FC2ブログ

シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

その他の小説

エデンに還る(1)海棲哺乳類

21-07-10
イルカと遊ぶプーチン大統領?
いぇいぇ、彼はそんな無邪気なタマではありません。イルカを軍事利用する為の訓練中です(笑)

<海棲哺乳類>
それはイルカのようであり、アザラシのようでもあった。
身体の前にはイルカにしては大きすぎるずんぐりした頭と、ぐるりと辺りを見渡せる首がついていた。
イルカなら水面で息継ぎをするために頭の上に乗っているはずの鼻は、その頭の正面に突き出していた。
だが不格好な頭部に比べると身体は泳ぐに適した流線型で、ヒレはイルカそのものだった…ただし胸ビレを除いては。
先端に指のあるその胸ビレは、ヒレと言うよりはアザラシの前足…又は腕と言った方が正確な表現になるだろうか。
実際、顔つきもイルカよりアザラシによく似ていた…けれどもアザラシは、陸から遠く離れた外洋を住処とはしていない。
流氷に乗って海を渡る事はあっても魚のように回遊する事はなく、普通なら海岸にたむろして陸に依存した生活をしているはずだ。
多分それもかっては海沿いにいたのだろう…それが何かの訳があって陸から遠く離れた外洋で生活するようになったとみえる。
よく考えてみれば、アザラシだけでなくイルカなどのクジラ類も元々の祖先は陸上で生活していた生き物である。
そんな生物が水の中に入ったのは、他の種との激しい生存競争に敗れ、或いは致命的な天敵から逃れるためだった。
けれどもそれが外洋で暮らすようになったのは、どうもそうした理由からではなさそうだった。
なぜならそれは、陸の岸辺から恐ろしい生き物を連れてやってきて海の生態系を支配しているからだ。
いつの間にワニを飼いならして海に適した生物に改良したのだろうか?まるで忠実な猟犬のように使役していた。
もしただのイルカやアザラシだったら逃げ隠れする場所のない外洋では、簡単にシャチやサメの餌食になっただろう。
だが、さすがにそれがワニと言う恐ろしい用心棒を従えているのでは捕食者達は手も足も出せなかった。

最も鋭い牙がある訳でもなく、取り立てて泳ぎも早くないそれが海を支配しているのは何もワニを従えているからだけではない。
それ自体がとんでもない武器を持っているからに他ならない…つまりそれ単体でも捕食者達にとっては恐るべき強敵なのである。
テッポウエビと言う体長5センチほどの小さなエビがいる…日本の海岸ならどこでも見かける片方のハサミが異様に大きいエビだ。
そのハサミは捕食者を威嚇する装飾でもなく、メスの気を惹くためのディスプレイでもない…それ自体が強力な武器として機能する。
テッポウエビは敵や獲物を見つけると、高速でそのハサミを打ち鳴らす…するとキャビテーション現象により、水中で高温・高圧のプラズマ衝撃波が発生する。
センチメートル当たり数10トンの水圧、数千度の高温のプラズマ衝撃波…その一撃を喰らった相手はたちまち昏倒して動けなくなる。
ハサミと言う名の水中プラズマ衝撃波銃を持っているエビ…だからその名を「テッポウエビ」と呼んでいる。
それも同様の水中プラズマ銃を持っていた…ただし、テッポウエビのようなハサミではなくラッパのような形状をした武器である。
まず自分の肺にためた空気をラッパに吹き込んで極限まで圧縮する…それを相手に向けて撃ち出す水中プラズマ衝撃波銃だった。
多分、サメなら一撃で即死…シャチやクジラでもマトモに喰らえば脳や内臓をやられて死に至るだろう。
なるほどワニが犬のようについてくる訳だ…それに従って狩りの助手をしていれば食うに困る事はないからである。

~エデンに還る(2)へと続く~
※ 久しぶりに「小説もどき?」を書いてみました。どんな展開になるのかは秘密です(笑)

<プラズマ(崩壊)とは?>
物質は「個体」「液体」「気体」のいずれかの形態で存在するが、過剰な負荷によって臨界点を超えるといずれの状態も保てなくなる。
物質を構成していた分子はバラバラになり、電子を弾き出された原子核は剥き出しのままになる…それを「プラズマ崩壊」と呼んでいる。
その時、物質の崩壊に伴って瞬間的な超高熱と超高圧の衝撃波が発生し、周囲の物質を巻き込んで連鎖的なプラズマ崩壊を起すのである。
広島の人々が「ピカドン」と呼ぶ原爆の破裂による火の玉の正体はプラズマ崩壊だった…6万人に上る当日の原爆犠牲者は放射能ではなく、プラズマの超高熱と超高圧衝撃波によって死んだのであった。おそらく直下にいた犠牲者は骨すら残さずに蒸発してしまったのだろう。
また、地震の際に発生するプラズマ崩壊は地下断層の連鎖的な破壊と大津波の引き金となって被害を大きくする…ちなみに「マグニチュード何々」とニュースで発表される地震の単位は、プラズマ崩壊が引き起こす震源域の地震波エネルギーを観測して得た値である。
いずれにせよ、プラズマ崩壊の原理すら知らない「テッポウエビ」や「モンハナシャコ」など、海の生態系では弱い部類に入る小型の節足動物がプラズマを武器にしているのは驚異的ですらある…何でも自分の数十倍もある大タコをノックアウトする事もあるらしい(笑)



