シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

アニメ /コミック

プロはどこを見ているのか?

プロの目

前回、女性漫画家の原作でアニメ化された作品を紹介した際に、たくさんのコメントをいただき感謝しています。
さて年末ともなると一年の締め括りとして、映画や文芸・音楽など各分野における、各種の表彰作品やランキングが発表されます。
その結果を目にするみなさんはさぞ不思議に思う事でしょう。なぜブームになるほどヒットした作品が選考から外れているのか?

「何で『君の名は』が金賞じゃないんだ」「いゃ『シンゴジラ』の方が凄かったぞ」「『この世界の片隅』なんてクソ面白くもないのに金賞か
よ」「プロ(批評家)の目はフシアナか?」などなど…いやはや、昨年末などはファンのブーイングの嵐が吹き荒れました(笑)

しかしファンの見た目とは違い、プロの先生方の目は正確で、昔映画のプロの世界にいた私の見立てとおおむね一致していました。
各賞やランキングを選考するのは業界のプロです。見誤る事はありません…では、プロはどこを見て採点しているのでしょうか?
後学の為に、これからプロを目指す方の為に…プロの目に留まる作品を書きたい。創りたい方の為にプロの壷をごお教えします。

「芥川龍之介」「夏目漱石」「太宰治」…誰でも一度は触れた事のある大作家。彼らの作品はなぜ未だに人々に読まれているのか?
彼らの作品のどこが凄いのでしょうか?…大文豪だから?学校の教科書に載るほど有名な作家だから?…いいぇ、全然違います!
彼らの書いた作品の凄さは 「見えざる人の心を見事に文字で可視化している」 所です。そこが誰よりも飛び抜けているのです。
凡そ創作物と言うものは「人の心から出て人の心に届かなければ意味がありません」どの分野でも創作する目的はそこにあります。
従ってプロは、作品に表れている「可視化された心」を見ているのです。如何に心を可視化しているかで評価の70%が決定します。
私が現役の頃は、映画界に「黒澤明監督」、漫画界に「手塚治虫」と言う見事に心を可視化して見せる天才的創作家がいました。
両氏の作品には人の心が…魂が脈打っていました。黒澤さんや手塚さんが「世界の巨匠」と言われる由縁はそこにあったのです。
今、心を可視化して見せる作品を作るのが最も上手いのはジブリの「宮崎駿」でしょう。故に世界で高い評価を受けているのです。
そちらの業界にいたので、映画や漫画、アニメの話をしましたが、文芸であろうが音楽であろうが作品を見るプロの目は同じです。

姿形や色は誰でも見える。が、心と言うものは見えない…だが人が一番見たがるのは心なのです。それを可視化するのが創作です。
プロは新人に技巧や修飾を求めてはいません。如何に心を可視化しているかを見ています。そこが光ってれば高い評価をくれます。
私の様に端から心を可視化する才能がないならともかく、ブログを見る限りは、キラリと光る「感性を磨けば玉になる」人もいます。
何よりも、人の喜びや悲しみ、苦悩を我がものとする共感覚を養い、自分の心を客観的に見つめて掘り下げる感性を養ってゆく事。
どうか技巧や修飾に無駄な時間を割くより、心を可視化する訓練に努めて下さい…そうすれば必ずプロを唸らせる作品が作れる!
ある意味、心を磨く事は技巧や修飾を磨くより難しいかも知れません…プロの世界は厳しいですが、挫けずに修練して下さい^^

言い忘れましたが、実は私は「新海誠」の才能を高く評価しています。『秒速5センチメートル』で見せた心の可視化は見事でした。
しかし『君の名は』は彼本来の才能が思ったほど現れていませんでした…でも、いずれは宮崎駿を超える人だと期待しています。
後『魔法少女まどか☆マギカ』の「新房昭之」…元々心を可視化する才能はピカイチでしたが、直近の作品『3月のライオン』では、
一層磨きが掛かって巨匠の域に近づいています…あの作品のどこが凄いのかが分かる方は確かな目を持っていると思います。


