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シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

アニメ /コミック

アニメ『バビロン:Babylon』 ~生きる事は善い事か?~

バビロン

「生きることは病…眠りはその緩和剤…死は根本治療」
野崎まど(講談社刊)原作の禁断の小説 アニメ製作:ツインエンジン 東京MX系にて 毎週月曜PM22:00~放映中
久しぶりに人間の存在そのものを揺るがす様な作品に出会った…よくこんなテーマの小説がアニメ化できたものだと思う。

製薬会社の薬事法違反事件を捜査していた東京地検特捜部検事の正崎善は、証拠品の中から血痕の付いたメモを発見する。
びっしりと書き込まれた「F」の文字、付着した皮膚や毛髪からメモを書いた医師を特定するが、本人は自宅で奇妙な死を遂げていた。
死んだ医師宅に、自明党の大物議員の秘書が若い女を連れて出入りしていた事を知った正崎は、その裏にある特別行政区「新域」の首長選挙に絡んだ陰謀と利権を巡る汚職の捜査を始めるが、その矢先に女のマンションを監視していた部下の文緒検事が何の理由もなく自殺する。
正崎はマンションの住人で平松恵美子と名乗る女を呼んで参考人聴取するが、肝心な所はのらりくらりと誤魔化して一向にらちがあかない。
それどころか、正崎にまったく関係ない意味不明の質問すらぶつけてくる。だがその問答こそが後に物語の展開の重要な鍵になるのである。

平松「SEXについて伺いますが、避妊するのは悪い事だと思いますか」
正崎「悪い事ではない。社会的、経済的な事情でむやみに産んでも育てられない人もいる」
平松「じゃぁ子供を作るのは悪い事でしょうか」
正崎「善い事に決まっている。子供を生むのは賞賛されるべき事だ」
平松「避妊するのも善い事で、子供を作るのも善い事なら、どっちが正しい事なのでしょうか」
正崎「どっちが正しいとか、間違っているとかじゃない…人間は色々な生き方や価値観を尊重し、認め合って共存するべきだ」
平松「でも一方は自分が正しいと言い、もう一方は自分の方こそ正しいと言って争っているじゃありませんか。それでも共存せよと」
正崎「その善悪を裁くのが検事だ。君は検事の仕事を批判しているのか」
平松「おや?さっきは正しいとか、間違いではなく、人間は多様な生き方や価値観を認めるべきだとおっしゃっいましたよね」

さらに聴取を行っていた正崎が、ほんの僅か席を外した間に女は消え、後には魂が抜けた様になった奥野検事が呆然と突っ立っていた。
女の本名は曲瀬愛(まがせあい)と言い、後に大物議員の裏工作によって特別行政区「新域」の首長に当選した齋開化(いつきかいか)の協力者であり、人の心の奥深くに語りかけて自殺に導く特異な能力を持っていた。そして新域の首長になった齋開化は驚くべき宣言をする。

「人間にとって死は闇そのものだった。だが、人類が火を手に入れて夜の闇を照らしてから歴史が変わった様に、これからの人間は死を自由に操る事によって死の闇から開放される。私はその先駆けとして、人が自分の意志で『自由に死ぬ権利』を保障する法律を制定する」

多くの人は「死の自由」など公序良俗に反する背徳だと言うだろう…だがよく考えてみるといい。あなたには死ぬ自由があるのだろうか?
何かの事情で精神的に、或いは社会的に追い詰められて苦しくても生きる事を強要され、末期癌を患って苦痛に苛まれていても生命維持装置に繋がれて延命治療を施される…本人にとっては生きるよりも死んだ方がは遥かによい状況でも、自由に死ぬ事は許されないのである。
死にたくても生きる事を強いられ、逆に国家が行う戦争や処刑などで、生きたくても死ななければならない…こんな矛盾はある意味、人間社会の不条理であり生命への冒涜ではなかろうか?…そう考えて鑑賞すると「バビロン」で野崎まどが我々に投げかけた問いが見えてくる。
物語は始まったばかりで今後どうなるか分からないが、観たところ齋開化と曲瀬愛の罠にはめられて部下を失った正崎検事が、不条理の闇に立ち向かう筋書きのブラックサスペンスで…テーマがテーマだけに鑑賞した後に何かが心に引っ掛かって続きを観たくなるアニメです。


NHKドキュメント【彼女は安楽死を選んだ】 ※不治の病気に犯された女性の死を通して人の命の重さや生死のあり方を見つめ、社会に衝撃を与えた有名な番組です。せひみなさんに…特に人種や国家で人の命を差別する人には見て欲しい!命の真実がそこにあります。

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ベルギーのパラリンピック陸上女子選手:マリーケ・フェルフルトさん、40歳で安楽死

