シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

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保安官ワイアットアープ外伝

保安官ワイアット・アープ外伝 「クリミア砦の決闘」(前編)

保安官01

※ この小説は某小説サイトにおいて、30分足らずの間に、100近いポイントを取った人気アクション活劇です。
これは、歴史に名高い伝説のガンマン「保安官ワイアット・アープ」の「OK牧場の決闘」から数年後のお話になります。
なお、この小説は、一部に歴史上の事実を含みます。

1881年、アメリカ合衆国、アリゾナ州の「トゥームストーン」において、西部開拓史上に残る「OK牧場の決闘」が行われた。
この時、悪党「クラントン一家」を相手に、派手な銃撃戦を演じた伝説の保安官「ワイアット・アープ」と、酔いどれ医師「ドク・ホリディ」は、州判事から過剰防衛で追訴され、ひとまずはロッキー山脈の麓、コロラド州に身を隠す事となった。
そして、辺境の町「アラモーサ」で、二人はひっそりと保安官と医者として暮していた。

 そんなある日、ドク・ホリディが、ひょっこりとワイアット・アープの保安官事務所にやって来た。
「よぅ、ワイアット」ドク・ホリディが、入って来て言った。
「何だ、ドクか…今日はえらい酔ってるなぁ~」ワイアット・アープは言った。
「これが飲まずにいられるか…!ってんだよ。今しがた血生臭い手術を終えたばっかりだ」
「どうしたってんだよ。何かあったのか?」
「州境のインディアン居留地でゴタゴタがあってな。怪我人が出たんだ」
「そうか。そりゃあ~、商売繁盛で結構な事じゃないか」
「何言ってんだ!ロシアの毛皮商人共が、ウクライナ・インディアンの土地を掠め取ってるってぇ~、もっぱらの噂だぞ」
「そうか…それがどうした?」
「そうか…じゃねぇだろ!お前らしくもない。何とかしてやんねぇと、インディアンがロシアの奴らに土地を奪われちまうぞ」
「インディアン居留地は、連邦政府の管轄だ。レンジャーに任せるしかない。俺の出る幕じゃあ無いよ」
「臆病になったもんだなぁ~、ワイアット。OK牧場でクラントンの奴らを相手に、正義を示したお前さんが…」
「そのお陰で判事に訴追されて、こんなロッキーの片田舎に都落ちしたんじゃないか。もう、余計な揉め事はごめんだ」
「おぃ、おぃ、それが西部一の早撃ちガンマンと異名を取った保安官様の言う言葉か?」
「あぁ、そうだよ…そろそろパトロールに行かなきゃならんから帰ってくれ。ドク」
 そう言うとアープは、保安官事務所からホリディを追い出して、町の見回りに出掛けた。

 アープがアラモーサの町をパトロールしていると、通りで二、三人の男達が、一人のインディアン娘を取り囲んでいた。
「やっぱり、町に逃げて来てやがったのか…おぃ!捕まえろ」一人の男がそう言っていた。
「あいよ、兄貴…さぁ、こっちへ来い」
 言われた男は、インディアンの娘を乱暴に鷲づかみにして、引き立てて行こうとした。
「助けて下さい!誰か助けて~!」
 男たちに捕えられたインディアンの娘は、遠巻きにその様子を見ている人々に助けを求めた。
 だが、誰も助けに入る者はいなかった。みんな厄介な揉め事に関りたくはないのだ。
(まずいな。町の中で揉め事を起されちゃ困る)アープは現場に近寄って行った。
「あ、保安官!どうか助けて下さい」
ジェリフのバッジを胸に着けたアープの姿を見るなり、インディアンの娘は、そう言ってアープに助けを求めて来た。
 だが、娘を捕えている男達の一人が、ジロリ!とアープを見て言った。
「何だぁ、お前は…?俺たちに何かイチャモンでも付けようってのか?」
「まずいぜ、兄貴。こいつぁ保安官だ!」
「保安官ったって、インディアンの事は連邦政府の管轄だ…ちっぽけな町の保安官風情の出る幕じゃねぇ」
「そうだ!俺たちゃ、ちゃん連邦政府の認可を受けてやっている毛皮商人だ」
「あぁ、連邦政府の認可を受けてるんなら文句は無いが、町の中で揉め事は困る…何かあったのか?」
 アープがそう言うと、どうも彼らのリーダーらしいロシア人の男が出て来て言った。
「このインディアン娘が、大事な商品の毛皮を盗んだのでね。これから連行して処罰するんだ」
「嘘ですっ!違います!この人たちは、私たちが先祖から受け継いだ大事な土地を奪おうとしているんです」
 娘は懸命にそう訴えたが、アープにはどうしてやりようも無かった。
「さぁ!お前たち、さっさと娘を連れてけ…これで文句は無いでしょうな?保安官」
「あぁ、町の人間に迷惑を掛けなきゃ、あんたらの好きなようにしたらいい」
(俺も歳を食ったな~)アープはそう思いながら、屈強な男たちに、無理矢理、連れ去られて行く娘を見送った。