新房昭之監督『3月のライオン』 :見えざる心を見事に可視化して見せた一級品です。

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#6773[2017/12/14 01:49]     

観て面白いか、作品として面白いかはやはりベクトルが違いますね。
「経験がないと書けない」というのはよく聞きますが、まさしくその通りです。
実際にその仕事をしなきゃわからない、単なる出来事の経験もそうだけど
それ以上に人の気持ちというのは実際に人と触れ合ってみないとわからない。
生きていく中で感じたこと、そのとき思ったことなどが積み重なって作品になっていく。
私もまだまだ勉強不足です。
#6774[2017/12/14 09:30]  西條すみれ  URL 

まさに!

こんにちは!いつも、ありがとうございます。

カズオ・イシグロが言わんすることですよね!!!

私は、『 心 』が今も、多分、これからも、ずっと心に残っていくと思います。
#6775[2017/12/14 12:01]  窓  URL  [Edit]

Re: M様COありがとうございます^^

「剣禅一如」と言う有名な宮本武蔵の言葉があります。
その極意は、己と人の心を見通して剣を奮う…剣の腕前だけなら武蔵より強い武芸者はたくさんいた。だが、彼は我彼の心を見る修行を積んだから剣豪と謳われるほど強かったのです。
映画も文芸も、他の芸術も全ての極意は心にあります…まず心を磨かなければ駄作です。
「心を見せたり聴かせたりするのが創作です」プロは如何に心を表現しているかを見ます。
表面の派手さや技巧の上手さを見ているのではありません…だから、創る側も評価する側も真剣勝負なのです。故にプロになれるのですよ。
自分は映画界にいた頃、偉大な先輩方の中で揉まれて良い修行をさせていただきました。
新海誠監督は巨匠になる才能をお持ちです。だがまだ何かが足りない…今後に期待します^^
#6776[2017/12/14 14:00]  sado jo  URL 

Re: すみれ様COありがとうございます^^

> 「経験がないと書けない」というのはよく聞きますが、まさしくその通りです。
> 実際にその仕事をしなきゃわからない、単なる出来事の経験もそうだけど

「経験がないと書けない」…ならば、私小説しか書けなくなってしまいます(笑)
一流の創作家は「他人の経験や心情を我がものとする」共感覚の修練を積んでます。
だから、男でも女でも、少女でも老婆でも、あんなに生き生きと表現できるんです。
自分に都合の悪い事「不都合な真実」を拒絶する偏狭な創作家は、永久に三流です。
経験や年齢は関係ありません…幅広く人間を見つめて受け入れられるかどうかです。
自分が見てきた一流のプロ創作家は、人としてもまた一流のプロの人間でありました^^
#6777[2017/12/14 17:31]  sado jo  URL 

Re: 窓様COありがとうございます^^

> カズオ・イシグロが言わんすることですよね!!!
> 私は、『 心 』が今も、多分、これからも、ずっと心に残っていくと思います。

自分にどこか雰囲気が似てるカズオ・イシグロ氏のノーベル文学賞受賞はとても嬉しい♪
書く毎に作品が冴えてきて輝きを増してゆく…そして、その作品は悠久の時を生き続ける。
持って生まれた才能だけでなく、普段から精進してゆく…そんな人を本物のプロと言う。
己の心が向上しなければ、作品もまた向上しません…創作物は作者の心を写し出す鏡です。
ジャンルは、純文学、コメディ、恋愛、ホラー、SF、何でも構いません…要は心が映し出されているかどうかです。プロはそこを見ています。
創作は「心より生まれ、人の心に届くもの」です…根本を忘れたら良い作品はできません。
#6778[2017/12/14 17:54]  sado jo  URL 

