仏道修行ですから
生き物に功徳をいただいたと思えば これくらい何ともないです」
僧侶は 微笑みながらそう言った 私は次の言葉がでなかった

私は 人には差別をするな 合い争うな と言って共存を訴える
その一方で 汚れる 掃除が面倒だ と言ってハトや野良猫を排除する

思えば 人が涅槃に至る道は 何と遠かろう 何と険しいものだろう
きっと私も 知らず知らずに 独善の道に引きずり込まれているのだろう
この街は人間のものではなく この家も土地も我のものではない
それどころか このわが身さえ 生き物の恩恵を受けて生きている

仏典は語る
人の身に生れて 涅槃に至る者は 爪の上の砂の如し (*)
そう言って弟子たちを諭された 聖者のお言葉が 今心に染みる

(*) 釈迦はガンジス川の畔で砂を掬ってご自身の爪の上に置かれた。砂は全てこぼれ落ちて爪上に残ったのは極僅かでした。
「人身受け難し、今すでに受く 仏法聞き難し、今すでに聞く…この砂の如く落ちこぼれぬ様に修行に励め。そして善を為せ」
(人に生れる事は稀であり、仏の教えを聞くのはなお稀な事…なのにこの体たらく。今度虫に生れたら何も知らずに死ぬのだ)
釈迦は居並ぶ弟子たちにそう教えられたそうです。 ~三帰依文より~




ブッダ ~大いなる旅路~ インド・輪廻する大地 音楽:中村幸代

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~ Comment ~


こんばんは
人間の生々しい感情が伝わってきました。
#5970[2017/05/22 23:31]  ネリム  URL  [Edit]

Re: ネリム様COありがとうございます^^

> 人間の生々しい感情が伝わってきました。

人はわが身を一番大事にし、家族や得た財産を大事にし、他のものを粗末にします。
けれども、そのわが身も母から得、他の生き物や他の人々の恩恵を受けて生きています。
仏陀は、全ての命は繋がり合って生きている…だから、他の命に感謝せよと教えられた。
わが身より、他の命を心底大切に思える様になった時、人は悟りを開いて涅槃に至れます。
そう考えて手術に挑戦してみて下さい。乗り越えた時、何かが見えてくるはずです^^
#5971[2017/05/22 23:54]  sado jo  URL 

おはようございます

視点が幅広く、いろんな文体を駆使できるのですね。
どうも「独占したい」という意識が共存を阻む原因のようです。
独占したいのは、足りないと思う意識があるからでしょう。
そして、もっと増やして優越感を味わいたいからでしょうか。
この僧侶のように、生き物を大切にすれば、自分に功徳が返ってくる、
情けは人の為ならず、と思うようになれば、これもひとつの良い考え方です。
こういうところに宗教が存在する意義がありそうです。
#5972[2017/05/23 08:17]  ☆バーソ☆  URL  [Edit]

宝石に高い値段付けても、もともとは自然の物であって「価値」はない。
自然の物に価値を付けるのは好きではないし、それを巡って争うのは嫌いですね。
人間の物が唯一あるとしたらそれは思想の世界(文化、秩序、精神など)だと思います。
ただ残念なことに、仮に価値を付けるとしたら二束三文にもならない人間が多い。
いい歳した大人が強行採決という我儘で何でも押し通そうとする世の中ですからね。
#5973[2017/05/23 09:46]  西條すみれ  URL 

耳も心も痛いです

>私は 人には差別をするな 合い争うな と言って共存を訴える
その一方で 汚れる 掃除が面倒だ と言ってハトや野良猫を排除する

心がチクッとしました。
愚かなるもの、その名は人間かもしれません。
#5974[2017/05/23 12:17]  窓  URL  [Edit]

Re: パーソ様COありがとうございます^^

> どうも「独占したい」という意識が共存を阻む原因のようです。
> そして、もっと増やして優越感を味わいたいからでしょうか。
> この僧侶のように、生き物を大切にすれば、自分に功徳が返ってくる、

「独占したい」と言う意識が他の命を見下し、差別する傲慢さを生むんですね。
「地上は神のものであり、王やパリサイ司祭のものではない」イエスも言ったと思います。
仏陀も独占欲と支配欲を強く戒められました。それが差別と傲慢を生み争いに繋がります。
地や海に生きる生命は全て人が生きる事を助けてます。微生物がいなくなっただけでも人は死にます…お腹にいる乳酸菌が絶滅したら、人は食事をする度にひどい腹痛を患います(笑)
他人や他の命を助ける事は、しいては、我と我が身を助けてるんですよね^^
#5975[2017/05/23 13:27]  sado jo  URL 

Re: すみれ様COありがとうございます^^

> 宝石に高い値段付けても、もともとは自然の物であって「価値」はない。
> ただ残念なことに、仮に価値を付けるとしたら二束三文にもならない人間が多い。
> いい歳した大人が強行採決という我儘で何でも押し通そうとする世の中ですからね。