「自由意志」と言うものは人間存在を規定する最も重要な要素で、人に自由意志がなく誰かの命令に従うだけならただのロボットである。
だから自分は、芸術家の慰安婦像展示も(国際社会がナチスのハーケンクロイツ同様、虐殺の象徴であると定めない限り)旭日旗を掲げる事も承認する…そう言うと右派からサヨクと呼ばれ、左派からはウヨクと呼ばれるが、個別の思想よりも各自の自由意志の方をを尊重する。
民衆が自由意志を奪われた奴隷だった時代に比べ人は随分自由になった。だがまだ人の自由意志を妨害する輩がいる事に腹を立てている。
特に権力の座に着いた者は、人の自由意志を奪って己の野心を遂げようとする…だから自分は、人の自由を抑圧する権力が大嫌いである。
現代社会が「生の自由」を大事にするのは善い事だと思う。だがその反面「死の自由」と言うものに対しては随分抑圧的である様に思える。
高齢化社会を迎えた日本では、末期症状の老人が病院のベッドの上で死のうめき声を上げてるのに、それでも無理やり生かそうとしている。
いったい本人の「死の自由」はどこにあるのだろうか?苦痛以外の何ものでもない生に縛り付けられて延々と生き続けよとでも言うのか?
(私を含め)今は何とか普通に生きている老人や、やがて年老いてその状況に置かれるであろう皆様は「死の自由」を真剣に考えて欲しい。
 
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~ Comment ~


折角の命、大事にしたい。

私がよく言及するニール・D・ウォルシュは、自死は罪ではないが、この人生で課題を消化できなかったわけだから、また生まれ変わって同じような体験に立ち向かうことになると述べています。

しかし耐えられなくて死にたくなるほど苦しいことも、人生にはありそうです。
鬱病やPTSDなど重度の精神障害は、本人自身では問題を解決しにくいでしょう。
ただ、若い人に自殺が多いのは、自死を安易な逃れ道にしている場合もありそうです。
自殺は連鎖反応を呼びますね。誰かが特定の方法で死ぬと、それが流行ります。

アフガンとイラクからの帰還兵の自殺者は戦闘中の死者数を上回るそうです。
人生に悩んで解答が得られないから自死するというのはもったいないと思います。
愛ゆえに一緒に死ぬというのは、美しいような、もったいないような、愚かしいような。

安楽死は、激痛が酷く、改善の見込みがない場合には許可したほうがいいと思います。
最も自殺率が低いのは大阪府だそうで、ド派手に生きようとするのが良さそうです。
#7907[2019/10/10 19:18]  ☆バーソ☆  URL  [Edit]

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#7908[2019/10/10 20:43]     

Re: バーソ様COありがとうございます^^

> しかし耐えられなくて死にたくなるほど苦しいことも、人生にはありそうです。
> ただ、若い人に自殺が多いのは、自死を安易な逃れ道にしている場合もありそうです。
> アフガンとイラクからの帰還兵の自殺者は戦闘中の死者数を上回るそうです。
> 人生に悩んで解答が得られないから自死するというのはもったいないと思います。

自殺(自死)を犯罪の様に言う人が多いですが、末期癌患者や重度の難病患者、精神崩壊した人にとっては、それしか苦痛から解放される手段がない場合もあります。
なので、生きる自由を認めるならば、死ぬ自由も認められてしかるべきだと思います。

イラクやアフガンの従軍経験者の自殺や精神病、銃の乱射はアメリカでは社会問題ですね。
生きるか死ぬかの選択は個人の自由意志で、どんな理由があれ国家が決めるものではない。
韓国や中国との仲が険悪になった日本でも、憲法を変えて国民に兵役を課す動きがありますが、政府が国民の生死を勝手に決める事には断固反対します。
生の自由も死の自由も、人の自由意志で選ぶもの…人に死を強要する様な政府はいらない!
#7909[2019/10/11 11:31]  sado jo  URL 

Re: E様COありがとうございます^^

「彼女は安楽死を選んだ」…重度障害者の最期を追ったドキュメンタリーが物議を醸しましたね。
先頃、ブロ友だった「まり姫」さんが、末期癌でホスピスの緩和ヘアを受けながら亡くなりました。
ある意味苦痛を軽減し、人間としての尊厳を保ちながら死ぬ…緩やかな安楽死と言えなくもない。
人口に占める老人の割合が30%近くになった今後の日本は、そんなケースが必ず増えてきます。
生の自由を認めるなら、死の自由も認めるべき…苦痛に耐えながら生きろと言うのは残酷すぎる。
自分が年老いてそんな状況に陥ったらどうなのか?…誰もが真剣に考えておくべきだと思います。
#7910[2019/10/11 11:36]  sado jo  URL 

