シムーン第二章 ~乙女達の祈り~

アニメ /コミック

「蟲師=続章」とノスタルジー

蟲師

~凡そ遠しとされしもの 下等で奇怪 
   見慣れた動植物とは まるで違うと覚しきもの達 
     それら異形の一群を 人は古くから恐れを含み いつしか総じて 蟲と呼んだ~


<蟲師 続章> 漆原友紀:原作 長濵博史:監督 マーベラスエンターテイメント製作 フジTV系放映

お馴染みの旅の蟲師・ギンコが、行く先々で、奇妙で不可解な病の謎を解き明かすお話の、続章アニメが始まりました。
前作同様、画面にパラフィン効果を掛けて、ノスタルジーを誘う雰囲気を醸し出し、不思議な蟲達と人との情話が綴られてゆきます。
日常の中にある非日常、それは遠い過去の出来事…「蟲師」と言うアニメに出会った時、私は懐かしい記憶を呼び覚まされました。

思い起こせば、私がまだ幼かった頃、「越中富山の薬売り」と言う旅の行商人がいました。
毎年、農閑期になると、決まって、アニメのギンコさんそっくりの井手達で、薬箱を背負って、ふらりと家にやって来ました。
すると、私の母親は、常備薬の入った薬箱を取り出して来て、薬売りに見せます。

「頓服が切れ掛けちょるべぇ…継ぎ足しておきますわな」薬売りは言います。
「あぁ、そう言やぁこの前子供が熱を出して、ぎょうさん使ったでなぁ~…頼んますわ」
母親の話し声を聞いて、幼い私が囲炉裏端に顔を出すと、薬売りは微笑みながら私を見て言います。
「おぉ、坊か~。去年見た時より、すっと大きゅうなったべなぁ~」
そう言って、オマケの紙風船や駄菓子を手渡してくれました。私はとても嬉しかったのを覚えています。
「あんたんとこの(米の)獲れ具合はどうじゃった?」
納屋の方から、干し大根を持って出て来た祖母が、薬売りにそう尋ねます。
「今年は冷え込みがキツかったべなぁ~…不作だったで、困っちょります」
「そうか~…あんたんとこも小さいのがおるけぇのぅ」
「んだ。食わせてやらにゃあならんべぇ…大変ですら」
「これ、持ってきんされ」祖母が干し大根を、薬売りに差し出します。
「おっ!こりゃあスマンこって…」薬売りは礼を言いながら、それを受け取って行きました。

私は<越中富山の薬売り>が来る度に、こんなアニメ・蟲師さながらの人情めいた会話を、横に立って聞いていました。
あれから何十年経ったでしょうか…?でも、間違いなく、かっての日本にはアニメと同じ「蟲師の世界」があったのです。
きっと、原作者の漆原友紀さんも、心の中に私と同じ様な「日本人の原風景」を持っておられるのではないのでしょうか?
それぞれが持っている物を、お互いに分け合いながら、共に暮らし、生きていた…何と無く暖かで懐かしい時代がありました。
時代の流れか?今の日本人は、そんな風習も人情も失ってしまい、行き交う人も殺伐として、何だか淋しい気もいたします。
そこで、遥か昔のノスタルジーに誘われるままに、「もしも、ギンコさんが現代に生きていたら…」と言う小噺を書いてみました。

人が森を斬り開いて新しく作った、とある町にやって来た蟲師・ギンコは、町の人々が鼻や眼を患っているのを目にする。
ギンコ: 「あぁ、これは森に住んでる<華翔>ってぇ蟲のせいだよ。普段は人間に悪さをする蟲じゃぁ無いんだがね~…
きっと、お前さん達が森の木を斬って町を作ったもんだから、住処を失ってさまよい出たんだろう」
町長: 「じゃあ、わしらはどうすればいいんでしょうかね~?蟲師さん」
ギンコ: 「人を少しづつ木に近づけて蟲に慣らして行きゃあ、その内良くなるよ。子供達は出来るだけ緑の多い所で遊ばせるこった」
<第一話:花粉症蟲編> ※華翔=杉花粉

福島の田舎にある村で、畑で取れた作物を食べた村人が、重い病気を患っていた所へ、蟲師・ギンコが通り掛かる。
村長: 「畑で取れた作物を食った村の衆が、みんな重い病に罹るんでさぁ~」
ギンコ: 「畑の土の中に<施刺>ってぇ蟲がいるなぁ~…こいつぁ毒蟲でね。人間が光脈筋から<宇羅>ってぇ石を掘り出して弄くり損ねると、そん中から飛び出して来るんだ。30年ほど土の中に居て、やがて元の光脈筋に帰る。まぁその間、他所から綺麗な土を持って来て被せてやると病人は出なくなるよ」
<第二話:原発事故放射能蟲編> ※宇羅=ウラン ※施刺=セシウム137

どうでしょうか?いくら科学の発達した現代だって、人の目に見えない物は、昔と何一つ変わらない「蟲」には違いありませんよね。
博識ぶった学者に学術語混りに言われるより、ギンコさんにこんな風に言われた方が、よっぽど納得できる様な気がしませんか?
そんな訳で、科学が無い時代でも、人はちゃんと人間らしく生きていた…いや、無かったからこそ自然と共生していたのであります。
出来る事なら、もう一度会いたいなぁ~…越中富山のギンコさんに…