例えば、石油(ガス)とか石炭…これは太古の生命が作ってくれたものです。
人間が作った物ではありません…その証拠に月にはない。人間は何を作りましたか?
自然を簒奪するだけで何も作ってないのです…だから、命に感謝して使わせていただく。
その心を忘れてるから「俺の物だ」と人間同士で争い合った挙句、世界を滅ぼすのです。
仏陀の別名を如来と言います…来る事を知り、生きる心を知る。全ての道理を悟った大人と言う意味です「いい歳した大人が強行採決」では、道端で駄々をこねて母を困らせる幼児と同じ(笑)
#5976[2017/05/23 13:42]  sado jo  URL 

Re: 窓様COありがとうございます^^

> 心がチクッとしました。
> 愚かなるもの、その名は人間かもしれません。

正直に本心を言うと、自分は北朝鮮や中国やロシアが嫌いです。時に米国も(笑)
だが、それは「独占したい」と企む政治家達だけであって、その国の庶民は大好きです。
文化の違いで「迷惑だ」と思っても、彼らは彼らなりの生き方がある事を理解しています。
以前、親しかったインド人が激辛カレーをくれました…彼は親切心でくれたと思います。
到底日本人には食べられない…後で捨てましたが「ありがとう」と心から感謝しました。
彼の人を思う心をいただいたのです…物ではなく、精神=心を食べられるのは人間だけです。
感謝の心を忘れたり、物欲や支配欲に囚れてしまった者はもはや人間として失格ですね(笑)
#5977[2017/05/23 14:04]  sado jo  URL 

人は己自身を律することが苦手にできている生き物のようですね。
遊びの延長が競技スポーツまで発展し、ついには争い合うことになるのも人間ならではでしょう。
自分たちの都合のいいように解釈するのも人間だけ。
己の力で考える能力をもった人間ならほかのものに頼らないで、自分の能力にあったもので満足すればいいのにね(*^^*ゞ
牛みたいに胃袋がいくつもあるわけじゃないのにどうして人間という動物は欲望がいつまでも一番目に出てしまうのでしょうね。
#5978[2017/05/23 18:40]  まり姫  URL  [Edit]

Re: まり姫様COありがとうございます^^

> 人は己自身を律することが苦手にできている生き物のようですね。
> 遊びの延長が競技スポーツまで発展し、ついには争い合うことになるのも人間ならではでしょう。
> 自分たちの都合のいいように解釈するのも人間だけ。

人間のスポーツが闘争ごっこである様に、動物も縄張りやメスを巡って争います。
しかし、それはあくまでも儀式であり、極端に食料が欠乏した時以外は共食いはしません。
なのに人間は儀式ではなく、極端に食料が欠乏してる訳でもないのに、日常的に殺し合います。
これは人間と言う種が、自然界の中で最も欲深くて野蛮な生き物である事を意味します。
高度な知性を自慢しながら、やる事は畜生以下…どこか頭が狂ってるんではないかな?(笑)
#5979[2017/05/23 20:33]  sado jo  URL 

私事で申し訳ありませんが、この度、ブログの閉鎖を決めました。
sado jo様には、毎回コメントを頂き感謝しております。
色々と疲れてしまったのです。
今後のことは未定です。
ありがとうございました。

かしこ
#5980[2017/05/23 22:06]  みかんゼリー  URL 

Re: みかんゼリー様COありがとうございます^^

それはとても残念ですね~
貴女の様に博識で、世の中を広範囲に見られる女性はなかなかいませんから^^
自分がもう少し若くて、病気を患ってなかったらお嫁さんに欲しい位です(笑)
妻を亡くした後、身の回りの狭い事だけしか話が出来ない女性が多かったので
再婚に至りませんでした><…私はお店をやってたので料理・洗濯・掃除は得意です♪
映画・文学・哲学・科学・政治まで話し相手になる女性がいたらよかったのにね(笑)
#5981[2017/05/24 10:04]  sado jo  URL 

我が家は住宅地のせいかヘビ、イモリをよく見かけます。
最近お向かいの地下にヘビが入り込んで、私が棒と網で
捕まえて離れた場所に放したのですが、またすぐ入り込んでました。
ヘビやイモリを殺すという思考が日本人にないのは、仏教の、
生き物を憐れむという思想や神道の、動物たちは神の使いという
考えが根底にあるからなのでしょう。
でも、私、蚊とゴキブリは叩いてしまうんですよねえ。(笑)
#5982[2017/05/24 13:12]  エリアンダー  URL 

Re: エリアンダー様COありがとうございます^^

> 我が家は住宅地のせいかヘビ、イモリをよく見かけます。
> 最近お向かいの地下にヘビが入り込んで、私が棒と網で
> 捕まえて離れた場所に放したのですが、またすぐ入り込んでました。

イモリなどの小型爬虫類は、ゴキブリを食べて駆除してくれる貴重な有益生物です。
ワシントン条約がなければ、カメレオンを家で放し飼いにしたいと思う位ですよ(笑)
床下に青大将=蛇がいると家が栄えると言う伝えは、害虫が恐れて近寄らないからです。
昔の日本人は、自然生物を上手に役立てました。役に立つ生物を殺すのは勿体ないです。
都会人は野良猫を邪魔にしますが、田舎では穀物を食い荒らすネズミを退治してくれる貴重な動物なんです。野生の山猫が世界中に広まったのは人間が必要としたからですよ(笑)
#5983[2017/05/24 14:39]  sado jo  URL 