心が上手く書けているか?
キャラクターを操り人形ではなく、きちんと人として書けているか?
とても難しい部分ですね。

投稿サイトで書いていると、アクセス数やポイント欲しさについ読者に媚びてしまうことがあります。こういう設定にすれば初動が伸びるだろう、こういうシーンを定期的に入れればそこそこポイントが入るだろうと計算してそれが当たるとしめしめと思うこともありますね。

そうなるともう技巧以下の駆け引きになっているわけで、今回の記事を拝読して反省しました。
一番大切なところは心。忘れないよう、気を引き締め直したいと思います。
ご教示ありがとうございました。
#6779[2017/12/16 02:47]  椿  URL 

心を書く、描く、もしくは、見えるようにする、感じるようにする。
と言うのは簡単ですが、
どうすれば感動を与えられるのかはよく分かりません。

たぶん、何よりも内容が《並・平凡・普通》でないことが一番重要で、
それには、まず人間性が深く分析され、人間心理がよく描かれていることが求められ、
二番目は、それを表す技術が《並・平凡・普通》を超えていることではないでしょうか。
三番目に、作品を発表する人の人格、イメージ、日頃の生活ぶりなどがありそうです。

脚本がまったく同じで、セリフが同じでも、監督や俳優が違うと、全然違います。
『椿三十郎』は2007年にリメイクされました。
三船敏郎がした役は織田裕二。私は、二度観たいとは思わない映画でした。
興行収入は百億円を超えたそうですが。

有名な格言や名言は、内容はごく平凡でも、言い方がうまいです。
「禁煙ほど楽なものは無い、これまでに何百回もやめた」と
言われると、禁煙が非常に難しいことがよく分かります。

「技術」は、感性と頭脳のようですね。天分の差も大きいと思います。
#6780[2017/12/16 09:11]  ☆バーソ☆  URL  [Edit]

Re: 椿様COありがとうございます^^

> キャラクターを操り人形ではなく、きちんと人として書けているか?
> 投稿サイトで書いていると、アクセス数やポイント欲しさについ読者に媚びてしまうことがあります。
> そうなるともう技巧以下の駆け引きになっているわけで、今回の記事を拝読して反省しました。

ははは…スポンサーや顧客、ファンに好かれようとしてついつい媚びてしまう。
自分も商業創作家だったので、まだその癖が抜けません…お気持ちは良く分かりますよ。
あの頃は見映えの良い映像を作る事にやっきになってましたが、今振り返って観ると中身が死んでいるのが分かります。その時は良くても時間が経つと風化していました><
人の心にいつまでも残る作品を創るには自分らしい心が必要です「自分を見失わず、自分の人生を生きている人は、同時に他人の人生にも入ってゆけます」だからキャラを生き生きと描ける。
一流(プロ)と三流(アマ)の差は、自分を殺さず人を生かす事…にあると思います^^
#6781[2017/12/16 13:57]  sado jo  URL 

Re: パーソ様COありがとうございます^^

> 脚本がまったく同じで、セリフが同じでも、監督や俳優が違うと、全然違います。
> 『椿三十郎』は2007年にリメイクされました。
> 三船敏郎がした役は織田裕二。私は、二度観たいとは思わない映画でした。