ゲームやってて「お前は誰かの言いなりになって今、幸せか?」というセリフがあり
確かに生きるためだけに働いて、そのために何もかも我慢して言いなりになって
しかもそれが人生の大半以上になるから本当にこの生き方幸せなのかなと最近疑問に。
頑張っても今以上に偉くなれない人もいるし、最悪耐え切れず死を選ぶ人もいる。
ビジネスなんてものも普段気が付かないだけで合法的なころし合いみたいなもので
企業間の競争で会社が倒産すると従業員が路頭に迷う。中には再就職が困難な人も。
死ぬこともそうだけど生きることももっと自由にさせてあげないとな……。
#7911[2019/10/11 17:43]  西條すみれ  URL 

Re: すみれ様COありがとうございます^^

> ゲームやってて「お前は誰かの言いなりになって今、幸せか?」というセリフがあり
> 確かに生きるためだけに働いて、そのために何もかも我慢して言いなりになって
> 競争で会社が倒産すると従業員が路頭に迷う。最悪耐え切れず死を選ぶ人もいる。
> 死ぬこともそうだけど生きることももっと自由にさせてあげないとな……。

そりゃ「死の自由」が認められない社会だから「生の自由」など無いに等しいでしょう(笑)
今の社会が異常なのは、関西電力の様な公共企業で地位を利用して私腹を肥やし、バレても逮捕されないで済む…と言う不思議。なぜ上の人間は悪い事をしてもお構いなしなのか?
さらに、神戸東須磨小学校教師の同僚イジメ…動画を見る限りイジメを通り越して犯罪行為になってるが、未だに顔はモザイク処理で実名の公表もなし…犯罪のはずなのにです。
「池袋母子死亡暴走事故」の飯塚院長の時もそうだったが、日本の社会は上級国民や公務員に甘すぎる!…一般人だったら即座に逮捕されて顔も実名も晒される事件なのです。
一般庶民は増税に苦しんで不自由なのに、公務員や金持ってる上級国民は自由したい放題(怒)
#7912[2019/10/12 10:28]  sado jo  URL 

逆にこんな時代だからこそ、枠は枠ですが、この小説がアニメ化できた気がします
きっと、みんな飽々してるんでしょう
安っぽい現実逃避的なエンタメにw

そういえば、最近自分のブログのアクセスが前にも増して、増えてますね
前作よりも救いのない展開になってるはずなんですけどね(汗)

ついに時代からお呼びがかかってるか?って、最近は思ったりしてますw

ただ、ちょっと複雑な気もしてます
自分の小説が注目されだしてるってことは、時代がどんどん不幸になってるとか、墜ちていってるとか、っていう状態でもあるかなって思ったりするので
#7913[2019/10/15 20:30]  blackout  URL 

Re: blackout様COありがとうございます^^

> 逆にこんな時代だからこそ、枠は枠ですが、この小説がアニメ化できた気がします
> きっと、みんな飽々してるんでしょう…安っぽい現実逃避的なエンタメにw
> 自分の小説が注目されだしてるってことは、時代がどんどん不幸になって墜ちていってる

「ジョーカー」=極悪人(バットマンの敵)を主人公にした映画が世界中で大ヒットしてます。
一昔前の悪人には、陽の当らない闇に隠れて証拠を残さずに悪事をやるイメージがありました。
今は、テロや銃撃犯、レイプやイジメの犯人までが写真や動画を撮って、これ見よがしに世間に公開します…発信元がバレてるのに脅迫電話やメールをする悪党もいる。
きっと時代が悪を求めているのです…万引きで捕まった老人が言いました「誰にも相手にされないのが辛い。まるで自分が存在していない様で、誰かに見て欲しかった」
社会や職場で電子機器や機械が主役になって以来、人間の存在が希薄になってしまったのです。
もはや悪事でも、差別でも、バカッターであっても、己の存在を主張さえできればいいのです。
おっしゃる通り現代は、善悪の区別も人間倫理も失われ、人が堕ちる不幸な時代になってます。
だからこそ善悪を無視した「バビロン」や、blackoutさんのダーク小説が注目を集めるのです。
#7914[2019/10/17 14:07]  sado jo  URL 

おはようございます。
折角与えられた命ですから大切にしたいなと思います。
#7915[2019/10/24 09:25]  ネリム  URL  [Edit]

Re: ネリム様COありがとうございます^^

> 折角与えられた命ですから大切にしたいなと思います。

「死」と言うものは命を産み出す女性から見れば、耐えられない現実だろうと思います。
だが一部の男性から見れば、「命」は思想や国家や、権力や名声に比べたら軽いものになる。
女性と男性の思考の違いによる命の悲劇は、歴史の中でうんざりするほど繰り返されてきました。
この記事は自殺の勧めではなく、寧ろ、人々が社会で生きる中で、忌避して目を背けている「生死」と言うものを真剣に考える機会になれば…と思います。
#7916[2019/10/24 13:36]  sado jo  URL 














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