 さっきの一件で、何と無く気が滅入っていたアープは、気分直しに酒場に入って一杯やろうとした。
 酒場では、集まっていたカウボーイたちがあれこれと噂話をしていた。
「ロッキーの辺境にあるウクライナ・インディアンの居留地で、ゴタゴタがあったらしいな~」
「あぁ、何でもロシア人が住み着いたクリミア砦で、ウクライナ族の酋長が、殺されたってぇ話だ」
「クリミア砦って言やぁ…南北戦争前に、インディアン討伐のために騎兵隊が作った砦だろ」
「それが今じゃあ、ロシアの毛皮商人たちが住み着いてるそうだ」
「何でも、インディアンの土地に少しづつ人を送り込んでは、土地を掠め取ってるらしいな」
「ウクライナ族の酋長は、それに抗議して殺されたらしい。見せしめに木に吊られて、無残な死に方だったってぇ~噂だ」
「確かティモシェンコ…ってぇ~酋長だろ。俺は会った事があるが、親切なやつで悪い男じゃなかったがなぁ~」

 カウボーイたちの話を聞いている内に、アープはあの日の出来事を思い出した。
 過剰防衛の罪に問われて、判事の追及を逃れ、ロッキー山脈までたどり着いて、道に迷ってしまったあの日の事を…
 森の中で方角も分からず、馬に乗ったまま戸惑っていたアープとホリディの前に、一人のインディアンが現れた。
 馬に乗った初老の男で、立派な羽根飾りを頭に被っている所をみると、どうも部族の酋長らしかった。
「道に迷ったのかね?白人」インディアンは微笑みながら、二人に話し掛けてきた。
「あぁ、どうもそうらしい」アープは答えた。
「ロッキーの山中でうかつに道に迷ったら、コヨーテに好かれてしまうよ」
「そりゃあ、ごめんこうむりたいね…同じ好かれるんなら女の方がいい」ホリディは、冗談交じりに言った。
「アラモーサって町に行きたいんだが、どうやって行ったらいい」アープは尋ねた。
「アラモーサか…いいよ。わしが居留地の境界まで案内してやろう」インディアンはそう言った。
「そりゃあ、ありがたいね。頼むよ」
「ただし、境界までだ…わしらインディアンは、許可なく居留地の外へは出られないからな」
「あぁ、それでいい…で、あんたは何てぇ名だ?俺はワイアット・アープ。こっちは連れのドク・ホリディだ」
「わしかね…?わしはウクライナ族の酋長で、ティモシェンコと言う」
「ティモシェンコか…ありがとう。この借りはいつかきっと返すよ」
「気にしなくていいよ。人間、困った時はお互い様だからな…さぁ、わしに付いて来るといい」
 こうしてウクライナ族の酋長、ティモシェンコに案内されて、アープとホリディは森を抜け出す事ができたのだった。

 馬に乗ってやって来たアープは、ホリディの診療所に着くと、玄関のドアを激しく叩いた。
 そして、ほろ酔い加減で出て来た、ドク・ホリディの顔を見るなりこう言った。
「ドク、出掛けるぞ!」
「どうしたい?ワイアット…性急だな~」
 ドクが見ると、アープの腰には、彼にしか扱えない長い銃身の拳銃・コルト45=バントラインスペシャルが吊り下げられていた。
「すぐに馬とライフルを用意しろ!一緒にクリミア砦に行こう」
「そうか!やっとその気になったか?そう来なくっちゃあ、ワイアットらしくねぇ」

<全二話>で構成された小説です。 ≫後 編≪ をクリックして続きをごらん下さい。

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保安官ワイアット・アープ外伝 「クリミア砦の決闘」

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~ Comment ~


ウクライナ問題とワイアット・アープですか。
変わった展開になりそう。
私の中ではワイアット・アープは「OK牧場の決闘」
「荒野の決闘」「トムストーン」がベストスリーです。
#170[2014/04/28 23:13]  エリアンダー  URL 

Re: CO ありがとうございます^^

> ウクライナ問題とワイアット・アープですか。
> 私の中ではワイアット・アープは「OK牧場の決闘」
> 「荒野の決闘」「トムストーン」がベストスリーです。

ははは…政治と言うより(上の)好きな女性に捧げた片思いのラブレターですね(笑)
「荒野の決闘」(ジョン・フォード監督 ヘンリー・フォンダ主演)は名作ですよね~♪
ちょうど、時代がWってて、ワイアット・アープ本人から聞いた話を脚色したらしいですよ。
#171[2014/04/29 00:37]  sado jo  URL  [Edit]














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