<蟲師=第一期> (▼)VTRリストの順に、ココから全26話をごらんいただけます。



にほんブログ村 小説ブログへ

  
関連記事
スポンサーサイト
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼シムーン第二章 ~乙女達の祈り~
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼未来戦艦大和
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼ビーストハンター
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼クロニクル ~カルマ~
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼まぼろし
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼やさしい刑事
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼幻影の艦隊
総もくじ 3kaku_s_L.png ▼その他の小説
もくじ  3kaku_s_L.png オリジナル詩集
もくじ  3kaku_s_L.png 随想/論文集
もくじ  3kaku_s_L.png 死とは何か?
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  ↑記事冒頭へ  
←やさしい刑事 第4話 「母地蔵」 (1)    →トワイライトエクスプレス
*Edit TB(0) | CO(8)

~ Comment ~


こんにちわ
蟲師は現代人が忘れている人情や目に見えない物はいるということを伝えたいのだと思います。
#189[2014/05/06 10:51]  ネリム  URL  [Edit]

Re: CO ありがとうございます^^ネリム様

> 蟲師は現代人が忘れている人情や目に見えない物はいるということを伝えたいのだと思います。

そうですね。乳酸菌蟲のお陰で腹痛を起さず済みますし、酵母菌蟲のお陰でパンなどの食べ物を食えます。
目に見えなくても人と自然は支え合って生きてます。人と人も支え合って共生しなければならない。
と、言う事を「蟲師」は語っている様な気がします。
#190[2014/05/06 13:34]  sado jo  URL  [Edit]

自分も、これからは、あと何年かかるのかはわかりませんが、共生の時代がくると考えてます

○○が××に取って代わった、という時代は、5〜6年ぐらい前を境に、少しずつ薄れてきてると思いますが、そうなると、社会から何らかの指標を与えられないと生きていけない人間たちが、右往左往している

それが、今だと感じてます

まぁ、自分は多少なりとも好き勝手に生きてる部類の人間なので、ある意味いい時代になったと思ってます
#192[2014/05/06 20:16]  blackout  URL 

Re: そうですね^^

> 自分も、これからは、あと何年かかるのかはわかりませんが、共生の時代がくると考えてます

一昔前はお国の為、戦後はお金の為、その目標を失った今は…?自分で考えなさい…ですよね(笑)
私が幼い頃は、家に電話は無かった。今じゃあ、誰もが外を歩きながらスマホで電話してる。
この前ぶらぶらしてたら、ヘマをやらかした爺ちゃんを、携帯で怒鳴ってる婆ちゃんがいた。
「そうか~…男子草食・女子肉食は、あんたらの世代から始まってたのか~」と思いました(笑)。
歴史は確実に進歩してる様です。日本も遅れを取らない様、しっかり頑張らないといけません。
天安門集会の参加者を逮捕したり、暴れてるテロリストを支援する、歴史に遅れた国もあります。

「(授業に)遅れて来た者は罰を受ける」=ミハイル・ゴルバチョフ= 高い見識だと思います。

誰があんな優れた大統領を失脚させたのか?そもそも某国は、そこから道を誤ったのでしょう>_<
#193[2014/05/07 01:43]  sado jo  URL  [Edit]

そういえば

こんにちは(^^
そういえば、私が子供(40年代半ば)の頃も
「越中富山の薬売り」来てました。
ギンコみたいなカッコイイお兄さんではなくて、かなりご年配の方でしたw
祖母が母に「今度(薬売りさん)が来たら、いつものをお願いして」と
話しているのも覚えてます。
他には、クサヤを売るおばあさんも来てましたね。
ネットで情報交換ではなく
人々の生活に溶け込んで足で廻って交流があった時代。
温かくて良かったなぁ… 
#380[2014/06/28 06:08]  ヘタリーナ風鈴  URL 

Re: h様 COありがとうございます^^

>そういえば、私が子供(40年代半ば)の頃も
>「越中富山の薬売り」来てました。
>ギンコみたいなカッコイイお兄さんではなくて、かなりご年配の方でしたw

もしかしら、旅の蟲師のお爺さんだったかも知れませんね(笑)

>ネットで情報交換ではなく
>人々の生活に溶け込んで足で廻って交流があった時代。
>温かくて良かったなぁ… 

昔は、確かに人間と人間の暖かい触れ合いがありましたね~
今はネットで交流してますが、これも意味のある事かも知れません。
人間が肉体を離れて「精神的存在」に進化しつつある証かも^^
#382[2014/06/28 12:43]  sado jo  URL  [Edit]

こんばんは。
遡ってのコメント、失礼致します。

蟲師・・・ 私も好きです。
続編が始まったことを、本屋で見かけ知りました。
ギンコが何気なく話すことが、私もとても心に残ります。
シンプルな本質のようなものでしょうか・・・

我が家にも、富山から薬売りのおじさんが来ていました。
色々な薬が次々出てきて、おじさんの話も面白くて、来るのが
楽しみでした。

今でも母は薬売りの方に来て頂いて、薬を揃えてもらって
いるのですが、人は変わりましたが箱は健在。

いつまでも、続いて欲しいです・・・
#477[2014/07/16 23:37]  月夜野  URL 

Re: t様 COありがとうございます^^

> 今でも母は薬売りの方に来て頂いて、薬を揃えてもらって
> いるのですが、人は変わりましたが箱は健在。
> いつまでも、続いて欲しいです・・・

わぁ…本当ですか~!
「越中富山の薬売り」と聞いただけで、もうウルウルしちゃいます♪
きっと、今は薬箱を背負って…では無く、車で来るんでしょうねぇ~
薬売りは、子供の頃の懐かしい思い出です^^
#478[2014/07/17 00:39]  sado jo  URL 














管理者にだけ表示を許可する

~ Trackback ~


  ↑記事冒頭へ  
←やさしい刑事 第4話 「母地蔵」 (1)    →トワイライトエクスプレス