テッポウエビのプラズマ衝撃波 (ナショナルジオグラフィックより)

ブログランキング・にほんブログ村へ 
▲クリックをよろしくお願いします▲
 
関連記事
スポンサーサイト



もくじ  3kaku_s_L.png やさしい刑事
もくじ  3kaku_s_L.png まぼろし
もくじ  3kaku_s_L.png 未来戦艦大和
もくじ  3kaku_s_L.png ゴジラの子守歌
総もくじ 3kaku_s_L.png その他の小説
もくじ  3kaku_s_L.png 随想/論文集
もくじ  3kaku_s_L.png オリジナル詩集
もくじ  3kaku_s_L.png 死とは何か?
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  ↑記事冒頭へ  
←エデンに還る(2)産業革命    →「八つ墓村」と「ひきこもり」と「タンピン(寝そべり)」
*Edit TB(0) | CO(6)

~ Comment ~


おお、久々の小説ですね!
嬉しいです。
どうなるのか楽しみにしております。
#8334[2021/07/09 17:49]  椿  URL 

Re: 椿様COありがとうございます^^

> おお、久々の小説ですね!
> どうなるのか楽しみにしております。

いぇいぇ、久々の小説と言うよりは下手な「小説もどき」です(笑)
文中に出てくる「それ」と呼ばれる生き物は何なのか?どこからやってきたのか?
正体が明かされるにつれて、衝撃の真実が読者の眼前に現れる事になると思います(謎笑)
「第2話」以降の展開をぜひご期待ください♪
#8335[2021/07/09 22:38]  sado jo  URL 

SFファンタジーは夢があって、いいですね。
で、SADOJOシネマでは、ウルトラゆびパッチンマンの登場ですか。
あるいは、ぼくらのテッポウエビーラか。(笑)
ウルトラマンの手刀からエネルギーをスパークさせる破壊光線と似ています。
しかしテッポウエビのハサミはすごいですね。知らなかったですよ。
衝撃の際は、音量は210デシベル、プラズマの閃光と4,400℃もの高温が生じる。
ちょっと信じがたい話ですが、800Vの高圧電気を発するウナギもいます。
自然界の知恵には、人間の知恵は遠く及びません。
思い出したのは、いまの魚雷は喫水下の船腹に当てて穴を開けるのではなく、
磁気信管によって船の直下の水中で爆破させ、
そのショックウェーブとバブル収縮時に発生するインパルスジェットで、
船体を真っ二つに折るそうで、動画を見たことがあります。
こんな動画でした。https://www.youtube.com/watch?v=7vaImLvZbPw&t=22s
次回は正体が明かされるかもしれないですが、AIが使われているかな。(笑)
#8336[2021/07/10 20:06]  ☆バーソ☆  URL  [Edit]

なんだか恐ろし気な生物ですね。
ワニを従え、胸にプラズマ砲を備えている。
知的にもかなり高そうですし、どういう風に
この小説が展開していくのか全く予想もつかないです。
sado jo
#8337[2021/07/10 20:30]  エリアンダー  URL 

Re: バーソ様COありがとうございます^^

> 自然界の知恵には、人間の知恵は遠く及びません。
> しかしテッポウエビのハサミはすごいですね。知らなかったですよ。
> 衝撃の際は、音量は210デシベル、プラズマの閃光と4,400℃もの高温が生じる。

まぁ、相手がエビなら「痛っ!」で済みますが、もっと大きければ命が危ないです(笑)
瞬間的に生じて炸裂するプラズマの粒子は、とてつもない大きな力を持ってますからね。
広島の街を破壊した原爆も、東日本を壊滅させた地震もプラズマの破壊力によるものです。
水中だとさらに巨大な水圧の衝撃が加わりますから、プラズマ魚雷の破壊力は一層増します。
確か以前、その方法で韓国のフリゲート艦が北朝鮮の魚雷で撃沈された事件がありましたね。
プラズマだけでなく人間は基本的には自然力を利用して文明を営んでますが、今回のコロナ禍を見ても自然が如何にすごい力を持っているかを実感します。
#8338[2021/07/10 22:23]  sado jo  URL 

Re: エリアンダー様COありがとうございます^^

> なんだか恐ろし気な生物ですね。
> この小説が展開していくのか全く予想もつかないです。

「それ」が何なのか?どこからきたのか?
その発生と変遷の過程を追ってゆくのが小説のテーマになると思います。
そしてそうなった…いゃ、そうならざるを得なかった衝撃の真実が明かすつもりでいます。
全てが明らかになった時、タイトル「エデンに還る」の意味するものが分かります(謎笑)
#8339[2021/07/10 22:41]  sado jo  URL 














管理者にだけ表示を許可する

~ Trackback ~


  ↑記事冒頭へ  
←エデンに還る(2)産業革命    →「八つ墓村」と「ひきこもり」と「タンピン(寝そべり)」