シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

アニメ /コミック

福島原発事故を予言したコミック「COPPELION」

コッペリオン

三年前の東日本大震災の福島原発事故で被害に遭われた方々の事を思うと、胸が痛くなります。
実を言いますと、すでに三年前のあの事故を予言したかのようなコミックが、日本で一足早く出版されていたのです。

「COPPELION」(コッペリオン) 井上智徳 作 講談社 刊

物語の舞台はか・っ・ての日本の首都・東京。
人口の一極集中で膨れ上がり、電力不足に陥った政府と東京都は、お台場に原子力発電所を設置します。
その原子力発電所が、関東地方を襲った大地震により、福島原発同様の事故を起し、メルトダウンしました。!
そして、一瞬にして900万人もの犠牲者を出し、首都・東京は死の灰に覆われた廃墟の街と化してしまうのです。
それから20年後・・・すでに誰も人がいないはずの東京から、なぜか<SOS信号>が発信されて来ます。
その頃、放射能に汚染された東京を捨てて、京都に移転した政府は、抗放射能DNAを植え付けたクローン人間を密かに開発していました。
そうして抗放射能DNAを持つクローンである、自衛隊特殊工科学校の生徒達「COPPELION」を汚染された東京に向かわせます。
(「COPPELION」とは=イタリアの人形劇から名づけられた、人間の手で作られた人形と言う意味です)
COPPELION達がたどり着いた東京はゴーストタウンと化し、放射能で奇形化した生物が徘徊する荒れ果てた死の街でした。
ところがそこでは、核物質の利益を求めて来る企業や、政治家が、僅かに生き残った人々を他所に、馬鹿げた利権争いをしていたのです。
しかも、COPPELIONの中にも、自分達をモルモットの様に扱い、科学を乱用する愚かな人間を嫌悪し、反逆する者も出て来ます。

リーダー「成瀬茨委員長」と「COPPELION・衛生係」は、そんな最悪な状況下でも、懸命に生き残った尊い命を救おうとがんばります。
人の幸せの為に科学は存在し、そして私達は作られた「科学は私のお母さん」と言う成瀬茨は、少女達と共に困難に立ち向かって行きます。
自分が傷付いても、なお他人への思いやりを忘れない「少女人形」の生き方は、人間よりよっぽど人間らしく思えました。

私が、ちょうど震災の三カ月前に「COPPELION」を読んだ時は、まさかそれが現実になるとは思ってもいませんでした。
近未来に起こりうる事かも知れない?とは考えてましたが、本当に現実に!…福島原発事故はとってもショックでした。
コミックには、放射能の事が色々詳しく描写されていたお陰で、福島原発事故のニュースの内容もとてもよく理解できました。
東日本大震災前から、アニメ放映される事が決定してましたが、内容があの事故を想起させる為、二年遅れて放映されました。
アニメの方は、被災した方々に配慮して「原発」「放射能」と言うキーワードを伏せて、昨年の秋に第一期が放映されました。
世論に配慮すれば致し方ありませんが…コミックを読み続けている私は、第二期のアニメ放映をとっても楽しみにしています。

「人は誤りを犯しながらも、それを反省し、乗り越えながら進歩していく生き物なのだ」
「COPPELION・掃除係」の黒澤遥人の一言には重いものがあります。科学は生命と共存し合ってこそ人の役に立つもの…
コミック「COPPELION」は、決して反原発キャンペーンでは無く、むしろポジティブに科学の未来を捉えた作品だと言えます。
現に、原子力開発の科学者や技師達は「プロジェクトX」ばりの血のにじむ様な懸命の努力をしています。
ゆえに要は「政治機構と企業の倫理に問題があるのだ」と、訴えている著者の予言的見解には、痛いほど賛同できます。
政治と企業の「臭い物には蓋」的な隠匿主義が「原子力開発=悪」の印象を与えているからです。
今後、人類が生きてゆく為には、宇宙開発や海洋開発において、原子力エンジンは欠かせないものになるでしょう。
長い歴史から考えれば、アイザック・ニュートンに始まった科学は、まだほんのよちよち歩きの段階です。
人は昔からそうして来た様に、失敗を繰り返しながらそれでも前に進み、やがては素晴らしい未来を作り上げねばなりません。
そうでなければ、広島・長崎やチェルノブイリの犠牲が無駄になってしまいます。

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<「COPPELION」アニメ版ダイジェスト>


<COPPELION.EDテーマ ~遠くまで~> この歌詞とっても好きです。

 
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~ Comment ~


ええ、その通りだと思いますです

科学に限らず、これからは共存の時代になっていくと考えてます

自分は小説で、全世界が崩壊するという類いのものを描きました

しかし、まだ色々と消化しきれていないうちに描いてしまったせいか、今読み返してみると、全体的にイマイチなんですよね(汗)
#103[2014/04/04 22:01]  blackout  URL 

Re: いぇいぇ、自分なりに一生懸命書いたならそれで良いと思います^^

> 自分は小説で、全世界が崩壊するという類いのものを描きました
> しかし、まだ色々と消化しきれていないうちに描いてしまったせいか、今読み返してみると、全体的にイマイなんですよね(汗)

どんな形にせよ「エントロピーの法則」が働く限り、早いか、遅いかだけで、世界はいずれ崩壊します。
まぁ「魔法少女・まどか」ちゃんが法則を変えてくれたら話は別でしょうが・・・(笑)
#104[2014/04/05 00:25]  sado jo  URL  [Edit]

そうですよね…。

東芝が原発の最新技術を持っているのに、なんで日本をほったらかしてアメリカで作るのか…って疑問です。やはり政治と企業の利権なんたらなんでしょうか…υ

原発の是非については、放射能をより良く扱える時が来るまでは多くの犠牲を伴いながらの一進一退なのでしょうね…。

ほんと、難しい問題です。
#108[2014/04/06 23:50]  小奈鳩ユウ  URL  [Edit]

Re: まずはT優勝おめでとうございます^^

> 東芝が原発の最新技術を持っているのに、なんで日本をほったらかしてアメリカで作るのか…って疑問です。やはり政治と企業の利権なんたらなんでしょうか…υ

原子力に関しては、やはり核保有国(特にアメリカ)の政治利権が大きく絡んでると思います。特に高度な原子力制御技術は、多くが軍事機密として秘匿されてます。現に原潜や空母を事故無く運用している。それを民間に解放すれば事故は減らせのに・・・民間人は核保有大国しのぎ合いの犠牲になってる様なもんですね。いっそ、米空母に電気を作ってもらいましょうか(笑)
#109[2014/04/07 08:43]  sado jo  URL  [Edit]

コッペリオン読みました

コッペリオン読みました。
最初のストーリーは原発事故中心でしたが、3.11のこともあってか、途中からストーリーの方向性をずらしたように思えます。
1巻と22巻では、かなり変わっているように思えます。
若干、話に無理があるかも・・・
#1477[2015/02/14 21:36]  I.T  URL 

Re: I.T様 COありがとうございます^^

コッペリオンは「東日本大震災」が起きる数ヶ月前にアニメ化が決定してました。
ところが、それから数ヵ月後に、本当に「原発事故」が起ってしまいました。
作者:井上智徳さんは、危うく休載に追い込まれ、アニメもお蔵入りになる所でした。
已む無く作品全体の見直しと、方向転換を余儀なくされたんでしょうね~><
これって言論の自由の侵害ですかね?それとも世論に配慮したんでしょうか?(笑)
#1478[2015/02/14 21:55]  sado jo  URL 














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