現代人は人工物に囲まれてますからね
なので、その手の感覚も麻痺しやすいでしょう

あと、個人的に通信技術が発達したのは、互いの不信感が強いからかなって思ったりしますね

いつどこにいたのかってのは、やろうと思えば通信機器のログかなんかを辿れば簡単にわかっちゃいますし

取り締まる、監視する側からしたら、罪を犯した人間を早めに捕まえることができたり、未然に防ぐことができたりするので、有益なんでしょうけどね
#5984[2017/05/24 20:45]  blackout  URL 

Re: blackout様COありがとうございます^^

> 個人的に通信技術が発達したのは、互いの不信感が強いからかなって思ったりしますね

さすがblackoutさん…的を射た鋭い指摘だと思います^^
実は米国機関の調査では、IT通信が発達してから、却って人間の争い事が増えてるんですよ。
面と向かって言えない事を、匿名をよい事にズケズケ言って人の不信感を煽ってますからね。
「バカ!」「**人め!」「死ね!」「ぶち殺す!」何て言葉は面と向かって言えないでしょ(笑)
でも、ネットでは過激な事でも言えてしまいます…すると、それを現実に実行する馬鹿者が出る。
将来的にはプライバシーを保護しながら、ネット社会を実名アクセスにする必要がありますね。
でないと、テロや人種・民族差別、猟奇犯罪が増えて現実社会が危機に曝される事になります><
#5985[2017/05/24 22:26]  sado jo  URL 

>人に生れる事は稀であり、仏の教えを聞くのはなお稀な事…なのにこの体たらく。今度虫に生れたら何も知らずに死ぬのだ

でも知らない方がいいことも多い。
本当は、そこで自分の元を去ることを望んだのではないのかな、と思います。

涅槃へと至る道。
そこまでには何度となくこの世の泥を呑むことになる。
その手を血で汚すことになる。

それは、知らなくていいのならその方がいいこと。

そして辿り着く者は阻んだとしてもその道を行ってしまう。

きっと、こう思っていたんじゃないでしょうか?

不殺生を謳ったところで本当に理解することなどできない…
殺したくなくなるまで、殺せなくなるまでに、一体どれほどのこの手を汚したか…
お前たちはそんな道を歩かなくていい。
それでもきっとお前たちは…


そして彼の弟子たちは彼同様に不殺生という方便を説くようになる…
積み上がり続ける死体の上を歩きながら師と同じことを祈り続ける
どうか彼らには別の道を。
家畜でよい、虫けらでよい。
と。


「あまつき」というアニメを見るとそんな感じがします。
そのなかの坊さんは、妖怪退治をしていました。
妖怪退治は功徳を積むことになると。
それがあるときから変わります。
妖怪退治は功徳でもなんでもない、ありがたい飯の種であると。
説教されるだけではダメだ、自分でたどり着かなければ、と。
人と妖怪の間でどれだけ迷おうと前に進もうと思う、と。

そういう人にとっては、他の人まで巻き込もうとは思わないのだと思います。
いつかその時が来た時のために「覚えておいてくれ」程度のこと。

仏典に残されているのはそんな感じのどうでもいい、だけど覚えておいてほしいこと程度なんじゃないですかね。

「シンシア 愛する人」という曲の
どこまででも守り抜きたい、その笑顔が何より幸せだから
という歌詞と同様の想いが仏典。
修行しろ、体たらく、は多分なかったかなと思います。

動画サイトとかで検索するすぐ出てくると思いますのでお勧めします。
違法アップなのだとは思いますが
この曲をアップする人がいる分少しだけ世界がマシに思えるそんないい曲です。
#5986[2017/05/25 17:27]  野良猫  URL  [Edit]

Re: 野良猫様COありがとうございます^^

仏陀は七世の過去を知り、七代先の未来を予見したと伝えられます。
これは何も荒唐無稽な魔術ではなく、科学的にあり得る事象かも知れません。
なぜなら、顕微鏡でしか見えないDNAの中には、PCメモリーの数兆倍の記憶が収められていて、現に胎児は産まれる際に10カ月でその記憶の形態をたどって生じます。
もし仏陀に、DNAのアカシックレコードを読み取る能力があったなら可能な事です。
余り聖者をバカにしない方がいいと思いますよ…仏陀やイエスは来るべき人類の進化系=突然変異体として我々に先んじて生まれたのかも知れません。
子孫はいずれそうなると言う見本…未来人は予知やテレパス、物質をエネルギーに変換したり、その逆をやったりする能力を身につける。彼らは命の存在を見極め、決して迷う事はないでしょう。
ただし、それまでに人類が暴走して滅びなければの話ですが(笑)
#5988[2017/05/25 22:31]  sado jo  URL 














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