一言で言うと、黒澤監督の『椿三十郎』の三船敏郎は椿三十郎だったが、森田監督の『椿三十郎』の椿三十郎は織田裕二だった…そこに差が出たのだと思います。
映画界では作品がクランクアップするまで、役者を俳優名ではなくキャラ名で呼ぶ習わしがあります…これは俳優に自分を忘れさせて配役の人物に成りきらせる工夫の一つです。
人気俳優にはどうしても固定されたイメージがあります。しかし、映画では殺人犯~刑事まであらゆる役を演じ切れる技量が必要になってきます。
人気歌手「山口百恵」は、映画『絶唱』においては、儚く可憐な山娘「小雪」でなくてはならない。百恵を思わせてはダメなのです…映画の中の彼女はまさに小雪になり切ってました。
将来は大女優になれる!…若くして演技力は磨かれていた。彼女は歌でそれを磨いたのでしょう。
共演した俳優同士が結婚する事がよくあります…それは互いに役になり切っていたからです。つまり双方(特に女優側)の共感性の高い演技力の賜物で…えぇ、友和は小雪に惚れたのですよ。
ただ、様々な役柄に没頭できる高い才能を持つ俳優は、演じてゆく内に自分が誰だか分からなくなる…創作キャラに没入する高い才能を持つ作家にも同じ事が起こります。
作家や俳優の薬物中毒や自殺が多いのは人格の混乱です…山口百恵はあそこが潮時だった。将来の大女優の危険を冒すより女の幸せを求めたのでしょう。
人前に心を表す…晒すのは、高い感性が必要で容易に成し遂げられるものではありません。
修練を積まずしてそれが簡単にできるのなら、誰でもプロになってます(笑)
#6782[2017/12/16 15:58]  sado jo  URL 

こんばんは
プロと素人の目線は違うんだなと
思います。
#6785[2017/12/19 18:33]  ネリム  URL  [Edit]

なるほど、やはりそこでしたか

それだと、篭って創作しているだけだとすぐ行き詰まる気がしますね
それだからというわけではないですが、自分はアテもなくよく散歩してますw

とはいえ、最近は写真に興味が出たせいか、写真を撮るために出かけたりすることもしょっちゅうですw

ちなみに、撮った写真は以下のinstaにアップしてます
小説の作風と対象的だと思いますw
https://www.instagram.com/blackout9999/
#6786[2017/12/19 19:29]  blackout  URL 

Re: ネリム様COありがとうございます^^

> プロと素人の目線は違うんだなと思います。

その道のプロは、物を見る…なかんずく人を見る目がハンパないですね~!
自分は映画人時代に作家(脚本家)、俳優、音楽家、監督など一流の人を見てきました。
とても素人が太刀打ちできるもんじゃない…でも、彼らにチャレンジする精神は大事です。
何かのプロを目指すなら、まず自分自身を磨く事からですね^^
#6787[2017/12/19 23:21]  sado jo  URL 

Re: blackout様COありがとうございます^^

> なるほど、やはりそこでしたか
> それだと、篭って創作しているだけだとすぐ行き詰まる気がしますね
> それだからというわけではないですが、自分はアテもなくよく散歩してますw

いゃ、茶人の如き「ワビ・サビ」があって、blackoutさんらしい写真だと思いますよ♪
本物のプロは人を見る達人で、取材やロケハンで多くの友人がいて交際範囲も広いです。
以前にブログで、今井正監督と山本薩夫監督の両巨匠を「共産党員」と批判するアホがいた。
記事を読むと内容が子供騙しで大笑いしました…きっと本人に会った事はないんでしょう(笑)
私が見た限り両監督はもの凄いオーラを放ってました…どこに所属していようが巨匠は巨匠。
幼稚なカエルが大蛇をゲコゲコ貶すが如しです(笑)…人物の大きさが違う!言う事が違う!
自分は人物の大きい人を批判しません…うかつに批判すると笑い者にされて恥をかくだけ(笑)
人物を磨いてから出直してこい…です(笑)blackoutさんは物を見る目をしっかり養って下さい^^
#6788[2017/12/19 23:25]  sado jo  URL 

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#6828[2018/01/01 22:00]     

Re: M様COありがとうございます^^

こちらこそおめでとうございます^^
言葉(文)などの表現手段は人と繋がる為に編み出されたものです。
幾ら独善的な言葉を放っても、人とのコミュニケーションは取れません。
機に応じて聞く(見る)相手に配慮ができた時、言葉は初めて意味を為すものになります。
配慮のない言葉や文を見ると、心の可視化が欠落し、空回りしてるのが分かりますね。
あれじゃ、誰も言ってる事、書いてる事の意味を理解できないでしょう(笑)
#6830[2018/01/02 11:16]  sado jo  URL 














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